歴代誌下(1章~20章)A14



第1


代下 1:1

 ダビデの子ソロモンはその国に自分の地位を確立した。その神、主が共にいまして彼を非常に大いなる者にされた。

代下 1:2

 ソロモンはすべてのイスラエルびと、すなわち千人の長、百人の長、さばきびとおよびイスラエルの全地のすべてのつかさ、氏族のかしらたちに告げた。

代下 1:3

 そしてソロモンとイスラエルの全会衆はともにギベオンにある高き所へ行った。主のしもべモーセが荒野で造った神の会見の幕屋がそこにあったからである。

代下 1:4

 (しかし神の箱はダビデがすでにキリアテ・ヤリムから、これのために備えた所に運び上らせてあった。ダビデはさきに、エルサレムでこれのために天幕を張って置いたからである。)

代下 1:5

 またホルの子であるウリの子ベザレルが造った青銅の祭壇がその所の主の幕屋の前にあり、ソロモンおよび会衆は主に求めた。

代下 1:6

 ソロモンはそこに上って行って、会見の幕屋のうちにある主の前の青銅の祭壇に燔祭一千をささげた。

代下 1:7

 その夜、神はソロモンに現れて言われた、「あなたに何を与えようか、求めなさい」。

代下 1:8

 ソロモンは神に言った、「あなたはわたしの父ダビデに大いなるいつくしみを示し、またわたしを彼に代って王とされました。

代下 1:9

 主なる神よ、どうぞわが父ダビデに約束された事を果してください。あなたは地のちりのような多くの民の上にわたしを立てて王とされたからです。

代下 1:10

 この民の前に出入りすることのできるように今わたしに知恵と知識とを与えてください。だれがこのような大いなるあなたの民をさばくことができましょうか」。

代下 1:11

 神はソロモンに言われた、「この事があなたの心にあって、富をも、宝をも、誉をも、またあなたを憎む者の命をも求めず、また長命をも求めず、ただわたしがあなたを立てて王としたわたしの民をさばくために知恵と知識とを自分のために求めたので、

代下 1:12

 知恵と知識とはあなたに与えられている。わたしはまたあなたの前の王たちの、まだ得たことのないほどの富と宝と誉とをあなたに与えよう。あなたの後の者も、このようなものを得ないでしょう」。

代下 1:13

 それからソロモンはギベオンの高き所を去り、会見の幕屋の前を去って、エルサレムに帰り、イスラエルを治めた。

代下 1:14

 ソロモンは戦車と騎兵とを集めたが、戦車一千四百両、騎兵一万二千人あった。ソロモンはこれを戦車の町々と、エルサレムの王のもととに置いた。

代下 1:15

 王は銀と金を石のようにエルサレムに多くし、香柏を平野のいちじく桑のように多くした。

代下 1:16

 ソロモンが馬を輸入したのはエジプトとクエからであった。すなわち王の貿易商人がクエから代価を払って受け取って来た。

代下 1:17

 彼らはエジプトから戦車一両を銀六百シケルで輸入し、馬一頭を銀百五十で輸入した。同じようにこれらのものが彼らによってヘテびとのすべての王たち、およびスリヤの王たちにも輸出された。


第2


代下 2:1

 さてソロモンは主の名のために一つの宮を建て、また自分のために一つの王宮を建てようと思った。

代下 2:2

 そしてソロモンは荷を負う者七万人、山で石を切り出す者八万人、これらを監督する者三千六百人を数え出した。

代下 2:3

 ソロモンはまずツロのヒラムに人をつかわして言わせた、「あなたはわたしの父ダビデに、その住むべき家を建てるために香柏を送られました。どうぞ彼にされたように、わたしにもして下さい。

代下 2:4

 見よ、わたしはわが神、主の名のために一つの家を建て、これを聖別して彼にささげ、彼の前にこうばしい香をたき、常供のパンを供え、また燔祭を安息日、新月、およびわれらの神、主の定めの祭に朝夕ささげ、これをイスラエルのながく守るべき定めにしようとしています。

代下 2:5

 またわたしの建てる家は大きな家です。われらの神はすべての神よりも大いなる神だからです。

代下 2:6

 しかし、天も、諸天の天も彼を入れることができないのに、だれが彼のために家を建てることができましょうか。わたしは何者ですか、彼のために家を建てるというのも、ただ彼の前に香をたく所に、ほかならないのです。

代下 2:7

 それで、どうぞ金、銀、青銅、鉄の細工および紫糸、緋糸、青糸の織物にくわしく、また彫刻の術に巧みな工人ひとりをわたしに送って、父ダビデが備えておいたユダとエルサレムのわたしの工人たちと一緒に働かせてください。

代下 2:8

 またどうぞレバノンから香柏、いとすぎ、びゃくだんを送ってください。わたしはあなたのしもべたちがレバノンで木を切ることをよくわきまえているのを知っています。わたしのしもべたちも、あなたのしもべたちと一緒に働かせ、

代下 2:9

 わたしのためにたくさんの材木を備えさせてください。わたしの建てる家は非常に広大なものですから。

代下 2:10

 わたしは木を切るあなたのしもべたちに砕いた小麦二万コル、大麦二万コル、ぶどう酒二万バテ、油二万バテを与えます」。

代下 2:11

 そこでツロの王ヒラムは手紙をソロモンに送って答えた、「主はその民を愛するゆえに、あなたを彼らの王とされました」。

代下 2:12

 ヒラムはまた言った、「天地を造られたイスラエルの神、主はほむべきかな。彼はダビデ王に賢い子を与え、これに分別と知恵を授けて、主のために宮を建て、また自分のために、王宮を建てることをさせられた。

代下 2:13

 いまわたしは達人ヒラムという知恵のある工人をつかわします。

代下 2:14

 彼はダンの子孫である女を母とし、ツロの人を父とし、金銀、青銅、鉄、石、木の細工および紫糸、青糸、亜麻糸、緋糸の織物にくわしく、またよくもろもろの彫刻をし、意匠を凝らしてもろもろの工作をします。彼を用いてあなたの工人およびあなたの父、わが主ダビデの工人と一緒に働かせなさい。

代下 2:15

 それでいまわが主の言われた小麦、大麦、油およびぶどう酒をそのしもべどもに送ってください。

代下 2:16

 あなたの求められる材木はレバノンから切りだし、いかだに組んで、海からヨッパに送ります。あなたはそれをエルサレムに運び上げなさい」。

代下 2:17

 そこでソロモンはその父ダビデが数えたようにイスラエルの国にいるすべての他国人を数えたが、合わせて十五万三千六百人あった。

代下 2:18

 彼はその七万人を荷を負う者とし、八万人を山で木や石を切る者とし、三千六百人を民を働かせる監督者とした。


第3


代下 3:1

 ソロモンはエルサレムのモリアの山に主の宮を建てることを始めた。そこは父ダビデに主が現れられた所、すなわちエブスびとオルナンの打ち場にダビデが備えた所である。

代下 3:2

 ソロモンが宮を建て始めたのは、その治世の四年の二月であった。

代下 3:3

 ソロモンの建てた神の宮の基の寸法は次のとおりである。すなわち昔の尺度によれば長さ六十キュビト、幅二十キュビト、

代下 3:4

 宮の前の廊は宮の幅に従って長さ二十キュビト高さ百二十キュビトで、その内部は純金でおおった。

代下 3:5

 またその拝殿はいとすぎの板で張り、精金をもってこれをおおい、その上にしゅろと鎖の形を施した。

代下 3:6

 また宝石をはめ込んで宮を飾った。その金はパルワイムの金であった。

代下 3:7

 彼はまた金をもってその宮、すなわち、梁、敷居、壁および戸をおおい、壁の上にケルビムを彫りつけた。

代下 3:8

 彼はまた至聖所を造った。その長さは宮の長さにしたがって二十キュビト、幅も二十キュビトである。彼は精金六百タラントをもってこれをおおった。

代下 3:9

 その釘の金の重さは五十シケルであった。彼はまた階上の室も金でおおった。

代下 3:10

 彼は至聖所に木を刻んだケルビムの像を二つ造り、これを金でおおった。

代下 3:11

 ケルビムの翼の長さは合わせて二十キュビトあった。すなわち一つのケルブの一つの翼は五キュビトで、宮の壁に届き、ほかの翼も五キュビトで、他のケルブの翼に届き、

代下 3:12

 他のケルブの一つの翼も五キュビトで、宮の壁に届き、ほかの翼も五キュビトで、先のケルブの翼に接していた。

代下 3:13

 これらのケルビムの翼は広げると二十キュビトあった。かれらは共に足で立ち、その顔は拝殿に向かっていた。

代下 3:14

 ソロモンはまた青糸、紫糸、緋糸および亜麻糸で垂幕を造り、その上にケルビムの縫い取りを施した。

代下 3:15

 彼は宮の前に柱を二本造った。その高さは三十五キュビト、おのおのの柱の頂に五キュビトの柱頭を造った。

代下 3:16

 彼は首飾のような鎖を造って、柱の頂につけ、ざくろ百を造ってその鎖の上につけた。

代下 3:17

 彼はこの柱を神殿の前に、一本を南の方に、一本を北の方に立て、南の方のをヤキンと名づけ、北の方のをボアズと名づけた。


第4


代下 4:1

 ソロモンはまた青銅の祭壇を造った。その長さ二十キュビト、幅二十キュビト、高さ十キュビトである。

代下 4:2

 彼はまた海を鋳て造った。縁から縁まで十キュビトであって、周囲は円形をなし、高さ五キュビトで、その周囲は綱をもって測ると三十キュビトあった。

代下 4:3

 海の下には三十キュビトの周囲をめぐるひさごの形があって、海の周囲を囲んでいた。そのひさごは二並びで、海を鋳る時に鋳たものである。

代下 4:4

 その海は十二の牛の上に置かれ、その三つは北に向かい、三つは西に向かい、三つは南に向かい、三つは東に向かっていた。海はその上に置かれ、牛のうしろはみな内に向かっていた。

