出エジプト記(21章~40章)A02




第21章


出 21:1

 これはあなたが彼らの前に示すべきおきてである。

出 21:2

 あなたがヘブルびとである奴隷を買う時は、六年のあいだ仕えさせ、七年目には無償で自由の身として去らせなければならない。

出 21:3

 彼がもし独身できたならば、独身で去らなければならない。もし妻を持っていたならば、その妻は彼と共に去らなければならない。

出 21:4

 もしその主人が彼に妻を与えて、彼に男の子また女の子を産んだならば、妻とその子供は主人のものとなり、彼は独身で去らなければならない。

出 21:5

 奴隷がもし『わたしは、わたしの主人と、わたしの妻と子供を愛します。わたしは自由の身となって去ることを好みません』と明言するならば、

出 21:6

 その主人は彼を神のもとに連れて行き、戸あるいは柱のところに連れて行って、主人は、きりで彼の耳を刺し通さなければならない。そうすれば彼はいつまでもこれに仕えるであろう。

出 21:7

 もし人がその娘を女奴隷として売るならば、その娘は男奴隷が去るように去ってはならない。

出 21:8

 彼女がもし彼女を自分のものと定めた主人の気にいらない時は、その主人は彼女が、あがなわれることを、これに許さなければならない。彼はこれを欺いたのであるから、これを他国の民に売る権利はない。

出 21:9

 彼がもし彼女を自分の子のものと定めるならば、これを娘のように扱わなければならない。

出 21:10

 彼が、たとい、ほかに女をめとることがあっても、前の女に食物と衣服を与えることと、その夫婦の道とを絶えさせてはならない。

出 21:11

 彼がもしこの三つを行わないならば、彼女は金を償わずに去ることができる。

出 21:12

 人を撃って死なせた者は、必ず殺されなければならない。

出 21:13

 しかし、人がたくむことをしないのに、神が彼の手に人をわたされることのある時は、わたしはあなたのために一つの所を定めよう。彼はその所へのがれることができる。

出 21:14

 しかし人がもし、ことさらにその隣人を欺いて殺す時は、その者をわたしの祭壇からでも、捕えて行って殺さなければならない。

出 21:15

 自分の父または母を撃つ者は、必ず殺されなければならない。

出 21:16

 人をかどわかした者は、これを売っていても、なお彼の手にあっても、必ず殺されなければならない。

出 21:17

 自分の父または母をのろう者は、必ず殺されなければならない。

出 21:18

 人が互に争い、そのひとりが石または、こぶしで相手を撃った時、これが死なないで床につき、

出 21:19

 再び起きあがって、つえにすがり、外を歩くようになるならば、これを撃った者は、ゆるされるであろう。ただその仕事を休んだ損失を償い、かつこれにじゅうぶん治療させなければならない。

出 21:20

 もし人がつえをもって、自分の男奴隷または女奴隷を撃ち、その手の下に死ぬならば、必ず罰せられなければならない。

出 21:21

 しかし、彼がもし一日か、ふつか生き延びるならば、その人は罰せられない。奴隷は彼の財産だからである。

出 21:22

 もし人が互に争って、身ごもった女を撃ち、これに流産させるならば、ほかの害がなくとも、彼は必ずその女の夫の求める罰金を課せられ、裁判人の定めるとおりに支払わなければならない。

出 21:23

 しかし、ほかの害がある時は、命には命、

出 21:24

 目には目、歯には歯、手には手、足には足、

出 21:25

 焼き傷には焼き傷、傷には傷、打ち傷には打ち傷をもって償わなければならない。

出 21:26

 もし人が自分の男奴隷の片目、または女奴隷の片目を撃ち、これをつぶすならば、その目のためにこれを自由の身として去らせなければならない。

出 21:27

 また、もしその男奴隷の一本の歯、またはその女奴隷の一本の歯を撃ち落すならば、その歯のためにこれを自由の身として去らせなければならない。

出 21:28

 もし牛が男または女を突いて殺すならば、その牛は必ず石で撃ち殺されなければならない。その肉は食べてはならない。しかし、その牛の持ち主は罪がない。

出 21:29

 牛がもし以前から突く癖があって、その持ち主が注意されても、これを守りおかなかったために、男または女を殺したならば、その牛は石で撃ち殺され、その持ち主もまた殺されなければならない。

出 21:30

 彼がもし、あがないの金を課せられたならば、すべて課せられたほどのものを、命の償いに支払わなければならない。

出 21:31

 男の子を突いても、女の子を突いても、この定めに従って処置されなければならない。

出 21:32

 牛がもし男奴隷または女奴隷を突くならば、その主人に銀三十シケルを支払わなければならない。またその牛は石で撃ち殺されなければならない。

出 21:33

 もし人が穴をあけたままに置き、あるいは穴を掘ってこれにおおいをしないために、牛または、ろばがこれに落ち込むことがあれば、

出 21:34

 穴の持ち主はこれを償い、金をその持ち主に支払わなければならない。しかし、その死んだ獣は彼のものとなるであろう。

出 21:35

 ある人の牛が、もし他人の牛を突いて殺すならば、彼らはその生きている牛を売って、その価を分け、またその死んだものをも分けなければならない。

出 21:36

 あるいはその牛が以前から突く癖のあることが知られているのに、その持ち主がこれを守りおかなかったならば、その人は必ずその牛のために牛をもって償わなければならない。しかし、その死んだ獣は彼のものとなるであろう。


第22章


出 22:1

 もし人が牛または羊を盗んで、これを殺し、あるいはこれを売るならば、彼は一頭の牛のために五頭の牛をもって、一頭の羊のために四頭の羊をもって償わなければならない。

出 22:3下

 彼は必ず償わなければならない。もし彼に何もない時は、彼はその盗んだ物のために身を売られるであろう。

出 22:4

 もしその盗んだ物がなお生きて、彼の手もとにあれば、それは牛、ろば、羊のいずれにせよ、これを二倍にして償わなければならない。

出 22:2

 もし盗びとが穴をあけてはいるのを見て、これを撃って殺したときは、その人には血を流した罪はない

出 22:3上

 しかし日がのぼって後ならば、その人に血を流した罪がある。

出 22:5

 もし人が畑またはぶどう畑のものを食わせ、その家畜を放って他人の畑のものを食わせた時は、自分の畑の最も良い物と、ぶどう畑の最も良い物をもって、これを償わなければならない。

出 22:6

 もし火が出て、いばらに移り、積みあげた麦束、または立穂、または畑を焼いたならば、その火を燃やした者は、必ずこれを償わなければならない。

出 22:7

 もし人が金銭または物品の保管を隣人に託し、それが隣人の家から盗まれた時、その盗びとが見つけられたならば、これを二倍にして償わせなければならない。

出 22:8

 もし盗びとが見つけられなければ、家の主人を神の前に連れてきて、彼が隣人の持ち物に手をかけたかどうかを、確かめなければならない。

出 22:9

 牛であれ、ろばであれ、羊であれ、衣服であれ、あるいはどんな失った物であれ、それについて言い争いが起り『これがそれです』と言う者があれば、その双方の言い分を、神の前に持ち出さなければならない。そして神が有罪と定められる者は、それを二倍にしてその相手に償わなければならない。

出 22:10

 もし人が、ろば、または牛、または羊、またはどんな家畜でも、それを隣人に預けて、それが死ぬか、傷つくか、あるいは奪い去られても、それを見た者がなければ、

出 22:11

 双方の間に、隣人の持ち物に手をかけなかったという誓いが、主の前になされなければならない。そうすれば、持ち主はこれを受け入れ、隣人は償うに及ばない。

出 22:12

 けれども、それがまさしく自分の所から盗まれた時は、その持ち主に償わなければならない。

出 22:13

 もしそれが裂き殺された時は、それを証拠として持って来るならば、その裂き殺されたものは償うに及ばない。

出 22:14

 もし人が隣人から家畜を借りて、それが傷つき、または死ぬ場合、その持ち主がそれと共にいない時は、必ずこれを償わなければならない。

出 22:15

 もしその持ち主がそれと共におれば、それを償うに及ばない。もしそれが賃借りしたものならば、その借賃をそれに当てなければならない。

出 22:16

 もし人がまだ婚約しない処女を誘って、これと寝たならば、彼は必ずこれに花嫁料を払って、妻としなければならない。

出 22:17

 もしその父がこれをその人に与えることをかたく拒むならば、彼は処女の花嫁料に当るほどの金を払わなければならない。

出 22:18

 魔法使の女は、これを生かしておいてはならない。

出 22:19

 すべて獣を犯す者は、必ず殺されなければならない。

出 22:20

 主のほか、他の神々に犠牲をささげる者は、断ち滅ぼされなければならない。

出 22:21

 あなたは寄留の他国人を苦しめてはならない。また、これをしえたげてはならない。あなたがたも、かつてエジプトの国で、寄留の他国人であったからである。

出 22:22

 あなたがたはすべて寡婦、または孤児を悩ましてはならない。

出 22:23

 もしあなたが彼らを悩まして、彼らがわたしにむかって叫ぶならば、わたしは必ずその叫びを聞くであろう。

出 22:24

 そしてわたしの怒りは燃えたち、つるぎをもってあなたがたを殺すであろう。あなたがたの妻は寡婦となり、あなたがたの子供たちは孤児となるであろう。

出 22:25

 あなたが、共におるわたしの民の貧しい者に金を貸す時は、これに対して金貸しのようになってはならない。これから利子を取ってはならない。

出 22:26

 もし隣人の上着を質に取るならば、日の入るまでにそれを返さなければならない。

出 22:27

 これは彼の身をおおう、ただ一つの物、彼の膚のための着物だからである。彼は何を着て寝ることができよう。彼がわたしにむかって叫ぶならば、わたしはこれに聞くであろう。わたしはあわれみ深いからである。

出 22:28

 あなたは神をののしってはならない。また民の司をのろってはならない。

出 22:29

 あなたの豊かな穀物と、あふれる酒とをささげるに、ためらってはならない。あなたのういごを、わたしにささげなければならない。

出 22:30

 あなたはまた、あなたの牛と羊をも同様にしなければならない。七日の間その母と共に置いて、八日目にそれをわたしに、ささげなければならない。

出 22:31

 あなたがたは、わたしに対して聖なる民とならなければならない。あなたがたは、野で裂き殺されたものの肉を食べてはならない。それは犬に投げ与えなければならない。


第23章


出 23:1

 あなたは偽りのうわさを言いふらしてはならない。あなたは悪人と手を携えて、悪意のある証人になってはならない。

出 23:2

 あなたは多数に従って悪をおこなってはならない。あなたは訴訟において、多数に従って片寄り、正義を曲げるような証言をしてはならない。

出 23:3

 また貧しい人をその訴訟において、曲げてかばってはならない。

出 23:4

 もし、あなたが敵の牛または、ろばの迷っているのに会う時は、必ずこれを彼の所に連れて行って、帰さなければならない。

出 23:5

 もしあなたを憎む者のろばが、その荷物の下に倒れ伏しているのを見る時は、これを見捨てて置かないように気をつけ、必ずその人に手を貸して、これを起さなければならない。

出 23:6

 あなたは貧しい者の訴訟において、裁判を曲げてはならない。

出 23:7

 あなたは偽り事に遠ざからなければならない。あなたは罪のない者と正しい者とを殺してはならない。わたしは悪人を義とすることはないからである。

出 23:8

 あなたは賄賂を取ってはならない。賄賂は人の目をくらまし、正しい者の事件をも曲げさせるからである。

出 23:9

 あなたは寄留の他国人をしえたげてはならない。あなたがたはエジプトの国で寄留の他国人であったので、寄留の他国人の心を知っているからである。

出 23:10

 あなたは六年のあいだ、地に種をまき、その産物を取り入れることができる。

出 23:11

 しかし、七年目には、これを休ませて、耕さずに置かなければならない。そうすれば、あなたの民の貧しい者がこれを食べ、その残りは野の獣が食べることができる。あなたのぶどう畑も、オリブ畑も同様にしなければならない。

出 23:12

 あなたは六日のあいだ、仕事をし、七日目には休まなければならない。これはあなたの牛および、ろばが休みを得、またあなたのはしための子および寄留の他国人を休ませるためである。

出 23:13

 わたしが、あなたがたに言ったすべての事に心を留めなさい。他の神々の名を唱えてはならない。また、これをあなたのくちびるから聞えさせてはならない。

出 23:14

 あなたは年に三度、わたしのために祭を行わなければならない。

出 23:15

 あなたは種入れぬパンの祭を守らなければならない。わたしが、あなたに命じたように、アビブの月の定めの時に七日のあいだ、種入れぬパンを食べなければならない。それはその月にあなたがエジプトから出たからである。だれも、むなし手でわたしの前に出てはならない。

出 23:16

 また、あなたが畑にまいて獲た物の勤労の初穂をささげる刈入れの祭と、あなたの勤労の実を畑から取り入れる年の終りに、取入れの祭を行わなければならない。

出 23:17

 男子はみな、年に三度、主なる神の前に出なければならない。

出 23:18

 あなたはわたしの犠牲の血を、種を入れたパンと共にささげてはならない。また、わたしの祭の脂肪を翌朝まで残して置いてはならない。

出 23:19

 あなたの土地の初穂の最も良い物を、あなたの神、主の家に携えてこなければならない。あなたは子やぎを、その母の乳で煮てはならない。

出 23:20

 見よ、わたしは使をあなたの前につかわし、あなたを道で守らせ、わたしが備えた所に導かせるであろう。

出 23:21

 あなたはその前に慎み、その言葉に聞き従い、彼にそむいてはならない。わたしの名が彼のうちにあるゆえに、彼はあなたがたのとがをゆるさないであろう。

出 23:22

 しかし、もしあなたが彼の声によく聞き従い、すべてわたしが語ることを行うならば、わたしはあなたの敵を敵とし、あなたのあだをあだとするであろう。

出 23:23

 わたしの使はあなたの前に行って、あなたをアモリびと、ヘテびと、ペリジびと、カナンびと、ヒビびと、およびエブスびとの所に導き、わたしは彼らを滅ぼすであろう。

出 23:24

 あなたは彼らの神々を拝んではならない。これに仕えてはならない。また彼らのおこないにならってはならない。あなたは彼らを全く打ち倒し、その石の柱を打ち砕かなければならない。

出 23:25

 あなたがたの神、主に仕えなければならない。そうすれば、わたしはあなたがたのパンと水を祝し、あなたがたのうちから病を除き去るであろう。

出 23:26

 あなたの国のうちには流産する女もなく、不妊の女もなく、わたしはあなたの日の数を満ち足らせるであろう。

出 23:27

 わたしはあなたの先に、わたしの恐れをつかわし、あなたが行く所の民を、ことごとく打ち敗り、すべての敵に、その背をあなたの方へ向けさせるであろう。

出 23:28

 わたしはまた、くまばちをあなたの先につかわすであろう。これはヒビびと、カナンびと、およびヘテびとをあなたの前から追い払うであろう。

出 23:29

 しかし、わたしは彼らを一年のうちには、あなたの前から追い払わないであろう。土地が荒れすたれ、野の獣が増して、あなたを害することのないためである。

出 23:30

 わたしは徐々に彼らをあなたの前から追い払うであろう。あなたは、ついにふえひろがって、この地を継ぐようになるであろう。  

出 23:31

 わたしは紅海からペリシテびとの海に至るまでと、荒野からユフラテ川に至るまでを、あなたの領域とし、この地に住んでいる者をあなたの手にわたすであろう。あなたは彼らをあなたの前から追い払うであろう。

出 23:32

 あなたは彼ら、および彼らの神々と契約を結んではならない。

出 23:33

 彼らはあなたの国に住んではならない。彼らがあなたをいざなって、わたしに対して罪を犯させることのないためである。もし、あなたが彼らの神に仕えるならば、それは必ずあなたのわなとなるであろう」。


第24章


出 24:1

 また、モーセに言われた、「あなたはアロン、ナダブ、アビウおよびイスラエルの七十人の長老たちと共に、主のもとにのぼってきなさい。そしてあなたがたは遠く離れて礼拝しなさい。

出 24:2

 ただモーセひとりが主に近づき、他の者は近づいてはならない。また、民も彼と共にのぼってはならない」。

出 24:3

 モーセはきて、主のすべての言葉と、すべてのおきてとを民に告げた。民はみな同音に答えて言った、「わたしたちは主の仰せられた言葉を皆、行います」。

出 24:4

 そしてモーセは主の言葉を、ことごとく書きしるし、朝はやく起きて山のふもとに祭壇を築き、イスラエルの十二部族に従って十二の柱を建て、

出 24:5

 イスラエルの人々のうちの若者たちをつかわして、主に燔祭をささげさせ、また酬恩祭として雄牛をささげさせた。

出 24:6

 その時モーセはその血の半ばを取って、鉢に入れ、また、その血の半ばを祭壇に注ぎかけた。

出 24:7

 そして契約の書を取って、これを民に読み聞かせた。すると、彼らは答えて言った、「わたしたちは主が仰せられたことを皆、従順に行います」。

出 24:8

 そこでモーセはその血を取って、民に注ぎかけ、そして言った、「見よ、これは主がこれらのすべての言葉に基いて、あなたがたと結ばれる契約の血である」。

出 24:9

 こうしてモーセはアロン、ナダブ、アビウおよびイスラエルの七十人の長老たちと共にのぼって行った。

出 24:10

 そして、彼らがイスラエルの神を見ると、その足の下にはサファイアの敷石のごとき物があり、澄み渡るおおぞらのようであった。

出 24:11

 神はイスラエルの人々の指導者たちを手にかけられなかったので、彼らは神を見て、飲み食いした。

出 24:12

 ときに主はモーセに言われた、「山に登り、わたしの所にきて、そこにいなさい。彼らを教えるために、わたしが律法と戒めとを書きしるした石の板をあなたに授けるであろう」。

出 24:13

 そこでモーセは従者ヨシュアと共に立ちあがり、モーセは神の山に登った。

出 24:14

 彼は長老たちに言った、「わたしたちがあなたがたの所に帰って来るまで、ここで待っていなさい。見よ、アロンとホルとが、あなたがたと共にいるから、事ある者は、だれでも彼らの所へ行きなさい」。

出 24:15

 こうしてモーセは山に登ったが、雲は山をおおっていた。

出 24:16

 主の栄光がシナイ山の上にとどまり、雲は六日のあいだ、山をおおっていたが、七日目に主は雲の中からモーセを呼ばれた。

出 24:17

 主の栄光は山の頂で、燃える火のようにイスラエルの人々の目に見えたが、

出 24:18

 モーセは雲の中にはいって、山に登った。そしてモーセは四十日四十夜、山にいた。


第25章


出 25:1

 主はモーセに言われた、

出 25:2

 「イスラエルの人々に告げて、わたしのためにささげ物を携えてこさせなさい。すべて、心から喜んでする者から、わたしにささげる物を受け取りなさい。

出 25:3

 あなたがたが彼らから受け取るべきささげ物はこれである。すなわち金、銀、青銅、

出 25:4

 青糸、紫糸、緋糸、亜麻の撚糸、やぎの毛糸、

出 25:5

 あかね染の雄羊の皮、じゅごんの皮、アカシヤ材、

出 25:6

 ともし油、注ぎ油と香ばしい薫香のための香料、

出 25:7

 縞めのう、エポデと胸当にはめる宝石。

出 25:8

 また、彼らにわたしのために聖所を造らせなさい。わたしが彼らのうちに住むためである。

出 25:9

 すべてあなたに示す幕屋の型および、そのもろもろの器の型に従って、これを造らなければならない。

出 25:10

 彼らはアカシヤ材で箱を造らなければならない。長さは二キュビト半、幅は一キュビト半、高さは一キュビト半。

出 25:11

 あなたは純金でこれをおおわなければならない。すなわち内外ともにこれをおおい、その上の周囲に金の飾り縁を造らなければならない。

出 25:12

 また金の環四つを鋳て、その四すみに取り付けなければならない。すなわち二つの環をこちら側に、二つの環をあちら側に付けなければならない。

出 25:13

 またアカシヤ材のさおを造り、金でこれをおおわなければならない。

出 25:14

 そしてそのさおを箱の側面の環に通し、それで箱をかつがなければならない。

出 25:15

 さおは箱の環に差して置き、それを抜き放してはならない。

出 25:16

 そしてその箱に、わたしがあなたに与えるあかしの板を納めなければならない。

出 25:17

 また純金の贖罪所を造らなければならない。長さは二キュビト半、幅は一キュビト半。

出 25:18

 また二つの金のケルビムを造らなければならない。これを打物造りとし、贖罪所の両端に置かなければならない。

出 25:19

 一つのケルブをこの端に、一つのケルブをかの端に造り、ケルビムを贖罪所の一部としてその両端に造らなければならない。

出 25:20

 ケルビムは翼を高く伸べ、その翼をもって贖罪所をおおい、顔は互にむかい合い、ケルビムの顔は贖罪所にむかわなければならない。

出 25:21

 あなたは贖罪所を箱の上に置き、箱の中にはわたしが授けるあかしの板を納めなければならない。

出 25:22

 その所でわたしはあなたに会い、贖罪所の上から、あかしの箱の上にある二つのケルビムの間から、イスラエルの人々のために、わたしが命じようとするもろもろの事を、あなたに語るであろう。