代下 4:5

 海の厚さは手の幅で、その縁は杯の縁のように、ゆりの花に似せて造られた。海には水を三千バテ入れることができた。

代下 4:6

 彼はまた物を洗うために洗盤十個を造って、五個を南側に、五個を北側に置いた。その中で燔祭に用いるものを洗った。しかし海は祭司がその中で身を洗うためであった。

代下 4:7

 彼はまた金の燭台十個をその定めに従って造り、拝殿の中の南側に五個、北側に五個を置き、

代下 4:8

 また机十個を造り、神殿の中の南側に五個、北側に五個を置き、また金の鉢百を造った。

代下 4:9

 彼はまた祭司の庭と大庭および庭の戸を造り、その戸を青銅でおおった。

代下 4:10

 彼は海を宮の東南のすみにすえた。

代下 4:11

 ヒラムはまたつぼと十能と鉢とを造った。こうしてヒラムはソロモン王のため、神の宮の工事を終えた。

代下 4:12

 すなわち二本の柱と玉と、柱の頂にある二つの柱頭と、柱の頂にある柱頭の二つの玉をおおう二つの網細工と、

代下 4:13

 その二つの網細工のためのざくろ四百、このざくろはおのおの網細工に二並びにつけて、柱の頂にある柱頭の二つの玉を巻いていた。

代下 4:14

 彼はまた台と台の上の洗盤と、

代下 4:15

 一つの海とその下の十二の牛を造った。

代下 4:16

 つぼ、十能、肉さしなどすべてこれらの器物を、達人ヒラムはソロモン王のため、主の宮のために、光のある青銅で造った。

代下 4:17

 王はヨルダンの低地で、スコテとゼレダの間の粘土の地でこれを鋳た。

代下 4:18

 このようにソロモンはこれらのすべての器物を非常に多く造ったので、その青銅の重量は、量ることができなかった。

代下 4:19

 こうしてソロモンは神の宮のすべての器物を造った。すなわち金の祭壇と、供えのパンを載せる机、

代下 4:20

 また定めのように本殿の前で火をともす純金の燭台と、そのともしび皿を造った。

代下 4:21

 その花、ともしび皿、心かきは精金であった。

代下 4:22

 また心切りばさみ、鉢、香の杯、心取り皿は純金であった。また宮の戸、すなわち至聖所の内部の戸および拝殿の戸のひじつぼは金であった。


第5


代下 5:1

 こうしてソロモンは主の宮のためにしたすべての工事を終った。そしてソロモンは父ダビデがささげた物、すなわち金銀およびもろもろの器物を携えて行って神の宮の宝蔵に納めた。

代下 5:2

 ソロモンは主の契約の箱をダビデの町シオンからかつぎ上ろうとして、イスラエルの長老たちと、すべての部族のかしらたちと、イスラエルの人々の氏族の長たちをエルサレムに召し集めた。

代下 5:3

 イスラエルの人々は皆七月の祭に王のもとに集まった。

代下 5:4

 イスラエルの長老たちが皆きたので、レビびとたちは箱を取り上げた。

代下 5:5

 彼らは箱と、会見の幕屋と、幕屋にあるすべて聖なる器をかつぎ上った。すなわち祭司とレビびとがこれらの物をかつぎ上った。

代下 5:6

 ソロモン王および彼のもとに集まったイスラエルの会衆は皆箱の前で羊と牛をささげたが、その数が多くて、調べることも数えることもできなかった。

代下 5:7

 こうして祭司たちは主の契約の箱をその場所にかつぎ入れ、宮の本殿である至聖所のうちのケルビムの翼の下に置いた。

代下 5:8

 ケルビムは翼を箱の所の上に伸べていたので、ケルビムは上から箱とそのさおをおおった。

代下 5:9

 さおは長かったので、さおの端が本殿の前の聖所から見えた。しかし外部には見えなかった。さおは今日までそこにある。

代下 5:10

 箱の内には二枚の板のほか何もなかった。これはイスラエルの人々がエジプトから出て来たとき、主が彼らと契約を結ばれ、モーセがホレブでそれを納めたものである。

代下 5:11

 そして祭司たちが聖所から出たとき(ここにいた祭司たちは皆、その組の順にかかわらず身を清めた。

代下 5:12

 またレビびとの歌うたう者、すなわちアサフ、ヘマン、エドトンおよび彼らの子たちと兄弟たちはみな亜麻布を着、シンバルと、立琴と、琴をとって祭壇の東に立ち、百二十人の祭司は彼らと一緒に立ってラッパを吹いた。

代下 5:13

 ラッパ吹く者と歌うたう者とは、ひとりのように声を合わせて主をほめ、感謝した)、そして彼らがラッパと、シンバルとその他の楽器をもって声をふりあげ、主をほめて/「主は恵みあり、/そのあわれみはとこしえに絶えることがない」/と言ったとき、雲はその宮すなわち主の宮に満ちた。

代下 5:14

 祭司たちは雲のゆえに立って勤めをすることができなかった。主の栄光が神の宮に満ちたからである。


第6


代下 6:1

 そこでソロモンは言った、/「主はみずから濃き雲の中に住まおうと言われた。

代下 6:2

 しかしわたしはあなたのために高き家、/とこしえのみすまいを建てた」。

代下 6:3

 そして王は顔をふり向けてイスラエルの全会衆を祝福した。その時イスラエルの全会衆は立っていた。

代下 6:4

 彼は言った、「イスラエルの神、主はほむべきかな。主は口をもってわが父ダビデに約束されたことを、その手をもってなし遂げられた。すなわち主は言われた、

代下 6:5

 『わが民をエジプトの地から導き出した日から、わたしはわが名を置くべき家を建てるために、イスラエルのもろもろの部族のうちから、どの町をも選んだことがなく、また他のだれをもわが民イスラエルの君として選んだことがない。

代下 6:6

 わが名を置くために、ただエルサレムだけを選び、またわが民イスラエルを治めさせるために、ただダビデだけを選んだ』。

代下 6:7

 イスラエルの神、主の名のために家を建てることは、父ダビデの心にあった。

代下 6:8

 しかし主は父ダビデに言われた、『わたしの名のために家を建てることはあなたの心にあった。あなたの心にこの事のあったのは結構である。

代下 6:9

 しかしあなたはその家を建ててはならない。あなたの腰から出るあなたの子がわたしの名のために家を建てるであろう』。

代下 6:10

 そして主はそう言われた言葉を行われた。すなわちわたしは父ダビデに代って立ち、主が言われたように、イスラエルの位に座し、イスラエルの神、主の名のために家を建てた。

代下 6:11

 わたしはまた、主がイスラエルの人々と結ばれた主の契約を入れた箱をそこに納めた」。

代下 6:12

 ソロモンはイスラエルの全会衆の前、主の祭壇の前に立って、手を伸べた。

代下 6:13

 ソロモンはさきに長さ五キュビト、幅五キュビト、高さ三キュビトの青銅の台を造って、庭のまん中にすえて置いたので、彼はその上に立ち、イスラエルの全会衆の前でひざをかがめ、その手を天に伸べて、

代下 6:14

 言った、「イスラエルの神、主よ、天にも地にも、あなたのような神はありません。あなたは契約を守られ、心をつくしてあなたの前に歩むあなたのしもべらに、いつくしみを施し、

代下 6:15

 あなたのしもべ、わたしの父ダビデに約束されたことを守られました。あなたが口をもって約束されたことを、手をもってなし遂げられたことは、今日見るとおりであります。

代下 6:16

 それゆえ、イスラエルの神、主よ、あなたのしもべ、わたしの父ダビデに、あなたが約束して、『おまえがわたしの前に歩んだように、おまえの子孫がその道を慎んで、わたしのおきてに歩むならば、おまえにはイスラエルの位に座する人がわたしの前に欠けることはない』と言われたことを、ダビデのためにお守りください。

代下 6:17

 それゆえ、イスラエルの神、主よ、どうぞ、あなたのしもべダビデに言われた言葉を確認してください。

代下 6:18

 しかし神は、はたして人と共に地上に住まわれるでしょうか。見よ、天も、いと高き天もあなたをいれることはできません。わたしの建てたこの家などなおさらです。

代下 6:19

 しかしわが神、主よ、しもべの祈と願いを顧みて、しもべがあなたの前にささげる叫びと祈をお聞きください。

代下 6:20

 どうぞ、あなたの目を昼も夜もこの家に、すなわち、あなたの名をそこに置くと言われた所に向かってお開きください。どうぞ、しもべがこの所に向かってささげる祈をお聞きください。

代下 6:21

 どうぞ、しもべと、あなたの民イスラエルがこの所に向かって祈る時に、その願いをお聞きください。あなたのすみかである天から聞き、聞いておゆるしください。

代下 6:22

 もし人がその隣り人に対して罪を犯し、誓いをすることを求められるとき、来てこの宮で、あなたの祭壇の前に誓うならば、

代下 6:23

 あなたは天から聞いて、行い、あなたのしもべらをさばき、悪人に報いをなして、その行いの報いをそのこうべに帰し、義人を義として、その義にしたがってその人に報いてください。