出 25:23

 あなたはまたアカシヤ材の机を造らなければならない。長さは二キュビト、幅は一キュビト、高さは一キュビト半。

出 25:24

 純金でこれをおおい、周囲に金の飾り縁を造り、

出 25:25

 またその周囲に手幅の棧を造り、その棧の周囲に金の飾り縁を造らなければならない。

出 25:26

 また、そのために金の環四つを造り、その四つの足のすみ四か所にその環を取り付けなければならない。

出 25:27

 環は棧のわきに付けて、机をかつぐさおを入れる所としなければならない。

出 25:28

 またアカシヤ材のさおを造り、金でこれをおおい、それをもって、机をかつがなければならない。

出 25:29

 また、その皿、乳香を盛る杯および灌祭を注ぐための瓶と鉢を造り、これらは純金で造らなければならない。

出 25:30

 そして机の上には供えのパンを置いて、常にわたしの前にあるようにしなければならない。

出 25:31

 また純金の燭台を造らなければならない。燭台は打物造りとし、その台、幹、萼、節、花を一つに連ならせなければならない。

出 25:32

 また六つの枝をそのわきから出させ、燭台の三つの枝をこの側から、燭台の三つの枝をかの側から出させなければならない。

出 25:33

 あめんどうの花の形をした三つの萼が、それぞれ節と花をもって一つの枝にあり、また、あめんどうの花の形をした三つの萼が、それぞれ節と花をもってほかの枝にあるようにし、燭台から出る六つの枝を、みなそのようにしなければならない。

出 25:34

 また、燭台の幹には、あめんどうの花の形をした四つの萼を付け、その萼にはそれぞれ節と花をもたせなさい。

出 25:35

 すなわち二つの枝の下に一つの節を取り付け、次の二つの枝の下に一つの節を取り付け、更に次の二つの枝の下に一つの節を取り付け、燭台の幹から出る六つの枝に、みなそのようにしなければならない。

出 25:36

 それらの節と枝を一つに連ね、ことごとく純金の打物造りにしなければならない。

出 25:37

 また、それのともしび皿を七つ造り、そのともしび皿に火をともして、その前方を照させなければならない。

出 25:38

 その芯切りばさみと、芯取り皿は純金で造らなければならない。

出 25:39

 すなわち純金一タラントで燭台と、これらのもろもろの器とが造られなければならない。

出 25:40

 そしてあなたが山で示された型に従い、注意してこれを造らなければならない。


第26章


出 26:1

 あなたはまた十枚の幕をもって幕屋を造らなければならない。すなわち亜麻の撚糸、青糸、紫糸、緋糸で幕を作り、巧みなわざをもって、それにケルビムを織り出さなければならない。

出 26:2

 幕の長さは、おのおの二十八キュビト、幕の幅は、おのおの四キュビトで、幕は皆同じ寸法でなければならない。

出 26:3

 その幕五枚を互に連ね合わせ、また他の五枚の幕をも互に連ね合わせなければならない。

出 26:4

 その一連の端にある幕の縁に青色の乳をつけ、また他の一連の端にある幕の縁にもそのようにしなければならない。

出 26:5

 あなたは、その一枚の幕に乳五十をつけ、また他の一連の幕の端にも乳五十をつけ、その乳を互に相向かわせなければならない。

出 26:6

 あなたはまた金の輪五十を作り、その輪で幕を互に連ね合わせて一つの幕屋にしなければならない。

出 26:7

 また幕屋をおおう天幕のためにやぎの毛糸で幕を作らなければならない。すなわち幕十一枚を作り、

出 26:8

 その一枚の幕の長さは三十キュビト、その一枚の幕の幅は四キュビトで、その十一枚の幕は同じ寸法でなければならない。

出 26:9

 そして、その幕五枚を一つに連ね合わせ、またその幕六枚を一つに連ね合わせて、その六枚目の幕を天幕の前で折り重ねなければならない。

出 26:10

 またその一連の端にある幕の縁に乳五十をつけ、他の一連の幕の縁にも乳五十をつけなさい。

出 26:11

 そして青銅の輪五十を作り、その輪を乳に掛け、その天幕を連ね合わせて一つにし、

出 26:12

 その天幕の幕の残りの垂れる部分、すなわちその残りの半幕を幕屋のうしろに垂れさせなければならない。

出 26:13

 そして天幕の幕のたけで余るものの、こちらのキュビトと、あちらのキュビトとは、幕屋をおおうように、その両側のこちらとあちらとに垂れさせなければならない。

出 26:14

 また、あかね染めの雄羊の皮で天幕のおおいと、じゅごんの皮でその上にかけるおおいとを造らなければならない。

出 26:15

 あなたは幕屋のために、アカシヤ材で立枠を造らなければならない。

出 26:16

 枠の長さを十キュビト、枠の幅を一キュビト半とし、

出 26:17

 枠ごとに二つの柄を造って、かれとこれとを食い合わさせ、幕屋のすべての枠にこのようにしなければならない。

出 26:18

 あなたは幕屋のために枠を造り、南側のために枠二十とし、

出 26:19

 その二十の枠の下に銀の座四十を造って、この枠の下に、その二つの柄のために二つの座を置き、かの枠の下にもその二つの柄のために二つの座を置かなければならない。

出 26:20

 また幕屋の他の側、すなわち北側のためにも枠二十を造り、

出 26:21

 その銀の座四十を造って、この枠の下に、二つの座を置き、かの枠の下にも二つの座を置かなければならない。

出 26:22

 また幕屋のうしろ、すなわち西側のために枠六つを造り、

出 26:23

 幕屋のうしろの二つのすみのために枠二つを造らなければならない。

出 26:24

 これらは下で重なり合い、同じくその頂でも第一の環まで重なり合うようにし、その二つともそのようにしなければならない。それらは二つのすみのために設けるものである。

出 26:25

 こうしてその枠は八つ、その銀の座は十六、この枠の下に二つの座、かの枠の下にも二つの座を置かなければならない。

出 26:26

 またアカシヤ材で横木を造らなければならない。すなわち幕屋のこの側の枠のために五つ、

出 26:27

 また幕屋のかの側の枠のために横木五つ、幕屋のうしろの西側の枠のために横木五つを造り、

出 26:28

 枠のまん中にある中央の横木は端から端まで通るようにしなければならない。

出 26:29

 そしてその枠を金でおおい、また横木を通すその環を金で造り、また、その横木を金でおおわなければならない。

出 26:30

 こうしてあなたは山で示された様式に従って幕屋を建てなければならない。

出 26:31

 また青糸、紫糸、緋糸、亜麻の撚糸で垂幕を作り、巧みなわざをもって、それにケルビムを織り出さなければならない。

出 26:32

 そして金でおおった四つのアカシヤ材の柱の金の鉤にこれを掛け、その柱は四つの銀の座の上にすえなければならない。

出 26:33

  その垂幕の輪を鉤に掛け、その垂幕の内にあかしの箱を納めなさい。その垂幕はあなたがたのために聖所と至聖所とを隔て分けるであろう。

出 26:34

 また至聖所にあるあかしの箱の上に贖罪所を置かなければならない。

出 26:35

 そしてその垂幕の外に机を置き、幕屋の南側に、机に向かい合わせて燭台を置かなければならない。ただし机は北側に置かなければならない。

出 26:36

 あなたはまた天幕の入口のために青糸、紫糸、緋糸、亜麻の撚糸で、色とりどりに織ったとばりを作らなければならない。

出 26:37

 あなたはそのとばりのためにアカシヤ材の柱五つを造り、これを金でおおい、その鉤を金で造り、またその柱のために青銅の座五つを鋳て造らなければならない。


第27章


出 27:1

 あなたはまたアカシヤ材で祭壇を造らなければならない。長さ五キュビト、幅五キュビトの四角で、高さは三キュビトである。

出 27:2

 その四すみの上にその一部としてそれの角を造り、青銅で祭壇をおおわなければならない。

出 27:3

 また灰を取るつぼ、十能、鉢、肉叉、火皿を造り、その器はみな青銅で造らなければならない。

出 27:4

 また祭壇のために青銅の網細工の格子を造り、その四すみで、網の上に青銅の環を四つ取り付けなければならない。

出 27:5

 その網を祭壇の出張りの下に取り付け、これを祭壇の高さの半ばに達するようにしなければならない。

出 27:6

 また祭壇のために、さおを造らなければならない。すなわちアカシヤ材で、さおを造り、青銅で、これをおおわなければならない。

出 27:7

 そのさおを環に通し、さおを祭壇の両側にして、これをかつがなければならない。

出 27:8

 祭壇は板で空洞に造り、山で示されたように、これを造らなければならない。

出 27:9

 あなたはまた幕屋の庭を造り、両側では庭のために長さ百キュビトの亜麻の撚糸のあげばりを設け、その一方に当てなければならない。

出 27:10

 その柱は二十、その柱の二十の座は青銅にし、その柱の鉤と桁とは銀にしなければならない。

出 27:11

 また同じく北側のために、長さ百キュビトのあげばりを設けなければならない。その柱は二十、その柱の二十の座は青銅にし、その柱の鉤と桁とは銀にしなければならない。

出 27:12

 また庭の西側の幅のために五十キュビトのあげばりを設けなければならない。その柱は十、その座も十。

出 27:13

 また東側でも庭の幅を五十キュビトにしなければならない。

出 27:14

 そしてその一方に十五キュビトのあげばりを設けなければならない。その柱は三つ、その座も三つ。

出 27:15

 また他の一方にも十五キュビトのあげばりを設けなければならない。その柱は三つ、その座も三つ。

出 27:16

 庭の門のために青糸、紫糸、緋糸、亜麻の撚糸で、色とりどりに織った長さ二十キュビトのとばりを設けなければならない。その柱は四つ、その座も四つ。

出 27:17

 庭の周囲の柱はみな銀の桁でつなぎ、その鉤は銀、その座は青銅にしなければならない。

出 27:18

 庭の長さは百キュビト、その幅は五十キュビト、その高さは五キュビトで、亜麻の撚糸の布を掛けめぐらし、その座を青銅にしなければならない。

出 27:19

 すべて幕屋に用いるもろもろの器、およびそのすべての釘、また庭のすべての釘は青銅で造らなければならない。

出 27:20

 あなたはまたイスラエルの人々に命じて、オリブをつぶして採った純粋の油を、ともし火のために持ってこさせ、絶えずともし火をともさなければならない。

出 27:21

 アロンとその子たちとは、会見の幕屋の中のあかしの箱の前にある垂幕の外で、夕から朝まで主の前に、そのともし火を整えなければならない。これはイスラエルの人々の守るべき世々変らざる定めでなければならない。


第28章


出 28:1

 またイスラエルの人々のうちから、あなたの兄弟アロンとその子たち、すなわちアロンとアロンの子ナダブ、アビウ、エレアザル、イタマルとをあなたのもとにこさせ、祭司としてわたしに仕えさせ、

出 28:2

 またあなたの兄弟アロンのために聖なる衣服を作って、彼に栄えと麗しきをもたせなければならない。

出 28:3

 あなたはすべて心に知恵ある者、すなわち、わたしが知恵の霊を満たした者たちに語って、アロンの衣服を作らせ、アロンを聖別し、祭司としてわたしに仕えさせなければならない。

出 28:4

 彼らの作るべき衣服は次のとおりである。すなわち胸当、エポデ、衣、市松模様の服、帽子、帯である。彼らはあなたの兄弟アロンとその子たちとのために聖なる衣服を作り、祭司としてわたしに仕えさせなければならない。

出 28:5

 彼らは金糸、青糸、紫糸、緋糸、亜麻の撚糸を受け取らなければならない。

出 28:6

 そして彼らは金糸、青糸、紫糸、緋糸、亜麻の撚糸を用い、巧みなわざをもってエポデを作らなければならない。

出 28:7

 これに二つの肩ひもを付け、その両端を、これに付けなければならない。

出 28:8

 エポデの上で、これをつかねる帯は、同じきれでエポデの作りのように、金糸、青糸、紫糸、緋糸、亜麻の撚糸で作らなければならない。

出 28:9

 あなたは二つの縞めのうを取って、その上にイスラエルの子たちの名を刻まなければならない。

出 28:10

 すなわち、その名六つを一つの石に、残りの名六つを他の石に、彼らの生れた順に刻まなければならない。

出 28:11

 宝石に彫刻する人が印を彫刻するように、イスラエルの子たちの名をその二つの石に刻み、それを金の編細工にはめ、

出 28:12

 この二つの石をエポデの肩ひもにつけて、イスラエルの子たちの記念の石としなければならない。こうしてアロンは主の前でその両肩に彼らの名を負うて記念としなければならない。

出 28:13

 あなたはまた金の編細工を作らなければならない。

出 28:14

 そして二つの純金の鎖を、ひも細工にねじて作り、そのひもの鎖をかの編細工につけなければならない。

出 28:15

 あなたはまたさばきの胸当を巧みなわざをもって作り、これをエポデの作りのように作らなければならない。すなわち金糸、青糸、紫糸、緋糸、亜麻の撚糸で、これを作らなければならない。

出 28:16

 これは二つに折って四角にし、長さは一指当り、幅も一指当りとしなければならない。

出 28:17

 またその中に宝石を四列にはめ込まなければならない。すなわち紅玉髄、貴かんらん石、水晶の列を第一列とし、

出 28:18

 第二列は、ざくろ石、るり、赤縞めのう。

出 28:19

 第三列は黄水晶、めのう、紫水晶。

出 28:20

 第四列は黄碧玉、縞めのう、碧玉であって、これらを金の編細工の中にはめ込まなければならない。

出 28:21

 その宝石はイスラエルの子らの名に従い、その名とひとしく十二とし、おのおの印の彫刻のように十二の部族のためにその名を刻まなければならない。

出 28:22

 またひも細工にねじた純金の鎖を胸当につけなければならない。

出 28:23

 また、胸当のために金の環二つを作り、胸当の両端にその二つの環をつけ、

出 28:24

 かの二筋の金のひもを胸当の端の二つの環につけなければならない。

出 28:25

 ただし、その二筋のひもの他の両端をかの二つの編細工につけ、エポデの肩ひもにつけて、前にくるようにしなければならない。

出 28:26

 あなたはまた二つの金の環を作って、これを胸当の両端につけなければならない。すなわちエポデに接する内側の縁にこれをつけなければならない。

出 28:27

 また二つの金の環を作って、これをエポデの二つの肩ひもの下の部分につけ、前の方で、そのつなぎ目に近く、エポデの帯の上の方にあるようにしなければならない。

出 28:28

 胸当は青ひもをもって、その環をエポデの環に結びつけ、エポデの帯の上の方にあるようにしなければならない。こうして胸当がエポデから離れないようにしなければならない。

出 28:29

 アロンが聖所にはいる時は、さばきの胸当にあるイスラエルの子たちの名をその胸に置き、主の前に常に覚えとしなければならない。

出 28:30

 あなたはさばきの胸当にウリムとトンミムを入れて、アロンが主の前にいたる時、その胸の上にあるようにしなければならない。こうしてアロンは主の前に常にイスラエルの子たちのさばきを、その胸に置かなければならない。

出 28:31

 あなたはまた、エポデに属する上服をすべて青地で作らなければならない。

出 28:32

 頭を通す口を、そのまん中に設け、その口の周囲には、よろいのえりのように織物の縁をつけて、ほころびないようにし、

出 28:33

 そのすそには青糸、紫糸、緋糸で、ざくろを作り、そのすその周囲につけ、また周囲に金の鈴をざくろの間々につけなければならない。

出 28:34

 すなわち金の鈴にざくろ、また金の鈴にざくろと、上服のすその周囲につけなければならない。

出 28:35

 アロンは務の時、これを着なければならない。彼が聖所にはいって主の前にいたる時、また出る時、その音が聞えて、彼は死を免れるであろう。

出 28:36

 あなたはまた純金の板を造り、印の彫刻のように、その上に『主に聖なる者』と刻み、

出 28:37

 これを青ひもで帽子に付け、それが帽子の前の方に来るようにしなければならない。

出 28:38

 これはアロンの額にあり、そしてアロンはイスラエルの人々がささげる聖なる物、すなわち彼らのもろもろの聖なる供え物についての罪の責めを負うであろう。これは主の前にそれらの受けいれられるため、常にアロンの額になければならない。

出 28:39

 あなたは亜麻糸で市松模様に下服を織り、亜麻布で、ずきんを作り、また、帯を色とりどりに織って作らなければならない。

出 28:40

 あなたはまたアロンの子たちのために下服を作り、彼らのために帯を作り、彼らのために、ずきんを作って、彼らに栄えと麗しきをもたせなければならない。

出 28:41

 そしてあなたはこれをあなたの兄弟アロンおよび彼と共にいるその子たちに着せ、彼らに油を注ぎ、彼らを職に任じ、彼らを聖別し、祭司として、わたしに仕えさせなければならない。

出 28:42

 また、彼らのために、その隠し所をおおう亜麻布のしたばきを作り、腰からももに届くようにしなければならない。

出 28:43

 アロンとその子たちは会見の幕屋にはいる時、あるいは聖所で務をするために祭壇に近づく時に、これを着なければならない。そうすれば、彼らは罪を得て死ぬことはないであろう。これは彼と彼の後の子孫とのための永久の定めでなければならない。


第29章


出 29:1

 あなたは彼らを聖別し、祭司としてわたしに仕えさせるために、次の事を彼らにしなければならない。すなわち若い雄牛一頭と、きずのない雄羊二頭とを取り、

出 29:2

 また種入れぬパンと、油を混ぜた種入れぬ菓子と、油を塗った種入れぬせんべいとを取りなさい。これらは小麦粉で作らなければならない。

出 29:3

 そしてこれを一つのかごに入れ、そのかごに入れたまま、かの一頭の雄牛および二頭の雄羊と共に携えてこなければならない。

出 29:4

 あなたはまたアロンとその子たちを会見の幕屋の入口に連れてきて、水で彼らを洗い清め、

出 29:5

 また衣服を取り、下服とエポデに属する上服と、エポデと胸当とをアロンに着せ、エポデの帯を締めさせなければならない。

出 29:6

 そして彼の頭に帽子をかぶらせ、その帽子の上にかの聖なる冠をいただかせ、

出 29:7

 注ぎ油を取って彼の頭にかけ、彼に油注ぎをしなければならない。

出 29:8

 あなたはまた彼の子たちを連れてきて下服を着せ、

出 29:9

 彼ら、すなわちアロンとその子たちに帯を締めさせ、ずきんをかぶらせなければならない。祭司の職は永久の定めによって彼らに帰するであろう。あなたはこうして、アロンとその子たちを職に任じなければならない。