代下 6:24

 もしあなたの民イスラエルが、あなたに対して罪を犯したために、敵の前に敗れた時、あなたに立ち返って、あなたの名をあがめ、この宮であなたの前に祈り願うならば、

代下 6:25

 あなたは天から聞き、あなたの民イスラエルの罪をゆるして、あなたが彼らとその先祖に与えられた地に彼らを帰らせてください。

代下 6:26

 もし彼らがあなたに罪を犯したために、天が閉ざされて、雨がなく、あなたが彼らを苦しめられるとき、彼らがこの所に向かって祈り、あなたの名をあがめ、その罪を離れるならば、

代下 6:27

 あなたは天にあって聞き、あなたのしもべ、あなたの民イスラエルの罪をゆるして、彼らに歩むべき良い道を教え、あなたの民に嗣業として賜わった地に雨を降らせてください。

代下 6:28

 もし国にききんがあるか、もしくは疫病、立ち枯れ、腐り穂、いなご、青虫があるか、または敵のために町の門の中に攻め囲まれることがあるか、どんな災害、どんな病気があっても、

代下 6:29

 もし、ひとりか、あるいはあなたの民イスラエルが皆おのおのその心の悩みを知って、この宮に向かい、手を伸べるならば、どんな祈、どんな願いでも、

代下 6:30

 あなたはそのすみかである天から聞いてゆるし、おのおのの人に、その心を知っておられるゆえ、そのすべての道にしたがって報いてください。ただあなただけがすべての人の心を知っておられるからです。

代下 6:31

 あなたがわれわれの先祖たちに賜わった地に、彼らの生きながらえる日の間、常にあなたを恐れさせ、あなたの道に歩ませてください。

代下 6:32

 またあなたの民イスラエルの者でなく、他国人で、あなたの大いなる名と、強い手と、伸べた腕のために遠い国から来て、この宮に向かって祈るならば、

代下 6:33

 あなたは、あなたのすみかである天から聞き、すべて他国人があなたに呼び求めるようにしてください。そうすれば地のすべての民はあなたの民イスラエルのように、あなたの名を知り、あなたを恐れ、またわたしが建てたこの宮が、あなたの名によって呼ばれることを知るにいたるでしょう。

代下 6:34

 あなたの民が敵と戦うために、あなたがつかわされる道によって出るとき、もし彼らがあなたの選ばれたこの町と、わたしがあなたの名のために建てたこの宮に向かってあなたに祈るならば、

代下 6:35

 あなたは天から彼らの祈と願いとを聞いて彼らをお助けください。

代下 6:36

 彼らがあなたに対して罪を犯すことがあって、――罪を犯さない人はないゆえ、――あなたが彼らを怒って、敵にわたし、敵が彼らを捕虜として遠い地あるいは近い地に引いて行くとき、

代下 6:37

 もし、彼らが捕われて行った地で、みずから省みて悔い、その捕われの地であなたに願い、『われわれは罪を犯し、よこしまな事をし、悪を行いました』と言い、

代下 6:38

 その捕われの地で心をつくし、精神をつくしてあなたに立ち返り、あなたが彼らの先祖に与えられた地、あなたが選ばれた町、わたしがあなたの名のために建てたこの宮に向かって祈るならば、

代下 6:39

 あなたのすみかである天から、彼らの祈と願いとを聞いて彼らを助け、あなたに向かって罪を犯したあなたの民をおゆるしください。

代下 6:40

 わが神よ、どうぞ、この所でささげる祈にあなたの目を開き、あなたの耳を傾けてください。

代下 6:41

 主なる神よ、今あなたと、あなたの力の箱が/立って、あなたの安息所におはいりください。主なる神よ、どうぞあなたの祭司たちに/救の衣を着せ、/あなたの聖徒たちに恵みを喜ばせてください。

代下 6:42

 主なる神よ、どうぞあなたの油そそがれた者の顔を/退けないでください。あなたのしもべダビデに示されたいつくしみを/覚えて下さい」。


第7


代下 7:1

 ソロモンが祈り終ったとき、天から火が下って燔祭と犠牲を焼き、主の栄光が宮に満ちた。

代下 7:2

 主の栄光が主の宮に満ちたので、祭司たちは主の宮に、はいることができなかった。

代下 7:3

 イスラエルの人々はみな火が下ったのを見、また主の栄光が宮に臨んだのを見て、敷石の上で地にひれ伏して拝し、主に感謝して言った、/「主は恵みふかく、/そのいつくしみはとこしえに絶えることがない」。

代下 7:4

 そして王と民は皆主の前に犠牲をささげた。

代下 7:5

 ソロモン王のささげた犠牲は、牛二万二千頭、羊十二万頭であった。こうして王と民は皆神の宮をささげた。

代下 7:6

 祭司はその持ち場に立ち、レビびとも主の楽器をとって立った。その楽器はダビデ王が主に感謝するために造ったもので、ダビデが彼らの手によってさんびをささげるとき、「そのいつくしみは、とこしえに絶えることがない」ととなえさせたものである。祭司は彼らの前でラッパを吹き、すべてのイスラエルびとは立っていた。

代下 7:7

 ソロモンはまた主の宮の前にある庭の中を聖別し、その所で、燔祭と酬恩祭のあぶらをささげた。これはソロモンが造った青銅の祭壇が、その燔祭と素祭とあぶらとを載せるに足りなかったからである。

代下 7:8

 その時ソロモンは七日の間祭を行った。ハマテの入口からエジプトの川に至るまでのすべてのイスラエルびとが彼と共にあり、非常に大きな会衆であった。

代下 7:9

 そして八日目に聖会を開いた。彼らは七日の間、祭壇奉献の礼を行い、七日の間祭を行ったが、

代下 7:10

 七月二十三日に至ってソロモンは民をその天幕に帰らせた。皆主がダビデ、ソロモンおよびその民イスラエルに施された恵みのために喜び、かつ心に楽しんで去った。

代下 7:11

 こうしてソロモンは主の家と王の家とを造り終えた。すなわち彼は主の家と自分の家について、しようと計画したすべての事を首尾よくなし遂げた。

代下 7:12

 時に主は夜ソロモンに現れて言われた、「わたしはあなたの祈を聞き、この所をわたしのために選んで、犠牲をささげる家とした。

代下 7:13

 わたしが天を閉じて雨をなくし、またはわたしがいなごに命じて地の物を食わせ、または疫病を民の中に送るとき、

代下 7:14

 わたしの名をもってとなえられるわたしの民が、もしへりくだり、祈って、わたしの顔を求め、その悪い道を離れるならば、わたしは天から聞いて、その罪をゆるし、その地をいやす。

代下 7:15

 今この所にささげられる祈にわたしの目を開き、耳を傾ける。

代下 7:16

 今わたしはわたしの名をながくここにとどめるために、この宮を選び、かつ聖別した。わたしの目とわたしの心は常にここにある。

代下 7:17

 あなたがもし父ダビデの歩んだようにわたしの前に歩み、わたしが命じたとおりにすべて行って、わたしの定めとおきてとを守るならば、

代下 7:18

 わたしはあなたの父ダビデに契約して『イスラエルを治める人はあなたに欠けることがない』と言ったとおりに、あなたの王の位を堅くする。

代下 7:19

 しかし、あなたがたがもし翻って、わたしがあなたがたの前に置いた定めと戒めとを捨て、行って他の神々に仕え、それを拝むならば、

代下 7:20

 わたしはあなたがたをわたしの与えた地から抜き去り、またわたしの名のために聖別したこの宮をわたしの前から投げ捨てて、もろもろの民のうちにことわざとし、笑い草とする。

代下 7:21

 またこの宮は高いけれども、ついには、そのかたわらを過ぎる者は皆驚いて、『何ゆえ主はこの地と、この宮とにこのようにされたのか』と言うであろう。

代下 7:22

 その時、人々は答えて『彼らはその先祖たちをエジプトの地から導き出した彼らの神、主を捨てて、他の神々につき従い、それを拝み、それに仕えたために、主はこのすべての災を彼らの上に下したのである』と言うであろう」。


第8


代下 8:1

 ソロモンは二十年を経て、主の家と自分の家とを建て終った。

代下 8:2

 またソロモンはヒラムから送られた町々を建て直して、そこにイスラエルの人々を住ませた。

代下 8:3

 ソロモンはまたハマテ・ゾバを攻めて、これを取った。

代下 8:4

 彼はまた荒野にタデモルを建て、もろもろの倉の町をハマテに建てた。

代下 8:5

 また城壁、門、貫の木のある堅固な町、上ベテホロンと下ベテホロンを建てた。

代下 8:6

 ソロモンはまたバアラテと自分のもっていたすべての倉の町と、すべての戦車の町と、騎兵の町、ならびにエルサレム、レバノンおよび自分の治める全地方に建てようと望んだものを、ことごとく建てた。

代下 8:7

 すべてイスラエルの子孫でないヘテびと、アモリびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの残った民、

代下 8:8

 その地にあって彼らのあとに残ったその子孫、すなわちイスラエルの子孫が滅ぼし尽さなかった民に、ソロモンは強制徴募をおこなって今日に及んでいる。

代下 8:9

 しかし、イスラエルの人々をソロモンはその工事のためには、ひとりも奴隷としなかった。彼らは兵士となり、将校となり、戦車と、騎兵の長となった。

代下 8:10

 これらはソロモン王のおもな官吏で、二百五十人あり、民を治めた。

代下 8:11

 ソロモンはパロの娘をダビデの町から連れ上って、彼女のために建てた家に入れて言った、「主の箱を迎えた所は神聖であるから、わたしの妻はイスラエルの王ダビデの家に住んではならない」。