出 29:10

 あなたは会見の幕屋の前に雄牛を引いてきて、アロンとその子たちは、その雄羊の頭に手を置かなければならない。

出 29:11

 そして会見の幕屋の入口で、主の前にその雄牛をほふり、

出 29:12

 その雄牛の血を取り、指をもって、これを祭壇の角につけ、その残りの血を祭壇の基に注ぎかけなさい。

出 29:13

 また、その内臓をおおうすべての脂肪と肝臓の小葉と、二つの腎臓と、その上の脂肪とを取って、これを祭壇の上で焼かなければならない。

出 29:14

 ただし、その雄牛の肉と皮と汚物とは、宿営の外で火で焼き捨てなければならない。これは罪祭である。

出 29:15

 あなたはまた、かの雄羊の一頭を取り、そしてアロンとその子たちは、その雄羊の頭に手を置かなければならない。

出 29:16

 あなたはその雄羊をほふり、その血を取って、祭壇の四つの側面に注ぎかけなければならない。

出 29:17

 またその雄羊を切り裂き、その内臓と、その足とを洗って、これをその肉の切れ、および頭と共に置き、

出 29:18

 その雄羊をみな祭壇の上で焼かなければならない。これは主にささげる燔祭である。すなわち、これは香ばしいかおりであって、主にささげる火祭である。

出 29:19

 あなたはまた雄羊の他の一頭を取り、アロンとその子たちは、その雄羊の頭に手を置かなければならない。

出 29:20

 そしてあなたはその雄羊をほふり、その血を取って、アロンの右の耳たぶと、その子たちの右の耳たぶとにつけ、また彼らの右の手の親指と、右の足の親指とにつけ、その残りの血を祭壇の四つの側面に注ぎかけなければならない。

出 29:21

 また祭壇の上の血および注ぎ油を取って、アロンとその衣服、およびその子たちと、その子たちの衣服とに注がなければならない。彼とその衣服、およびその子らと、その衣服とは聖別されるであろう。

出 29:22

 あなたはまた、その雄羊の脂肪、脂尾、内臓をおおう脂肪、肝臓の小葉、二つの腎臓、その上の脂肪、および右のももを取らなければならない。これは任職の雄羊である。

出 29:23

 また主の前にある種入れぬパンのかごの中からパン一個と、油菓子一個と、せんべい一個とを取り、

出 29:24

 これをみなアロンの手と、その子たちの手に置き、これを主の前に揺り動かして、揺祭としなければならない。

出 29:25

 そしてあなたはこれを彼らの手から受け取り、燔祭に加えて祭壇の上で焼き、主の前に香ばしいかおりとしなければならない。これは主にささげる火祭である。

出 29:26

 あなたはまた、アロンの任職の雄羊の胸を取り、これを主の前に揺り動かして、揺祭としなければならない。これはあなたの受ける分となるであろう。

出 29:27

 あなたはアロンとその子たちの任職の雄羊の胸ともも、すなわち揺り動かした揺祭の胸と、ささげたももとを聖別しなければならない。

出 29:28

 これはイスラエルの人々から永久に、アロンとその子たちの受くべきささげ物であって、イスラエルの人々の酬恩祭の犠牲の中から受くべきもの、すなわち主にささげるささげ物である。

出 29:29

 アロンの聖なる衣服は彼の後の子孫に帰すべきである。彼らはこれを着て、油注がれ、職に任ぜられなければならない。

出 29:30

 その子たちのうち、彼に代って祭司となり、聖所で仕えるために会見の幕屋にはいる者は、七日の間これを着なければならない。

出 29:31

 あなたは任職の雄羊を取り、聖なる場所でその肉を煮なければならない。

出 29:32

 アロンとその子たちは会見の幕屋の入口で、その雄羊の肉と、かごの中のパンとを食べなければならない。

出 29:33

 彼らを職に任じ、聖別するため、あがないに用いたこれらのものを、彼らは食べなければならない。他の人はこれを食べてはならない。これは聖なる物だからである。

出 29:34

 もし任職の肉、あるいはパンのうち、朝まで残るものがあれば、その残りは火で焼かなければならない。これは聖なる物だから食べてはならない。

出 29:35

 あなたはわたしがすべて命じるように、アロンとその子たちにしなければならない。すなわち彼らのために七日のあいだ、任職の式を行わなければならない。

出 29:36

 あなたは毎日、あがないのために、罪祭の雄牛一頭をささげなければならない。また祭壇のために、あがないをなす時、そのために罪祭をささげ、また、これに油を注いで聖別しなさい。

出 29:37

 あなたは七日の間、祭壇のために、あがないをして、これを聖別しなければならない。こうして祭壇は、いと聖なる物となり、すべて祭壇に触れる者は聖となるであろう。

出 29:38

 あなたが祭壇の上にささぐべき物は次のとおりである。すなわち当歳の小羊二頭を毎日絶やすことなくささげなければならない。

出 29:39

 その一頭の小羊は朝にこれをささげ、他の一頭の小羊は夕にこれをささげなければならない。

出 29:40

 一頭の小羊には、つぶして取った油一ヒンの四分の一をまぜた麦粉十分の一エパを添え、また灌祭として、ぶどう酒一ヒンの四分の一を添えなければならない。

出 29:41

 他の一頭の小羊は夕にこれをささげ、朝の素祭および灌祭と同じものをこれに添えてささげ、香ばしいかおりのために主にささげる火祭としなければならない。

出 29:42

 これはあなたがたが代々会見の幕屋の入口で、主の前に絶やすことなく、ささぐべき燔祭である。わたしはその所であなたに会い、あなたと語るであろう。

出 29:43

 また、その所でわたしはイスラエルの人々に会うであろう。幕屋はわたしの栄光によって聖別されるであろう。

出 29:44

 わたしは会見の幕屋と祭壇とを聖別するであろう。またアロンとその子たちを聖別し、祭司としてわたしに仕えさせるであろう。

出 29:45

 わたしはイスラエルの人々のうちに住んで、彼らの神となるであろう。

出 29:46

 わたしが彼らのうちに住むために、彼らをエジプトの国から導き出した彼らの神、主であることを彼らは知るであろう。わたしは彼らの神、主である。


第30章


出 30:1

 あなたはまた香をたく祭壇を造らなければならない。アカシヤ材でこれを造り、

出 30:2

 長さ一キュビト、幅一キュビトの四角にし、高さ二キュビトで、これにその一部として角をつけなければならない。

出 30:3

 その頂、その四つの側面、およびその角を純金でおおい、その周囲に金の飾り縁を造り、

出 30:4

 また、その両側に、飾り縁の下に金の環二つをこれのために造らなければならない。すなわち、その二つの側にこれを造らなければならない。これはそれをかつぐさおを通すところである。

出 30:5

 そのさおはアカシヤ材で造り、金でおおわなければならない。

出 30:6

 あなたはそれを、あかしの箱の前にある垂幕の前に置いて、わたしがあなたと会うあかしの箱の上にある贖罪所に向かわせなければならない。

出 30:7

 アロンはその上で香ばしい薫香をたかなければならない。朝ごとに、ともしびを整える時、これをたかなければならない。

出 30:8

 アロンはまた夕べにともしびをともす時にも、これをたかなければならない。これは主の前にあなたがたが代々に絶やすことなく、ささぐべき薫香である。

出 30:9

 あなたがたはその上で異なる香をささげてはならない。燔祭をも素祭をもその上でささげてはならない。また、その上に灌祭を注いではならない。

出 30:10

 アロンは年に一度その角に血をつけてあがないをしなければならない。すなわち、あがないの罪祭の血をもって代々にわたり、年に一度これがために、あがないをしなければならない。これは主に最も聖なるものである」。

出 30:11

 主はモーセに言われた、

出 30:12

 「あなたがイスラエルの人々の数の総計をとるに当り、おのおのその数えられる時、その命のあがないを主にささげなければならない。これは数えられる時、彼らのうちに災の起らないためである。

出 30:13

 すべて数に入る者は聖所のシケルで、半シケルを払わなければならない。一シケルは二十ゲラであって、おのおの半シケルを主にささげ物としなければならない。

出 30:14

 すべて数に入る二十歳以上の者は、主にささげ物をしなければならない。

出 30:15

 あなたがたの命をあがなうために、主にささげ物をする時、富める者も半シケルより多く出してはならず、貧しい者もそれより少なく出してはならない。

出 30:16

 あなたはイスラエルの人々から、あがないの銀を取って、これを会見の幕屋の用に当てなければならない。これは主の前にイスラエルの人々のため記念となって、あなたがたの命をあがなうであろう」。

出 30:17

 主はモーセに言われた、

出 30:18

 「あなたはまた洗うために洗盤と、その台を青銅で造り、それを会見の幕屋と祭壇との間に置いて、その中に水を入れ、

出 30:19

 アロンとその子たちは、それで手と足とを洗わなければならない。

出 30:20

 彼らは会見の幕屋にはいる時、水で洗って、死なないようにしなければならない。また祭壇に近づいて、その務をなし、火祭を主にささげる時にも、そうしなければならない。

出 30:21

 すなわち、その手、その足を洗って、死なないようにしなければならない。これは彼とその子孫の代々にわたる永久の定めでなければならない」。

出 30:22

 主はまたモーセに言われた、

出 30:23

 「あなたはまた最も良い香料を取りなさい。すなわち液体の没薬五百シケル、香ばしい肉桂をその半ば、すなわち二百五十シケル、におい菖蒲二百五十シケル、

出 30:24

 桂枝五百シケルを聖所のシケルで取り、また、オリブの油一ヒンを取りなさい。

出 30:25

 あなたはこれを聖なる注ぎ油、すなわち香油を造るわざにしたがい、まぜ合わせて、におい油に造らなければならない。これは聖なる注ぎ油である。

出 30:26

 あなたはこの油を会見の幕屋と、あかしの箱とに注ぎ、

出 30:27

 机と、そのもろもろの器、燭台と、そのもろもろの器、香の祭壇、

出 30:28

 燔祭の祭壇と、そのもろもろの器、洗盤と、その台とに油を注ぎ、

出 30:29

 これらをきよめて最も聖なる物としなければならない。すべてこれに触れる者は聖となるであろう。

出 30:30

 あなたはアロンとその子たちに油を注いで、彼らを聖別し、祭司としてわたしに仕えさせなければならない。

出 30:31

 そしてあなたはイスラエルの人々に言わなければならない、『これはあなたがたの代々にわたる、わたしの聖なる注ぎ油であって、

出 30:32

 常の人の身にこれを注いではならない。またこの割合をもって、これと等しいものを造ってはならない。これは聖なるものであるから、あなたがたにとっても聖なる物でなければならない。