代下 8:12

 ソロモンは廊の前に築いておいた主の祭壇の上で主に燔祭をささげた。

代下 8:13

 すなわちモーセの命令に従って、毎日定めのようにささげ、安息日、新月および年に三度の祭、すなわち種入れぬパンの祭、七週の祭、仮庵の祭にこれをささげた。

代下 8:14

 ソロモンは、その父ダビデのおきてに従って、祭司の組を定めてその職に任じ、またレビびとをその勤めに任じて、毎日定めのように祭司の前でさんびと奉仕をさせ、また門を守る者に、その組にしたがって、もろもろの門を守らせた。これは神の人ダビデがこのように命じたからである。

代下 8:15

 祭司とレビびとはすべての事につき、また倉の事について、王の命令にそむかなかった。

代下 8:16

 このようにソロモンは、主の宮の基をすえた日からこれをなし終えたときまで、その工事の準備をことごとくなしたので、主の宮は完成した。

代下 8:17

 それからソロモンはエドムの地の海べにあるエジオン・ゲベルおよびエロテへ行った。

代下 8:18

 時にヒラムはそのしもべどもの手によって船団を彼に送り、また海の事になれたしもべどもをつかわしたので、彼らはソロモンのしもべらと共にオフルへ行き、そこから金四百五十タラントを取って、これをソロモン王のもとに携えてきた。


第9


代下 9:1

 シバの女王はソロモンの名声を聞いたので、難問をもってソロモンを試みようと、非常に多くの従者を連れ、香料と非常にたくさんの金と宝石とをらくだに負わせて、エルサレムのソロモンのもとに来て、その心にあることをことごとく彼に告げた。

代下 9:2

 ソロモンは彼女のすべての問に答えた。ソロモンが知らないで彼女に説明のできないことは一つもなかった。

代下 9:3

 シバの女王はソロモンの知恵と、彼が建てた家を見、

代下 9:4

 またその食卓の食物と、列座の家来たちと、その侍臣たちの伺候振りと彼らの服装、および彼の給仕たちとその服装、ならびに彼が主の宮でささげる燔祭を見て、全く気を奪われてしまった。

代下 9:5

 彼女は王に言った、「わたしが国であなたの事と、あなたの知恵について聞いたうわさは真実でした。

代下 9:6

 しかしわたしは来て目に見るまでは、そのうわさを信じませんでしたが、今見ると、あなたの知恵の大いなることはその半分もわたしに知らされませんでした。あなたはわたしの聞いたうわさにまさっています。

代下 9:7

 あなたの奥方たちはさいわいです。常にあなたの前に立って、あなたの知恵を聞くこのあなたの家来たちはさいわいです。

代下 9:8

 あなたの神、主はほむべきかな。主はあなたを喜び、あなたをその位につかせ、あなたの神、主のために王とされました。あなたの神はイスラエルを愛して、とこしえにこれを堅くするために、あなたをその王とされ、公道と正義を行われるのです」。

代下 9:9

 そして彼女は金百二十タラント、および非常に多くの香料と宝石とを王に贈った。シバの女王がソロモンに贈ったような香料は、いまだかつてなかった。

代下 9:10

 オフルから金を携えて来たヒラムのしもべたちとソロモンのしもべたちはまた、びゃくだんの木と宝石をも携えて来た。

代下 9:11

 王はそのびゃくだんの木で、主の宮と王の家とに階段を造り、また歌うたう者のために琴と立琴を造った。このようなものはかつてユダの地で見たことがなかった。

代下 9:12

 ソロモン王は、シバの女王が贈った物に報いたほかに、彼女の望みにまかせて、すべてその求めるものを贈った。そして彼女はその家来たちと共に自分の国へ帰って行った。

代下 9:13

 さて一年の間にソロモンの所にはいって来た金の目方は六百六十六タラントであった。

代下 9:14

 このほかに貿易商および商人の携えて来たものがあった。またアラビヤのすべての王たちおよび国の代官たちも金銀をソロモンに携えてきた。

代下 9:15

 ソロモン王は延金の大盾二百を造った。その大盾にはおのおの六百シケルの延金を用いた。

代下 9:16

 また延金の小盾三百を造った。小盾にはおのおの三百シケルの金を用いた。王はこれらをレバノンの森の家に置いた。

代下 9:17

 王はまた大きな象牙の玉座を造り、純金でこれをおおった。

代下 9:18

 その玉座には六つの段があり、また金の足台があって共に玉座につらなり、その座する所の両方に、ひじかけがあって、ひじかけのわきに二つのししが立っていた。

代下 9:19

 また十二のししが六つの段のおのおのの両側に立っていた。このような物はどこの国でも造られたことがなかった。

代下 9:20

 ソロモン王が飲むときに用いた器はみな金であった。またレバノンの森の家の器もみな純金であって、銀はソロモンの世には尊ばれなかった。

代下 9:21

 これは王の船がヒラムのしもべたちを乗せてタルシシへ行き、三年ごとに一度、そのタルシシの船が金、銀、象牙、さる、くじゃくを載せて来たからである。

代下 9:22

 このようにソロモン王は富と知恵において、地のすべての王にまさっていたので、

代下 9:23

 地のすべての王は神がソロモンの心に授けられた知恵を聞こうとしてソロモンに謁見を求めた。

代下 9:24

 人々はおのおの贈り物を携えてきた。すなわち銀の器、金の器、衣服、没薬、香料、馬、騾馬など年々定まっていた。

代下 9:25

 ソロモンは馬と戦車のために馬屋四千と騎兵一万二千を持ち、これを戦車の町に置き、またエルサレムの王のもとに置いた。

代下 9:26

 彼はユフラテ川からペリシテびとの地と、エジプトの境に至るまでのすべての王を治めた。

代下 9:27

 王はまた銀を石のようにエルサレムに多くし、香柏を平野のいちじく桑のように多くした。

代下 9:28

 また人々はエジプトおよび諸国から馬をソロモンのために輸入した。

代下 9:29

 ソロモンのそのほかの始終の行為は、預言者ナタンの書と、シロびとアヒヤの預言と、先見者イドがネバテの子ヤラベアムについて述べた黙示のなかに、しるされているではないか。

代下 9:30

 ソロモンはエルサレムで四十年の間イスラエルの全地を治めた。

代下 9:31

 ソロモンはその先祖たちと共に眠って、父ダビデの町に葬られ、その子レハベアムが代って王となった。


第10


代下 10:1

 レハベアムはシケムへ行った。すべてのイスラエルびとが彼を王にしようとシケムへ行ったからである。

代下 10:2

 ネバテの子ヤラベアムは、ソロモンを避けてエジプトにのがれていたが、これを聞いてエジプトから帰ったので、

代下 10:3

 人々は人をつかわして彼を招いた。そこでヤラベアムとすべてのイスラエルは来て、レハベアムに言った、

代下 10:4

 「あなたの父は、われわれのくびきを重くしましたが、今あなたの父のきびしい使役と、あなたの父が、われわれに負わせた重いくびきを軽くしてください。そうすればわたしたちはあなたに仕えましょう」。

代下 10:5

 レハベアムは彼らに答えた、「三日の後、またわたしの所に来なさい」。それで民は去った。

代下 10:6

 レハベアム王は父ソロモンの存命中ソロモンに仕えた長老たちに相談して言った、「あなたがたはこの民にどう返答すればよいと思いますか」。

代下 10:7

 彼らはレハベアムに言った、「あなたがもしこの民を親切にあつかい、彼らを喜ばせ、ねんごろに語られるならば彼らは長くあなたのしもべとなるでしょう」。

代下 10:8

 しかし彼は長老たちが与えた勧めをすてて、自分と一緒に大きくなって自分に仕えている若者たちに相談して、

代下 10:9

 彼らに言った、「あなたがたは、この民がわたしに向かって、『あなたの父上が、われわれに負わせたくびきを軽くしてください』と言うのに、われわれはなんと返答すればよいと思いますか」。

代下 10:10

 彼と一緒に大きくなった若者たちは彼に言った、「あなたに向かって、『あなたの父は、われわれのくびきを重くしたが、あなたは、それをわれわれのために軽くしてください』と言ったこの民に、こう言いなさい、『わたしの小指は父の腰よりも太い、

代下 10:11

 父はあなたがたに重いくびきを負わせたが、わたしはさらに、あなたがたのくびきを重くしよう。父はむちであなたがたを懲らしたが、わたしはさそりであなたがたを懲らそう』」。

代下 10:12

 さてヤラベアムと民は皆、王が「三日目にわたしのところに来なさい」と言ったとおりに、三日目にレハベアムのところへ行った。

代下 10:13

 王は荒々しく彼らに答えた。すなわちレハベアム王は長老たちの勧めをすて、

代下 10:14

 若者たちの勧めに従い、彼らに告げて言った、「父はあなたがたのくびきを重くしたが、わたしは更にこれを重くしよう。父はむちであなたがたを懲らしたが、わたしはさそりであなたがたを懲らそう」。

代下 10:15

 このように王は民の言うことを聞きいれなかった。これは主が、かつてシロびとアヒヤによって、ネバテの子ヤラベアムに言われた言葉を成就するために、神がなされたのであった。

代下 10:16

 イスラエルの人々は皆、王が自分たちの言うことを聞きいれないのを見たので、民は王に答えて言った、/「われわれはダビデのうちに何の分があろうか。われわれはエッサイの子のうちに嗣業がない。イスラエルよ、めいめいの天幕に帰れ。ダビデよ、今あなたの家を見よ」。そしてイスラエルは皆彼らの天幕へ去って行った。

代下 10:17

 しかしレハベアムはユダの町々に住んでいるイスラエルの人々を治めた。

代下 10:18

 レハベアム王は徴募人の監督であったアドラムをつかわしたが、イスラエルの人々が石で彼を撃ち殺したので、レハベアム王は急いで車に乗り、エルサレムに逃げた。

代下 10:19

 こうしてイスラエルはダビデの家にそむいて今日に至った。


第11


代下 11:1

 レハベアムはエルサレムに来て、ユダとベニヤミンの家の者、すなわち、えり抜きの軍人十八万人を集め、国を取りもどすためにイスラエルと戦おうとしたが、

代下 11:2

 主の言葉が神の人シマヤに臨んで言った、

代下 11:3

 「ソロモンの子、ユダの王レハベアムおよびユダとベニヤミンにいるすべてのイスラエルの人々に言いなさい、

代下 11:4

 『主はこう仰せられる、あなたがたは上ってはならない。あなたがたの兄弟と戦ってはならない。おのおの自分の家に帰りなさい。この事はわたしから出たのである』」。それで人々は主の言葉を聞き、ヤラベアムを攻めに行くのをやめて帰った。

代下 11:5

 レハベアムはエルサレムに住んで、ユダに防衛の町々を建てた。

代下 11:6

 すなわちベツレヘム、エタム、テコア、

代下 11:7

 ベテズル、ソコ、アドラム、

代下 11:8

 ガテ、マレシャ、ジフ、

代下 11:9

 アドライム、ラキシ、アゼカ、

代下 11:10

 ゾラ、アヤロン、およびヘブロン。これらはユダとベニヤミンにあって要害の町々である。

代下 11:11

 彼はその要害を堅固にし、これに軍長を置き、糧食と油とぶどう酒をたくわえ、

代下 11:12

 またそのすべての町に盾とやりを備えて、これを非常に強化し、そしてユダとベニヤミンを確保した。

代下 11:13

 イスラエルの全地の祭司とレビびとは四方の境から来てレハベアムに身を寄せた。

代下 11:14

 すなわちレビびとは自分の放牧地と領地を離れてユダとエルサレムに来た。これはヤラベアムとその子らが彼らを排斥して、主の前に祭司の務をさせなかったためである。

代下 11:15

 ヤラベアムは高き所と、みだらな神と、自分で造った子牛のために自分の祭司を立てた。

代下 11:16

 またイスラエルのすべての部族のうちで、すべてその心を傾けて、イスラエルの神、主を求める者は先祖の神、主に犠牲をささげるために、レビびとに従ってエルサレムに来た。

代下 11:17

 このように彼らはユダの国を堅くし、ソロモンの子レハベアムを三年の間強くした。彼らは三年の間ダビデとソロモンの道に歩んだからである。

代下 11:18

 レハベアムはダビデの子エレモテの娘マハラテを妻にめとった。マハラテはエッサイの子エリアブの娘アビハイルが産んだ者である。

代下 11:19

 彼女はエウシ、シマリヤおよびザハムの三子を産んだ。

代下 11:20

 彼はまた彼女の後にアブサロムの娘マアカをめとった。マアカはアビヤ、アッタイ、ジザおよびシロミテを産んだ。

代下 11:21

 レハベアムはアブサロムの娘マアカをすべての妻とそばめにまさって愛した。彼は妻十八人、そばめ六十人をめとって、男の子二十八人と女の子六十人をもうけた。

代下 11:22

 レハベアムはマアカの子アビヤを立ててかしらとし、その兄弟の長とした。彼はアビヤを王にしようと思ったからである。

代下 11:23

 それで王は賢くとり行い、そのむすこたちをことごとく、ユダとベニヤミンの全地方にあるすべての要害の町に散在させ、彼らに糧食を多く与え、また多くの妻を得させた。


第12


代下 12:1

 レハベアムはその国が堅く立ち、強くなるに及んで、主のおきてを捨てた。イスラエルも皆彼にならった。

代下 12:2

 彼らがこのように主に向かって罪を犯したので、レハベアム王の五年にエジプトの王シシャクがエルサレムに攻め上ってきた。

代下 12:3

 その戦車は一千二百、騎兵は六万、また彼に従ってエジプトから来た民、すなわちリビアびと、スキびと、エチオピヤびとは無数であった。

代下 12:4

 シシャクはユダの要害の町々を取り、エルサレムに迫って来た。

代下 12:5

 そこで預言者シマヤは、レハベアムおよびシシャクのゆえに、エルサレムに集まったユダのつかさたちのもとにきて言った、「主はこう仰せられる、『あなたがたはわたしを捨てたので、わたしもあなたがたを捨ててシシャクにわたした』と」。

代下 12:6

 そこでイスラエルのつかさたち、および王はへりくだって、「主は正しい」と言った。

代下 12:7

 主は彼らのへりくだるのを見られたので、主の言葉がシマヤにのぞんで言った、「彼らがへりくだったから、わたしは彼らを滅ぼさないで、間もなく救を施す。わたしはシシャクの手によって、怒りをエルサレムに注ぐことをしない。

代下 12:8

 しかし彼らはシシャクのしもべになる。これは彼らがわたしに仕えることと、国々の王たちに仕えることとの相違を知るためである」。

代下 12:9

 エジプトの王シシャクはエルサレムに攻めのぼって、主の宮の宝物と、王の家の宝物とを奪い去った。すなわちそれらをことごとく奪い去り、またソロモンの造った金の盾をも奪い去った。

代下 12:10

 それでレハベアム王は、その代りに青銅の盾を造って、王の家の門を守る侍衛長たちの手に渡した。

代下 12:11

 王が主の宮にはいるごとに侍衛は来て、これを負い、またこれを侍衛のへやへ持って帰った。

代下 12:12

 レハベアムがへりくだったので主の怒りは彼を離れ、彼をことごとく滅ぼそうとはされなかった。またユダの事情もよくなった。

代下 12:13

 レハベアム王はエルサレムで自分の地位を確立し、世を治めた。すなわちレハベアムは四十一歳のとき位につき、十七年の間エルサレムで世を治めた。エルサレムは主がその名を置くためにイスラエルのすべての部族のうちから選ばれた町である。彼の母はアンモンの女で、名をナアマといった。

代下 12:14

 レハベアムは主を求めることに心を傾けないで、悪い事を行った。

代下 12:15

 レハベアムの始終の行為は、預言者シマヤおよび先見者イドの書にしるされているではないか。レハベアムとヤラベアムとの間には絶えず戦争があった。

代下 12:16

 レハベアムはその先祖たちと共に眠って、ダビデの町に葬られ、その子アビヤが彼に代って王となった。


第13


代下 13:1

 ヤラベアム王の第十八年にアビヤがユダの王となった。

代下 13:2

 彼は三年の間エルサレムで世を治めた。彼の母はギベアのウリエルの娘で、名をミカヤといった。

代下 13:3

 ここにアビヤとヤラベアムとの間に戦争が起り、アビヤは四十万の精兵から成る勇敢な軍勢をもって戦いにいで、ヤラベアムも大勇士から成る八十万の精兵をもって、これに向かって戦いの備えをした。

代下 13:4

 時にアビヤはエフライムの山地にあるゼマライム山の上に立って言った、「ヤラベアムおよびイスラエルの人々よ皆聞け。

代下 13:5

 あなたがたはイスラエルの神、主が塩の契約をもってイスラエルの国をながくダビデとその子孫に賜わったことを知らないのか。

代下 13:6

 ところがダビデの子ソロモンの家来であるネバテの子ヤラベアムが起って、その主君にそむき、

代下 13:7

 また卑しい無頼のともがらが集まって彼にくみし、ソロモンの子レハベアムに敵したが、レハベアムは若く、かつ意志が弱くてこれに当ることができなかった。

代下 13:8

 今また、あなたがたは大軍をたのみ、またヤラベアムが造って、あなたがたの神とした金の子牛をたのんで、ダビデの子孫の手にある主の国に敵対しようとしている。

代下 13:9

 またあなたがたはアロンの子孫である主の祭司とレビびととを追いだして、他の国々の民がするように祭司を立てたではないか。すなわちだれでも若い雄牛一頭、雄羊七頭を携えてきて、自分を聖別する者は皆あの神でない者の祭司とすることができた。

代下 13:10

 しかしわれわれにおいては、主がわれわれの神であって、われわれは彼を捨てない。また主に仕える祭司はアロンの子孫であり、働きをなす者はレビびとである。

代下 13:11

 彼らは朝ごと夕ごとに主に燔祭と、こうばしい香をささげ、供えのパンを純金の机の上に供え、また金の燭台とそのともしび皿を整えて、夕ごとにともすのである。このようにわれわれはわれわれの神、主の務を守っているが、あなたがたは彼を捨てた。

代下 13:12

 見よ、神はみずからわれわれと共におられて、われわれのかしらとなられ、また、その祭司たちはラッパを吹きならして、あなたがたを攻める。イスラエルの人々よ、あなたがたの先祖の神、主に敵して戦ってはならない。あなたがたは成功しない」。