出 30:33

 すべてこれと等しい物を造る者、あるいはこれを祭司以外の人につける者は、民のうちから断たれるであろう』」。

出 30:34

 主はまた、モーセに言われた、「あなたは香料、すなわち蘇合香、シケレテ香、楓子香、純粋の乳香の香料を取りなさい。おのおの同じ量でなければならない。

出 30:35

 あなたはこれをもって香、すなわち香料をつくるわざにしたがって薫香を造り、塩を加え、純にして聖なる物としなさい。

出 30:36

 また、その幾ぶんを細かに砕き、わたしがあなたと会う会見の幕屋にある、あかしの箱の前にこれを供えなければならない。これはあなたがたに最も聖なるものである。

出 30:37

 あなたが造る香の同じ割合をもって、それを自分のために造ってはならない。これはあなたにとって主に聖なるものでなければならない。

出 30:38

 すべてこれと等しいものを造って、これをかぐ者は民のうちから断たれるであろう」。


第31章


出 31:1

 主はモーセに言われた、

出 31:2

 「見よ、わたしはユダの部族に属するホルの子なるウリの子ベザレルを名ざして召し、

出 31:3

 これに神の霊を満たして、知恵と悟りと知識と諸種の工作に長ぜしめ、

出 31:4

 工夫を凝らして金、銀、青銅の細工をさせ、

出 31:5

 また宝石を切りはめ、木を彫刻するなど、諸種の工作をさせるであろう。

出 31:6

 見よ、わたしはまたダンの部族に属するアヒサマクの子アホリアブを彼と共ならせ、そしてすべて賢い者の心に知恵を授け、わたしがあなたに命じたものを、ことごとく彼らに造らせるであろう。

出 31:7

 すなわち会見の幕屋、あかしの箱、その上にある贖罪所、幕屋のもろもろの器、

出 31:8

 机とその器、純金の燭台と、そのもろもろの器、香の祭壇、

出 31:9

 燔祭の祭壇とそのもろもろの器、洗盤とその台、

出 31:10

 編物の服、すなわち祭司の務をするための祭司アロンの聖なる服、およびその子たちの服、

出 31:11

 注ぎ油、聖所のための香ばしい香などを、すべてわたしがあなたに命じたように造らせるであろう」。

出 31:12

 主はまたモーセに言われた、

出 31:13

 「あなたはイスラエルの人々に言いなさい、『あなたがたは必ずわたしの安息日を守らなければならない。これはわたしとあなたがたとの間の、代々にわたるしるしであって、わたしがあなたがたを聖別する主であることを、知らせるためのものである。

出 31:14

 それゆえ、あなたがたは安息日を守らなければならない。これはあなたがたに聖なる日である。すべてこれを汚す者は必ず殺され、すべてこの日に仕事をする者は、民のうちから断たれるであろう。

出 31:15

 六日のあいだは仕事をしなさい。七日目は全き休みの安息日で、主のために聖である。すべて安息日に仕事をする者は必ず殺されるであろう。

出 31:16

 ゆえに、イスラエルの人々は安息日を覚え、永遠の契約として、代々安息日を守らなければならない。

出 31:17

 これは永遠にわたしとイスラエルの人々との間のしるしである。それは主が六日のあいだに天地を造り、七日目に休み、かつ、いこわれたからである』」。

出 31:18

 主はシナイ山でモーセに語り終えられたとき、あかしの板二枚、すなわち神が指をもって書かれた石の板をモーセに授けられた。


第32章


出 32:1

 民はモーセが山を下ることのおそいのを見て、アロンのもとに集まって彼に言った、「さあ、わたしたちに先立って行く神を、わたしたちのために造ってください。わたしたちをエジプトの国から導きのぼった人、あのモーセはどうなったのかわからないからです」。

出 32:2

 アロンは彼らに言った、「あなたがたの妻、むすこ、娘らの金の耳輪をはずしてわたしに持ってきなさい」。

出 32:3

 そこで民は皆その金の耳輪をはずしてアロンのもとに持ってきた。

出 32:4

 アロンがこれを彼らの手から受け取り、工具で型を造り、鋳て子牛としたので、彼らは言った、「イスラエルよ、これはあなたをエジプトの国から導きのぼったあなたの神である」。

出 32:5

 アロンはこれを見て、その前に祭壇を築いた。そしてアロンは布告して言った、「あすは主の祭である」。

出 32:6

 そこで人々はあくる朝早く起きて燔祭をささげ、酬恩祭を供えた。民は座して食い飲みし、立って戯れた。

出 32:7

 主はモーセに言われた、「急いで下りなさい。あなたがエジプトの国から導きのぼったあなたの民は悪いことをした。

出 32:8

 彼らは早くもわたしが命じた道を離れ、自分のために鋳物の子牛を造り、これを拝み、これに犠牲をささげて、『イスラエルよ、これはあなたをエジプトの国から導きのぼったあなたの神である』と言っている」。

出 32:9

 主はまたモーセに言われた、「わたしはこの民を見た。これはかたくなな民である。

出 32:10

 それで、わたしをとめるな。わたしの怒りは彼らにむかって燃え、彼らを滅ぼしつくすであろう。しかし、わたしはあなたを大いなる国民とするであろう」。

出 32:11

 モーセはその神、主をなだめて言った、「主よ、大いなる力と強き手をもって、エジプトの国から導き出されたあなたの民にむかって、なぜあなたの怒りが燃えるのでしょうか。

出 32:12

 どうしてエジプトびとに『彼は悪意をもって彼らを導き出し、彼らを山地で殺し、地の面から断ち滅ぼすのだ』と言わせてよいでしょうか。どうかあなたの激しい怒りをやめ、あなたの民に下そうとされるこの災を思い直し、

出 32:13

 あなたのしもべアブラハム、イサク、イスラエルに、あなたが御自身をさして誓い、『わたしは天の星のように、あなたがたの子孫を増し、わたしが約束したこの地を皆あなたがたの子孫に与えて、長くこれを所有させるであろう』と彼らに仰せられたことを覚えてください」。

出 32:14

 それで、主はその民に下すと言われた災について思い直された。

出 32:15

 モーセは身を転じて山を下った。彼の手には、かの二枚のあかしの板があった。板はその両面に文字があった。すなわち、この面にも、かの面にも文字があった。

出 32:16

 その板は神の作、その文字は神の文字であって、板に彫ったものである。

出 32:17

 ヨシュアは民の呼ばわる声を聞いて、モーセに言った、「宿営の中に戦いの声がします」。

出 32:18

 しかし、モーセは言った、「勝どきの声でなく、敗北の叫び声でもない。わたしの聞くのは歌の声である」。

出 32:19

 モーセが宿営に近づくと、子牛と踊りとを見たので、彼は怒りに燃え、手からかの板を投げうち、これを山のふもとで砕いた。

出 32:20

 また彼らが造った子牛を取って火に焼き、こなごなに砕き、これを水の上にまいて、イスラエルの人々に飲ませた。

出 32:21

 モーセはアロンに言った、「この民があなたに何をしたので、あなたは彼らに大いなる罪を犯させたのですか」。

出 32:22

 アロンは言った、「わが主よ、激しく怒らないでください。この民の悪いのは、あなたがごぞんじです。

出 32:23

 彼らはわたしに言いました、『わたしたちに先立って行く神を、わたしたちのために造ってください。わたしたちをエジプトの国から導きのぼった人、あのモーセは、どうなったのかわからないからです』。

出 32:24

 そこでわたしは『だれでも、金を持っている者は、それを取りはずしなさい』と彼らに言いました。彼らがそれをわたしに渡したので、わたしがこれを火に投げ入れると、この子牛が出てきたのです」。

出 32:25

 モーセは民がほしいままにふるまったのを見た。アロンは彼らがほしいままにふるまうに任せ、敵の中に物笑いとなったからである。

出 32:26

 モーセは宿営の門に立って言った、「すべて主につく者はわたしのもとにきなさい」。レビの子たちはみな彼のもとに集まった。

出 32:27

 そこでモーセは彼らに言った、「イスラエルの神、主はこう言われる、『あなたがたは、おのおの腰につるぎを帯び、宿営の中を門から門へ行き巡って、おのおのその兄弟、その友、その隣人を殺せ』」。

出 32:28

 レビの子たちはモーセの言葉どおりにしたので、その日、民のうち、おおよそ三千人が倒れた。

出 32:29

 そこで、モーセは言った、「あなたがたは、おのおのその子、その兄弟に逆らって、きょう、主に身をささげた。それで主は、きょう、あなたがたに祝福を与えられるであろう」。

出 32:30

 あくる日、モーセは民に言った、「あなたがたは大いなる罪を犯した。それで今、わたしは主のもとに上って行く。あなたがたの罪を償うことが、できるかも知れない」。

出 32:31

 モーセは主のもとに帰って、そして言った、「ああ、この民は大いなる罪を犯し、自分のために金の神を造りました。

出 32:32

 今もしあなたが、彼らの罪をゆるされますならば――。しかし、もしかなわなければ、どうぞあなたが書きしるされたふみから、わたしの名を消し去ってください」。

出 32:33

 主はモーセに言われた、「すべてわたしに罪を犯した者は、これをわたしのふみから消し去るであろう。

出 32:34

 しかし、今あなたは行って、わたしがあなたに告げたところに民を導きなさい。見よ、わたしの使はあなたに先立って行くであろう。ただし刑罰の日に、わたしは彼らの罪を罰するであろう」。