代下 13:13

 ヤラベアムは伏兵を彼らのうしろに回らせたので、彼の軍隊はユダの前にあり、伏兵は彼らのうしろにあった。

代下 13:14

 ユダはうしろを見ると、敵が前とうしろとにあったので、主に向かって呼ばわり、祭司たちはラッパを吹いた。

代下 13:15

 そこでユダの人々はときの声をあげた。ユダの人々がときの声をあげると、神はヤラベアムとイスラエルの人々をアビヤとユダの前に打ち敗られたので、

代下 13:16

 イスラエルの人々はユダの前から逃げた。神が彼らをユダの手に渡されたので、

代下 13:17

 アビヤとその民は、彼らをおびただしく撃ち殺した。イスラエルの殺されて倒れた者は五十万人、皆精兵であった。

代下 13:18

 このように、この時イスラエルの人々は打ち負かされ、ユダの人々は勝を得た。彼らがその先祖の神、主を頼んだからである。

代下 13:19

 アビヤはヤラベアムを追撃して数個の町を彼から取った。すなわちベテルとその村里、エシャナとその村里、エフロンとその村里である。

代下 13:20

 ヤラベアムは、アビヤの世には再び力を得ることができず、主に撃たれて死んだ。

代下 13:21

 しかしアビヤは強くなり、妻十四人をめとり、むすこ二十二人、むすめ十六人をもうけた。

代下 13:22

 アビヤのその他の行為すなわちその行動と言葉は、預言者イドの注釈にしるされている。


第14


代下 14:1

 アビヤはその先祖たちと共に眠って、ダビデの町に葬られ、その子アサが代って王となった。アサの治世に国は十年の間、穏やかであった。

代下 14:2

 アサはその神、主の目に良しと見え、また正しと見えることを行った。

代下 14:3

 彼は異なる祭壇と、もろもろの高き所を取り除き、石柱をこわし、アシラ像を切り倒し、

代下 14:4

 ユダに命じてその先祖たちの神、主を求めさせ、おきてと戒めとを行わせ、

代下 14:5

 ユダのすべての町々から、高き所と香の祭壇とを取り除いた。そして国は彼のもとに穏やかであった。

代下 14:6

 彼は国が穏やかであったので、要害の町数個をユダに建てた。また主が彼に平安を賜わったので、この年ごろ戦争がなかった。

代下 14:7

 彼はユダに言った、「われわれはこれらの町を建て、その周囲に石がきを築き、やぐらを建て、門と貫の木を設けよう。われわれがわれわれの神、主を求めたので、この国はなおわれわれのものであり、われわれが彼を求めたので、四方において、われわれに平安を賜わった」。こうして彼らは滞りなく建て終った。

代下 14:8

 アサの軍隊はユダから出た者三十万人あって、盾とやりをとり、ベニヤミンから出た者二十八万人あって、小盾をとり、弓を引いた。これはみな大勇士であった。

代下 14:9

 エチオピヤびとゼラが、百万の軍隊と三百の戦車を率いて、マレシャまで攻めてきた。

代下 14:10

 アサは出て、これを迎え、マレシャのゼパタの谷に戦いの備えをした。

代下 14:11

 時にアサはその神、主に向かって呼ばわって言った、「主よ、力のある者を助けることも、力のない者を助けることも、あなたにおいては異なることはありません。われわれの神、主よ、われわれをお助けください。われわれはあなたに寄り頼み、あなたの名によってこの大軍に当ります。主よ、あなたはわれわれの神です。どうぞ人をあなたに勝たせないでください」。

代下 14:12

 そこで主はアサの前とユダの前でエチオピヤびとを撃ち敗られたので、エチオピヤびとは逃げ去った。

代下 14:13

 アサと彼に従う民は彼らをゲラルまで追撃したので、エチオピヤびとは倒れて、生き残った者はひとりもなかった。主と主の軍勢の前に撃ち破られたからである。ユダの人々の得たぶんどり物は非常に多かった。

代下 14:14

 彼らはまた、ゲラルの周囲の町々をことごとく撃ち破った。主の恐れが彼らの上に臨んだからである。そして彼らはそのすべての町をかすめ奪った。その内に多くの物があったからである。

代下 14:15

 また家畜をもっている者の天幕を襲い、多くの羊とらくだを奪い取って、エルサレムに帰った。


第15


代下 15:1

 時に神の霊がオデデの子アザリヤに臨んだので、

代下 15:2

 彼は出ていってアサを迎え、これに言った、「アサおよびユダとベニヤミンの人々よ、わたしに聞きなさい。あなたがたが主と共におる間は、主もあなたがたと共におられます。あなたがたが、もし彼を求めるならば、彼に会うでしょう。しかし、彼を捨てるならば、彼もあなたがたを捨てられるでしょう。

代下 15:3

 そもそも、イスラエルには長い間、まことの神がなく、教をなす祭司もなく、律法もなかった。

代下 15:4

 しかし、悩みの時、彼らがイスラエルの神、主に立ち返り、彼を求めたので彼に会った。

代下 15:5

 そのころは、出る者にも入る者にも、平安がなく、大いなる騒乱が国々のすべての住民を悩ました。

代下 15:6

 国は国に、町は町に撃ち砕かれた。神がもろもろの悩みをもって彼らを苦しめられたからです。

代下 15:7

 しかしあなたがたは勇気を出しなさい。手を弱くしてはならない。あなたがたのわざには報いがあるからです」。

代下 15:8

 アサはこれらの言葉すなわちオデデの子アザリヤの預言を聞いて勇気を得、憎むべき偶像をユダとベニヤミンの全地から除き、また彼がエフライムの山地で得た町々から除き、主の宮の廊の前にあった主の祭壇を再興した。

代下 15:9

 彼はまたユダとベニヤミンの人々およびエフライム、マナセ、シメオンから来て、彼らの間に寄留していた者を集めた。その神、主がアサと共におられるのを見て、イスラエルからアサのもとに下った者が多くあったからである。

代下 15:10

 彼らはアサの治世の十五年の三月にエルサレムに集まり、

代下 15:11

 携えてきたぶんどり物のうちから牛七百頭、羊七千頭をその日主にささげた。

代下 15:12

 そして彼らは契約を結び、心をつくし、精神をつくして先祖の神、主を求めることと、

代下 15:13

 すべてイスラエルの神、主を求めない者は老幼男女の別なく殺さるべきことを約した。

代下 15:14

 そして彼らは大声をあげて叫び、ラッパを吹き、角笛を鳴らして、主に誓いを立てた。

代下 15:15

 ユダは皆その誓いを喜んだ。彼らは心をつくして誓いを立て、精神をつくして主を求めたので、主は彼らに会い、四方で彼らに安息を賜わった。

代下 15:16

 アサ王の母マアカがアシラのために憎むべき像を造ったので、アサは彼女をおとして太后とせず、その憎むべき像を切り倒して粉々に砕き、キデロン川でそれを焼いた。

代下 15:17

 ただし高き所はイスラエルから除かなかったが、アサの心は一生の間、正しかった。

代下 15:18

 彼はまた、その父のささげた物および自分のささげた物、すなわち銀、金並びに器物などを主の宮に携え入れた。

代下 15:19

 そしてアサの治世の三十五年までは再び戦争がなかった。


第16


代下 16:1

 アサの治世の三十六年にイスラエルの王バアシャはユダに攻め上り、ユダの王アサの所にだれをも出入りさせないためにラマを築いた。

代下 16:2

 そこでアサは主の宮と王の家の宝蔵から金銀を取り出し、ダマスコに住んでいるスリヤの王ベネハダデに贈って言った、

代下 16:3

 「わたしの父とあなたの父の間のように、わたしとあなたの間に同盟を結びましょう。わたしはあなたに金銀を贈ります。行って、あなたとイスラエルの王バアシャとの同盟を破り、彼をわたしから撤退させてください」。

代下 16:4

 ベネハダデはアサ王の言うことを聞き、自分の軍勢の長たちをつかわしてイスラエルの町々を攻め、イヨンとダンとアベル・マイムおよびナフタリのすべての倉の町を撃った。

代下 16:5

 バアシャはこれを聞いて、ラマを築くことをやめ、その工事を廃した。

代下 16:6

 そこでアサ王はユダの全国の人々を引き連れ、バアシャがラマを建てるために用いた石と木材を運んでこさせ、それをもってゲバとミヅパを建てた。

代下 16:7

 そのころ先見者ハナニがユダの王アサのもとに来て言った、「あなたがスリヤの王に寄り頼んで、あなたの神、主に寄り頼まなかったので、スリヤ王の軍勢はあなたの手からのがれてしまった。

代下 16:8

 かのエチオピヤびとと、リビアびとは大軍で、その戦車と騎兵は、はなはだ多かったではないか。しかしあなたが主に寄り頼んだので、主は彼らをあなたの手に渡された。

代下 16:9

 主の目はあまねく全地を行きめぐり、自分に向かって心を全うする者のために力をあらわされる。今度の事では、あなたは愚かな事をした。ゆえにこの後、あなたに戦争が臨むであろう」。

代下 16:10

 するとアサはその先見者を怒って、獄屋に入れた。この事のために激しく彼を怒ったからである。アサはまたそのころ民のある者をしえたげた。

代下 16:11

 見よ、アサの始終の行為は、ユダとイスラエルの列王の書にしるされている。

代下 16:12

 アサはその治世の三十九年に足を病み、その病は激しくなったが、その病の時にも、主を求めないで医者を求めた。

代下 16:13

 アサは先祖たちと共に眠り、その治世の四十一年に死んだ。

代下 16:14

 人々は彼が自分のためにダビデの町に掘っておいた墓に葬り、製香の術をもって造った様々の香料を満たした床に横たえ、彼のためにおびただしく香をたいた。


第17


代下 17:1

 アサの子ヨシャパテがアサに代って王となり、イスラエルに向かって自分を強くし、

代下 17:2

 ユダのすべての堅固な町々に軍隊を置き、またユダの地およびその父アサが取ったエフライムの町々に守備隊を置いた。

代下 17:3

 主はヨシャパテと共におられた。彼がその父ダビデの最初の道に歩んで、バアルに求めず、

代下 17:4

 その父の神に求めて、その戒めに歩み、イスラエルの行いにならわなかったからである。

代下 17:5

 それゆえ、主は国を彼の手に堅く立てられ、またユダの人々は皆ヨシャパテに贈り物を持ってきた。彼は大いなる富と誉とを得た。

代下 17:6

 そこで彼は主の道に心を励まし、さらに高き所とアシラ像とをユダから除いた。

代下 17:7

 彼はまたその治世の三年に、つかさたちベネハイル、オバデヤ、ゼカリヤ、ネタンエルおよびミカヤをつかわしてユダの町々で教えさせ、

代下 17:8

 また彼らと共にレビびとのうちからシマヤ、ネタニヤ、ゼバデヤ、アサヘル、セミラモテ、ヨナタン、アドニヤ、トビヤ、トバドニヤをつかわし、またこれらのレビびとと共に祭司エリシャマとヨラムをもつかわした。

代下 17:9

 彼らは主の律法の書を携えて、ユダで教をなし、またユダの町々をことごとく巡回して、民の間に教をなした。

代下 17:10

 そこでユダの周囲の国々は皆主を恐れ、ヨシャパテと戦うことをしなかった。

代下 17:11

 また、ペリシテびとのうちで贈り物や、みつぎの銀をヨシャパテの所に持ってくる者があり、またアラビヤびとは雄羊七千七百頭、雄やぎ七千七百頭を彼に持ってきた。

代下 17:12

 こうしてヨシャパテはますます大いになり、ユダに要害および倉の町を建て、

代下 17:13

 ユダの町々に多くの軍需品を持ち、またエルサレムに大勇士である軍人たちを持っていた。

代下 17:14

 彼らをその氏族によって数えれば次のとおりである。すなわちユダから出た千人の長のうちでは、アデナという軍長と彼に従う大勇士三十万人、

代下 17:15

 その次は軍長ヨハナンと彼に従う者二十八万人、

代下 17:16

 その次は喜んでその身を主にささげた者ジクリの子アマジヤと彼に従う大勇士二十万人。

代下 17:17

 ベニヤミンから出た者のうちでは、エリアダという大勇士と彼に従う弓および盾を持つ者二十万人、

代下 17:18

 その次はヨザバデと彼に従う戦いの備えある者十八万人である。

代下 17:19

 これらは皆王に仕える者たちで、このほかにまたユダ全国の堅固な町々に、王が駐在させた者があった。


第18


代下 18:1

 ヨシャパテは大いなる富と誉とをもち、アハブと縁を結んだ。

代下 18:2

 彼は数年の後、サマリヤに下って、アハブをおとずれた。アハブは彼と彼に従ってきた民のために羊と牛を多くほふり、ラモテ・ギレアデに一緒に攻め上ることを彼にすすめた。

代下 18:3

 イスラエルの王アハブはユダの王ヨシャパテに言った、「あなたはわたしと一緒にラモテ・ギレアデに攻めて行きますか」。ヨシャパテは答えた、「わたしはあなたと一つです、わたしの民はあなたの民と一つです。わたしはあなたと一緒に戦いに臨みましょう」。

代下 18:4

 ヨシャパテはまたイスラエルの王に言った、「まず主の言葉を求めなさい」。

代下 18:5

 そこでイスラエルの王は預言者四百人を集めて彼らに言った、「われわれはラモテ・ギレアデに、戦いに行くべきか、あるいは控えるべきか」。彼らは言った、「上って行きなさい。神はそれを王の手にわたされるでしょう」。

代下 18:6

 ヨシャパテは言った、「ほかにわれわれが問うべき主の預言者はここにいませんか」。

代下 18:7

 イスラエルの王はヨシャパテに言った、「ほかになおひとりいます。われわれはこの人によって主に問うことができますが、彼はわたしについて良い事を預言したことがなく、常に悪いことだけを預言するので、わたしは彼を憎みます。その者はイムラの子ミカヤです」。ヨシャパテは言った、「王よ、そうは言わないでください」。

代下 18:8

 そこでイスラエルの王はひとりの役人を呼んで、「イムラの子ミカヤを急いで連れてきなさい」と言った。

代下 18:9

 さてイスラエルの王およびユダの王ヨシャパテは王の衣を着て、サマリヤの門の入口の広場におのおのその玉座に座し、預言者たちは皆その前で預言していた。

代下 18:10

 ケナアナの子ゼデキヤは鉄の角を造って言った、「主はこう仰せられます、『あなたはこれらの角をもってスリヤびとを突いて滅ぼし尽しなさい』」。

代下 18:11

 預言者たちは皆そのように預言して言った、「ラモテ・ギレアデに上っていって勝利を得なさい。主はそれを王の手にわたされるでしょう」。

代下 18:12

 さてミカヤを呼びに行った使者は彼に言った、「預言者たちは一致して王に良い事を言いました。どうぞ、あなたの言葉も、彼らのひとりの言葉のようにし、良い事を言ってください」。

代下 18:13

 ミカヤは言った、「主は生きておられる。わが神の言われることをわたしは申します」。

代下 18:14

 彼が王の所へ行くと、王は彼に言った、「ミカヤよ、われわれはラモテ・ギレアデに戦いに行くべきか、あるいは控えるべきか」。彼は言った、「上って行って勝利を得なさい。彼らはあなたの手にわたされるでしょう」。

代下 18:15

 しかし王は彼に言った、「幾たびあなたを誓わせたら、あなたは主の名をもって、ただ真実のみをわたしに告げるだろうか」。

代下 18:16

 彼は言った、「わたしはイスラエルが皆牧者のない羊のように山に散っているのを見ました。すると主は『これらの者は主人をもっていない。彼らをそれぞれ安らかに、その家に帰らせよ』と言われました」。

代下 18:17

 イスラエルの王はヨシャパテに言った、「わたしはあなたに、彼はわたしについて良い事を預言せず、ただ悪い事だけを預言すると告げたではありませんか」。

代下 18:18

 ミカヤは言った、「それだから主の言葉を聞きなさい。わたしは主がその玉座に座し、天の万軍がその右左に立っているのを見たが、

代下 18:19

 主は、『だれがイスラエルの王アハブをいざなって、ラモテ・ギレアデに上らせ、彼を倒れさせるであろうか』と言われた。するとひとりは、こうしようと言い、ひとりは、ああしようと言った。

代下 18:20

 その時一つの霊が進み出て、主の前に立ち、『わたしが彼をいざないましょう』と言ったので、主は彼に『何をもってするか』と言われた。

代下 18:21

 彼は『わたしが出て行って、偽りを言う霊となって、すべての預言者の口に宿りましょう』と言った。そこで主は『おまえは彼をいざなって、それをなし遂げるであろう。出て行って、そうしなさい』と言われた。

代下 18:22

 それゆえ、主は偽りを言う霊をこの預言者たちの口に入れ、また主はあなたについて災を告げられたのです」。

代下 18:23

 するとケナアナの子ゼデキヤが近寄ってミカヤのほおを打って言った、「主の霊がどの道からわたしを離れて行って、あなたに語りましたか」。

代下 18:24

 ミカヤは言った、「あなたが奥の間にはいって身を隠す日に見るでしょう」。

代下 18:25

 イスラエルの王は言った、「ミカヤを捕え、町のつかさアモンと王の子ヨアシの所へ引いて行って、

代下 18:26

 言いなさい、『王はこう言う、この者を獄屋に入れ、少しばかりのパンと水をもって彼を養い、わたしが勝利を得て帰ってくるのを待て』と」。

代下 18:27

 ミカヤは言った、「あなたがもし勝利を得て帰るならば、主はわたしによって語られなかったのです」。また彼は言った、「あなたがたすべての民よ、聞きなさい」。

代下 18:28

 こうしてイスラエルの王とユダの王ヨシャパテは、ラモテ・ギレアデに上った。

代下 18:29

 イスラエルの王はヨシャパテに言った、「わたしは姿を変えて戦いに行きましょう。しかしあなたは王の衣を着けなさい」。イスラエルの王は姿を変えて戦いに行った。

代下 18:30

 さて、スリヤの王は、その戦車隊長たちに命じて言った、「あなたがたは小さい者とも、大きい者とも戦ってはならない。ただイスラエルの王とのみ戦いなさい」。

代下 18:31

 戦車隊長らはヨシャパテを見たとき、これはきっとイスラエルの王だと思ったので、身を巡らしてこれと戦おうとした。しかしヨシャパテが呼ばわったので、主はこれを助けられた。すなわち神は敵を彼から離れさせられた。

代下 18:32

 戦車隊長らは彼がイスラエルの王でないのを見たので、彼を追うことをやめて引き返した。

代下 18:33

 しかし、ひとりの人が、なにごころなく弓を引いて、イスラエルの王の胸当と、くさずりの間を射たので、彼はその車の御者に言った、「わたしは傷を受けたから、車をめぐらして、わたしを軍中から運び出せ」。