出 32:35

 そして主は民を撃たれた。彼らが子牛を造ったからである。それはアロンが造ったのである。


第33章


出 33:1

 さて、主はモーセに言われた、「あなたと、あなたがエジプトの国から導きのぼった民とは、ここを立ってわたしがアブラハム、イサク、ヤコブに誓って、『これをあなたの子孫に与える』と言った地にのぼりなさい。

出 33:2

 わたしはひとりの使をつかわしてあなたに先立たせ、カナンびと、アモリびと、ヘテびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとを追い払うであろう。

出 33:3

 あなたがたは乳と蜜の流れる地にのぼりなさい。しかし、あなたがたは、かたくなな民であるから、わたしが道であなたがたを滅ぼすことのないように、あなたがたのうちにあって一緒にはのぼらないであろう」。

出 33:4

 民はこの悪い知らせを聞いて憂い、ひとりもその飾りを身に着ける者はなかった。

出 33:5

 主はモーセに言われた、「イスラエルの人々に言いなさい、『あなたがたは、かたくなな民である。もしわたしが一刻でも、あなたがたのうちにあって、一緒にのぼって行くならば、あなたがたを滅ぼすであろう。ゆえに、今、あなたがたの飾りを身から取り去りなさい。そうすればわたしはあなたがたになすべきことを知るであろう』」。

出 33:6

 それで、イスラエルの人々はホレブ山以来その飾りを取り除いていた。

出 33:7

 モーセは幕屋を取って、これを宿営の外に、宿営を離れて張り、これを会見の幕屋と名づけた。すべて主に伺い事のある者は出て、宿営の外にある会見の幕屋に行った。

出 33:8

 モーセが出て、幕屋に行く時には、民はみな立ちあがり、モーセが幕屋にはいるまで、おのおのその天幕の入口に立って彼を見送った。

出 33:9

 モーセが幕屋にはいると、雲の柱が下って幕屋の入口に立った。そして主はモーセと語られた。

出 33:10

 民はみな幕屋の入口に雲の柱が立つのを見ると、立っておのおの自分の天幕の入口で礼拝した。

出 33:11

 人がその友と語るように、主はモーセと顔を合わせて語られた。こうしてモーセは宿営に帰ったが、その従者なる若者、ヌンの子ヨシュアは幕屋を離れなかった。

出 33:12

 モーセは主に言った、「ごらんください。あなたは『この民を導きのぼれ』とわたしに言いながら、わたしと一緒につかわされる者を知らせてくださいません。しかも、あなたはかつて『わたしはお前を選んだ。お前はまたわたしの前に恵みを得た』と仰せになりました。

出 33:13

 それで今、わたしがもし、あなたの前に恵みを得ますならば、どうか、あなたの道を示し、あなたをわたしに知らせ、あなたの前に恵みを得させてください。また、この国民があなたの民であることを覚えてください」。

出 33:14

 主は言われた「わたし自身が一緒に行くであろう。そしてあなたに安息を与えるであろう」。

出 33:15

 モーセは主に言った「もしあなた自身が一緒に行かれないならば、わたしたちをここからのぼらせないでください。

出 33:16

 わたしとあなたの民とが、あなたの前に恵みを得ることは、何によって知られましょうか。それはあなたがわたしたちと一緒に行かれて、わたしとあなたの民とが、地の面にある諸民と異なるものになるからではありませんか」。

出 33:17

 主はモーセに言われた、「あなたはわたしの前に恵みを得、またわたしは名をもってあなたを知るから、あなたの言ったこの事をもするであろう」。

出 33:18

 モーセは言った、「どうぞ、あなたの栄光をわたしにお示しください」。

出 33:19

 主は言われた、「わたしはわたしのもろもろの善をあなたの前に通らせ、主の名をあなたの前にのべるであろう。わたしは恵もうとする者を恵み、あわれもうとする者をあわれむ」。

出 33:20

 また言われた、「しかし、あなたはわたしの顔を見ることはできない。わたしを見て、なお生きている人はないからである」。

出 33:21

 そして主は言われた、「見よ、わたしのかたわらに一つの所がある。あなたは岩の上に立ちなさい。

出 33:22

 わたしの栄光がそこを通り過ぎるとき、わたしはあなたを岩の裂け目に入れて、わたしが通り過ぎるまで、手であなたをおおうであろう。

出 33:23

 そしてわたしが手をのけるとき、あなたはわたしのうしろを見るが、わたしの顔は見ないであろう」。


第34章


出 34:1

 主はモーセに言われた、「あなたは前のような石の板二枚を、切って造りなさい。わたしはあなたが砕いた初めの板にあった言葉を、その板に書くであろう。

出 34:2

 あなたは朝までに備えをし、朝のうちにシナイ山に登って、山の頂でわたしの前に立ちなさい。

出 34:3

 だれもあなたと共に登ってはならない。また、だれも山の中にいてはならない。また山の前で羊や牛を飼っていてはならない」。

出 34:4

 そこでモーセは前のような石の板二枚を、切って造り、朝早く起きて、主が彼に命じられたようにシナイ山に登った。彼はその手に石の板二枚をとった。

出 34:5

 ときに主は雲の中にあって下り、彼と共にそこに立って主の名を宣べられた。

出 34:6

 主は彼の前を過ぎて宣べられた。「主、主、あわれみあり、恵みあり、怒ることおそく、いつくしみと、まこととの豊かなる神、

出 34:7

 いつくしみを千代までも施し、悪と、とがと、罪とをゆるす者、しかし、罰すべき者をば決してゆるさず、父の罪を子に報い、子の子に報いて、三、四代におよぼす者」。

出 34:8

 モーセは急ぎ地に伏して拝し、

出 34:9

 そして言った、「ああ主よ、わたしがもし、あなたの前に恵みを得ますならば、かたくなな民ですけれども、どうか主がわたしたちのうちにあって一緒に行ってください。そしてわたしたちの悪と罪とをゆるし、わたしたちをあなたのものとしてください」。

出 34:10

 主は言われた、「見よ、わたしは契約を結ぶ。わたしは地のいずこにも、いかなる民のうちにも、いまだ行われたことのない不思議を、あなたのすべての民の前に行うであろう。あなたが共に住む民はみな、主のわざを見るであろう。わたしがあなたのためになそうとすることは、恐るべきものだからである。

出 34:11

 わたしが、きょう、あなたに命じることを守りなさい。見よ、わたしはアモリびと、カナンびと、ヘテびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとを、あなたの前から追い払うであろう。

出 34:12

 あなたが行く国に住んでいる者と、契約を結ばないように、気をつけなければならない。おそらく彼らはあなたのうちにあって、わなとなるであろう。

出 34:13

 むしろあなたがたは、彼らの祭壇を倒し、石の柱を砕き、アシラ像を切り倒さなければならない。

出 34:14

 あなたは他の神を拝んではならない。主はその名を『ねたみ』と言って、ねたむ神だからである。

出 34:15

 おそらくあなたはその国に住む者と契約を結び、彼らの神々を慕って姦淫を行い、その神々に犠牲をささげ、招かれて彼らの犠牲を食べ、

出 34:16

 またその娘たちを、あなたのむすこたちにめとり、その娘たちが自分たちの神々を慕って姦淫を行い、また、あなたのむすこたちをして、彼らの神々を慕わせ、姦淫を行わせるに至るであろう。

出 34:17

 あなたは自分のために鋳物の神々を造ってはならない。

出 34:18

 あなたは種入れぬパンの祭を守らなければならない。すなわち、わたしがあなたに命じたように、アビブの月の定めの時に、七日のあいだ、種入れぬパンを食べなければならない。あなたがアビブの月にエジプトを出たからである。

出 34:19

 すべて初めに生れる者は、わたしのものである。すべてあなたの家畜のういごの雄は、牛も羊もそうである。

出 34:20

 ただし、ろばのういごは小羊であがなわなければならない。もしあがなわないならば、その首を折らなければならない。あなたのむすこのうちのういごは、みなあがなわなければならない。むなし手でわたしの前に出てはならない。

出 34:21

 あなたは六日のあいだ働き、七日目には休まなければならない。耕し時にも、刈入れ時にも休まなければならない。

出 34:22

 あなたは七週の祭、すなわち小麦刈りの初穂の祭を行わなければならない。また年の終りに取り入れの祭を行わなければならない。

出 34:23

 年に三度、男子はみな主なる神、イスラエルの神の前に出なければならない。

出 34:24

 わたしは国々の民をあなたの前から追い払って、あなたの境を広くするであろう。あなたが年に三度のぼって、あなたの神、主の前に出る時には、だれもあなたの国を侵すことはないであろう。