代下 18:34

 その日戦いは激しくなった。イスラエルの王は車の中に自分をささえて立ち、夕暮までスリヤびとに向かっていたが、日の入るころになって死んだ。


第19


代下 19:1

 ユダの王ヨシャパテは、つつがなくエルサレムの自分の家に帰った。

代下 19:2

 そのとき、先見者ハナニの子エヒウが出てヨシャパテを迎えて言った、「あなたは悪人を助け、主を憎む者を愛してよいのですか。それゆえ怒りが主の前から出て、あなたの上に臨みます。

代下 19:3

 しかしあなたには、なお良い事もあります。あなたはアシラ像を国の中から除き、心を傾けて神を求められました」。

代下 19:4

 ヨシャパテはエルサレムに住んでいたが、また出て、ベエルシバからエフライムの山地まで民の中を巡り、先祖たちの神、主に彼らを導き返した。

代下 19:5

 彼はまたユダの国中、すべての堅固な町ごとに裁判人を置いた。

代下 19:6

 そして裁判人たちに言った、「あなたがたは自分のする事に気をつけなさい。あなたがたは人のために裁判するのではなく、主のためにするのです。あなたがたが裁判する時には、主はあなたがたと共におられます。

代下 19:7

 だからあなたがたは主を恐れ、慎んで行いなさい。われわれの神、主には不義がなく、人をかたより見ることなく、まいないを取ることもないからです」。

代下 19:8

 ヨシャパテはまたレビびと、祭司、およびイスラエルの氏族の長たちを選んでエルサレムに置き、主のために裁判を行い、争議の解決に当らせた。彼らはエルサレムに居住した。

代下 19:9

 ヨシャパテは彼らに命じて言った、「あなたがたは主を恐れ、真実と真心とをもって行わなければならない。

代下 19:10

 すべてその町々に住んでいるあなたがたの兄弟たちから、血を流した事または律法と戒め、定めとおきてなどの事について訴えてきたならば、彼らをさとして、主の前に罪を犯させず、怒りがあなたがたと、あなたがたの兄弟たちに臨まないようにしなさい。そのようにすれば、あなたがたは罪を犯すことがないでしょう。

代下 19:11

 見よ、祭司長アマリヤは、あなたがたの上にいて、主の事をすべてつかさどり、イシマエルの子、ユダの家のつかさゼバデヤは王の事をすべてつかさどり、またレビびとはあなたがたの前にあって役人となります。雄々しく行動しなさい。主は正直な人と共におられます」。


第20


代下 20:1

 この後モアブびと、アンモンびとおよびメウニびとらがヨシャパテと戦おうと攻めてきた。

代下 20:2

 その時ある人がきて、ヨシャパテに告げて言った、「海のかなたのエドムから大軍があなたに攻めて来ます。見よ、彼らはハザゾン・タマル(すなわちエンゲデ)にいます」。

代下 20:3

 そこでヨシャパテは恐れ、主に顔を向けて助けを求め、ユダ全国に断食をふれさせた。

代下 20:4

 それでユダはこぞって集まり、主の助けを求めた。すなわちユダのすべての町から人々が来て主を求めた。

代下 20:5

 そこでヨシャパテは主の宮の新しい庭の前で、ユダとエルサレムの会衆の中に立って、

代下 20:6

 言った、「われわれの先祖の神、主よ、あなたは天にいます神ではありませんか。異邦人のすべての国を治められるではありませんか。あなたの手には力があり、勢いがあって、あなたに逆らいうる者はありません。

代下 20:7

 われわれの神よ、あなたはこの国の民をあなたの民イスラエルの前から追い払って、あなたの友アブラハムの子孫に、これを永遠に与えられたではありませんか。

代下 20:8

 彼らはここに住み、あなたの名のためにここに聖所を建てて言いました、

代下 20:9

 『つるぎ、審判、疫病、ききんなどの災がわれわれに臨む時、われわれはこの宮の前に立って、あなたの前におり、その悩みの中であなたに呼ばわります。すると、あなたは聞いて助けられます。あなたの名はこの宮にあるからです』と。

代下 20:10

 今アンモン、モアブ、およびセイル山の人々をごらんなさい。昔イスラエルがエジプトの国から出てきた時、あなたはイスラエルに彼らを侵すことをゆるされなかったので、イスラエルは彼らを離れて、滅ぼしませんでした。

代下 20:11

 彼らがわれわれに報いるところをごらんください。彼らは来て、あなたがわれわれに賜わったあなたの領地からわれわれを追い払おうとしています。

代下 20:12

 われわれの神よ、あなたは彼らをさばかれないのですか。われわれはこのように攻めて来る大軍に当る力がなく、またいかになすべきかを知りません。ただ、あなたを仰ぎ望むのみです」。

代下 20:13

 ユダの人々はその幼な子、その妻、および子供たちと共に皆主の前に立っていた。

代下 20:14

 その時主の霊が会衆の中でアサフの子孫であるレビびとヤハジエルに臨んだ。ヤハジエルはゼカリヤの子、ゼカリヤはベナヤの子、ベナヤはエイエルの子、エイエルはマッタニヤの子である。

代下 20:15

 ヤハジエルは言った、「ユダの人々、エルサレムの住民、およびヨシャパテ王よ、聞きなさい。主はあなたがたにこう仰せられる、『この大軍のために恐れてはならない。おののいてはならない。これはあなたがたの戦いではなく、主の戦いだからである。

代下 20:16

 あす、彼らの所へ攻め下りなさい。見よ、彼らはヂヅの坂から上って来る。あなたがたはエルエルの野の東、谷の端でこれに会うであろう。

代下 20:17

 この戦いには、あなたがたは戦うに及ばない。ユダおよびエルサレムよ、あなたがたは進み出て立ち、あなたがたと共におられる主の勝利を見なさい。恐れてはならない。おののいてはならない。あす、彼らの所に攻めて行きなさい。主はあなたがたと共におられるからである』」。

代下 20:18

 ヨシャパテは地にひれ伏した。ユダの人々およびエルサレムの民も主の前に伏して、主を拝した。

代下 20:19

 その時コハテびとの子孫、およびコラびとの子孫であるレビびとが立ち上がり、大声をあげてイスラエルの神、主をさんびした。

代下 20:20

 彼らは朝早く起きてテコアの野に出て行った。その出て行くとき、ヨシャパテは立って言った、「ユダの人々およびエルサレムの民よ、わたしに聞きなさい。あなたがたの神、主を信じなさい。そうすればあなたがたは堅く立つことができる。主の預言者を信じなさい。そうすればあなたがたは成功するでしょう」。

代下 20:21

 彼はまた民と相談して人々を任命し、聖なる飾りを着けて軍勢の前に進ませ、主に向かって歌をうたい、かつさんびさせ、/「主に感謝せよ、/そのいつくしみはとこしえに絶えることがない」/と言わせた。

代下 20:22

 そして彼らが歌をうたい、さんびし始めた時、主は伏兵を設け、かのユダに攻めてきたアンモン、モアブ、セイル山の人々に向かわせられたので、彼らは打ち敗られた。

代下 20:23

 すなわちアンモンとモアブの人々は立ち上がって、セイル山の民に敵し、彼らを殺して全く滅ぼしたが、セイルの民を殺し尽すに及んで、彼らもおのおの互に助けて滅ぼしあった。

代下 20:24

 ユダの人々は野の物見やぐらへ行って、かの群衆を見たが、地に倒れた死体だけであって、ひとりものがれた者はなかった。

代下 20:25

 それでヨシャパテとその民は彼らの物を奪うために来て見ると、多数の家畜、財宝、衣服および宝石などおびただしくあったので、おのおのそれをはぎ取ったが、運びきれないほどたくさんで、かすめ取るに三日もかかった。それほど物が多かったのである。

代下 20:26

 四日目に彼らはベラカの谷に集まり、その所で主を祝福した。それでその所の名を今日までベラカの谷と呼んでいる。

代下 20:27

 そしてユダとエルサレムの人々は皆ヨシャパテを先に立て、喜んでエルサレムに帰ってきた。主が彼らにその敵のことによって喜びを与えられたからである。

代下 20:28

 すなわち彼らは立琴、琴およびラッパをもってエルサレムの主の宮に来た。

代下 20:29

 そしてもろもろの国の民は主がイスラエルの敵と戦われたことを聞いて神を恐れた。

代下 20:30

 こうして神が四方に安息を賜わったので、ヨシャパテの国は穏やかであった。

代下 20:31

 このようにヨシャパテはユダを治めた。彼は三十五歳の時、王となり、二十五年の間エルサレムで世を治めた。彼の母の名はアズバといってシルヒの娘である。

代下 20:32

 ヨシャパテは父アサの道を歩んでそれを離れず、主の目に正しいと見られることを行った。

代下 20:33

 しかし高き所は除かず、また民はその先祖の神に心を傾けなかった。

代下 20:34

 ヨシャパテのその他の始終の行為は、ハナニの子エヒウの書にしるされ、イスラエルの列王の書に載せられてある。

代下 20:35

 この後ユダの王ヨシャパテはイスラエルの王アハジヤと相結んだ。アハジヤは悪を行った。

代下 20:36

 ヨシャパテはタルシシへ行く船を造るためにアハジヤと相結び、エジオン・ゲベルで一緒に船数隻を造った。

代下 20:37

 その時マレシャのドダワの子エリエゼルはヨシャパテに向かって預言し、「あなたはアハジヤと相結んだので、主はあなたの造った物をこわされます」と言ったが、その船は難破して、タルシシへ行くことができなかった。