出 34:25

 あなたは犠牲の血を、種を入れたパンと共に供えてはならない。また過越の祭の犠牲を、翌朝まで残して置いてはならない。

出 34:26

 あなたの土地の初穂の最も良いものを、あなたの神、主の家に携えてこなければならない。あなたは子やぎをその母の乳で煮てはならない」。

出 34:27

 また主はモーセに言われた、「これらの言葉を書きしるしなさい。わたしはこれらの言葉に基いて、あなたおよびイスラエルと契約を結んだからである」。

出 34:28

 モーセは主と共に、四十日四十夜、そこにいたが、パンも食べず、水も飲まなかった。そして彼は契約の言葉、十誡を板の上に書いた。

出 34:29

 モーセはそのあかしの板二枚を手にして、シナイ山から下ったが、その山を下ったとき、モーセは、さきに主と語ったゆえに、顔の皮が光を放っているのを知らなかった。

出 34:30

 アロンとイスラエルの人々とがみな、モーセを見ると、彼の顔の皮が光を放っていたので、彼らは恐れてこれに近づかなかった。

出 34:31

 モーセは彼らを呼んだ。アロンと会衆のかしらたちとがみな、モーセのもとに帰ってきたので、モーセは彼らと語った。

出 34:32

 その後、イスラエルの人々がみな近よったので、モーセは主がシナイ山で彼に語られたことを、ことごとく彼らにさとした。

出 34:33

 モーセは彼らと語り終えた時、顔おおいを顔に当てた。

出 34:34

 しかしモーセは主の前に行って主と語る時は、出るまで顔おおいを取り除いていた。そして出て来ると、その命じられた事をイスラエルの人人に告げた。

出 34:35

 イスラエルの人々はモーセの顔を見ると、モーセの顔の皮が光を放っていた。モーセは行って主と語るまで、また顔おおいを顔に当てた。


第35章


出 35:1

 モーセはイスラエルの人々の全会衆を集めて言った、「これは主が行えと命じられた言葉である。

出 35:2

 六日の間は仕事をしなさい。七日目はあなたがたの聖日で、主の全き休みの安息日であるから、この日に仕事をする者はだれでも殺されなければならない。

出 35:3

 安息日にはあなたがたのすまいのどこでも火をたいてはならない」。

出 35:4

 モーセはイスラエルの人々の全会衆に言った、「これは主が命じられたことである。

出 35:5

 あなたがたの持ち物のうちから、主にささげる物を取りなさい。すべて、心から喜んでする者は、主にささげる物を持ってきなさい。すなわち金、銀、青銅。

出 35:6

 青糸、紫糸、緋糸、亜麻糸、やぎの毛糸。

出 35:7

 あかね染めの雄羊の皮、じゅごんの皮、アカシヤ材、

出 35:8

 ともし油、注ぎ油と香ばしい薫香とのための香料、

出 35:9

 縞めのう、エポデと胸当とにはめる宝石。

出 35:10

 すべてあなたがたのうち、心に知恵ある者はきて、主の命じられたものをみな造りなさい。

出 35:11

 すなわち幕屋、その天幕と、そのおおい、その鉤と、その枠、その横木、その柱と、その座、

出 35:12

 箱と、そのさお、贖罪所、隔ての垂幕、

出 35:13

 机と、そのさお、およびそのもろもろの器、供えのパン、

出 35:14

 また、ともしびのための燭台と、その器、ともしび皿と、ともし油、

出 35:15

 香の祭壇と、そのさお、注ぎ油、香ばしい薫香、幕屋の入口のとばり、

出 35:16

 燔祭の祭壇およびその青銅の網、そのさおと、そのもろもろの器、洗盤と、その台、

出 35:17

 庭のあげばり、その柱とその座、庭の門のとばり、

出 35:18

 幕屋の釘、庭の釘およびそのひも、

出 35:19

 聖所における務のための編物の服、すなわち祭司の務をなすための祭司アロンの聖なる服およびその子たちの服」。

出 35:20

 イスラエルの人々の全会衆はモーセの前を去り、

出 35:21

 すべて心に感じた者、すべて心から喜んでする者は、会見の幕屋の作業と、そのもろもろの奉仕と、聖なる服とのために、主にささげる物を携えてきた。

出 35:22

 すなわち、すべて心から喜んでする男女は、鼻輪、耳輪、指輪、首飾り、およびすべての金の飾りを携えてきた。すべて金のささげ物を主にささげる者はそのようにした。

出 35:23

 すべて青糸、紫糸、緋糸、亜麻糸、やぎの毛糸、あかね染めの雄羊の皮、じゅごんの皮を持っている者は、それを携えてきた。

出 35:24

 すべて銀、青銅のささげ物をささげることのできる者は、それを主にささげる物として携えてきた。また、すべて組立ての工事に用いるアカシヤ材を持っている者は、それを携えてきた。

出 35:25

 また、すべて心に知恵ある女たちは、その手をもって紡ぎ、その紡いだ青糸、紫糸、緋糸、亜麻糸を携えてきた。

出 35:26

 すべて知恵があって、心に感じた女たちは、やぎの毛を紡いだ。

出 35:27

 また、かしらたちは縞めのう、およびエポデと胸当にはめる宝石を携えてきた。

出 35:28

 また、ともしびと、注ぎ油と、香ばしい薫香のための香料と、油とを携えてきた。

出 35:29

 このようにイスラエルの人々は自発のささげ物を主に携えてきた。すなわち主がモーセによって、なせと命じられたすべての工作のために、物を携えてこようと、心から喜んでする男女はみな、そのようにした。

出 35:30

 モーセはイスラエルの人々に言った、「見よ、主はユダの部族に属するホルの子なるウリの子ベザレルを名ざして召し、

出 35:31

 彼に神の霊を満たして、知恵と悟りと知識と諸種の工作に長ぜしめ、

出 35:32

 工夫を凝らして金、銀、青銅の細工をさせ、

出 35:33

 また宝石を切りはめ、木を彫刻するなど、諸種の工作をさせ、

出 35:34

 また人を教えうる力を、彼の心に授けられた。彼とダンの部族に属するアヒサマクの子アホリアブとが、それである。

出 35:35

 主は彼らに知恵の心を満たして、諸種の工作をさせられた。すなわち彫刻、浮き織および青糸、紫糸、緋糸、亜麻糸の縫取り、また機織など諸種の工作をさせ、工夫を凝らして巧みなわざをさせられた。


第36章


出 36:1

 ベザレルとアホリアブおよびすべて心に知恵ある者、すなわち主が知恵と悟りとを授けて、聖所の組立ての諸種の工事を、いかになすかを知らせられた者は、すべて主が命じられたようにしなければならない」。

出 36:2

 そこで、モーセはベザレルとアホリアブおよびすべて心に知恵ある者、すなわち、その心に主が知恵を授けられた者、またきて、その工事をなそうと心に望むすべての者を召し寄せた。

出 36:3

 彼らは聖所の組立ての工事をするために、イスラエルの人々が携えてきたもろもろのささげ物を、モーセから受け取ったが、民はなおも朝ごとに、自発のささげ物を彼のもとに携えてきた。

出 36:4

 そこで聖所のもろもろの工事をする賢い人々はみな、おのおのしていた工事をやめて、

出 36:5

 モーセに言った「民があまりに多く携えて来るので、主がせよと命じられた組立ての工事には余ります」。

出 36:6

 モーセは命令を発し、宿営中にふれさせて言った、「男も女も、もはや聖所のために、ささげ物をするに及ばない」。それで民は携えて来ることをやめた。

出 36:7

 材料はすべての工事をするのにじゅうぶんで、かつ余るからである。

出 36:8

 すべて工作をする者のうちの心に知恵ある者は、十枚の幕で幕屋を造った。すなわち亜麻の撚糸、青糸、紫糸、緋糸で造り、巧みなわざをもって、それにケルビムを織り出した。

出 36:9

 幕の長さは、おのおの二十八キュビト、幕の幅は、おのおの四キュビトで、幕はみな同じ寸法である。

出 36:10

 その幕五枚を互に連ね合わせ、また他の五枚の幕をも互に連ね合わせ、

出 36:11

 その一連の端にある幕の縁に青色の乳をつけ、他の一連の端にある幕の縁にも、そのようにした。

出 36:12

 その一枚の幕に乳五十をつけ、他の一連の幕の端にも、乳五十をつけた。その乳を互に相向かわせた。

出 36:13

 そして金の輪五十を作り、その輪で、幕を互に連ね合わせたので、一つの幕屋になった。

出 36:14

 また、やぎの毛糸で幕を作り、幕屋をおおう天幕にした。すなわち幕十一枚を作った。

出 36:15

 おのおのの幕の長さは三十キュビト、おのおのの幕の幅は四キュビトで、その十一枚の幕は同じ寸法である。

出 36:16

 そして、その幕五枚を一つに連ね合わせ、また、その幕六枚を一つに連ね合わせ、

出 36:17

 その一連の端にある幕の縁に、乳五十をつけ、他の一連の幕の縁にも、乳五十をつけた。

出 36:18

 そして、青銅の輪五十を作り、その天幕を連ね合わせて一つにした。

出 36:19

 また、あかね染めの雄羊の皮で、天幕のおおいと、じゅごんの皮で、その上にかけるおおいとを作った。

出 36:20

 また幕屋のためにアカシヤ材をもって、立枠を造った。

出 36:21

 枠の長さは十キュビト、枠の幅は、おのおの一キュビト半とし、

出 36:22

 枠ごとに二つの柄を造って、かれとこれとをくい合わせ、幕屋のすべての枠にこのようにした。

出 36:23

 幕屋のために枠を造った。すなわち南側のために枠二十を造った。

出 36:24

 その二十の枠の下に銀の座四十を造って、この枠の下に、その二つの柄のために二つの座を置き、かの枠の下にも、その二つの柄のために二つの座を置いた。

出 36:25

 また幕屋の他の側、すなわち北側のためにも枠二十を造った。

出 36:26

 その銀の座四十を造って、この枠の下にも二つの座を置き、かの枠の下にも二つの座を置いた。

出 36:27

 また幕屋のうしろ、西側のために枠六つを造り、

出 36:28

 幕屋のうしろの二つのすみのために枠二つを造った。

出 36:29

 これらは、下で重なり合い、同じくその頂でも第一の環まで重なり合うようにし、その二つとも二つのすみのために、そのように造った。

出 36:30

 こうして、その枠は八つ、その銀の座は十六、おのおのの枠の下に、二つずつ座があった。

出 36:31

 またアカシヤ材の横木を造った。すなわち幕屋のこの側の枠のために五つ、

出 36:32

 また幕屋のかの側の枠のために横木五つ、幕屋のうしろの西側の枠のために横木五つを造った。

出 36:33

 枠のまん中にある中央の横木は、端から端まで通るようにした。

出 36:34

 そして、その枠を金でおおい、また横木を通すその環を金で造り、またその横木を金でおおった。

出 36:35

 また青糸、紫糸、緋糸、亜麻の撚糸で、垂幕を作り、巧みなわざをもって、それにケルビムを織り出した。

出 36:36

 また、これがためにアカシヤ材の柱四本を作り、金でこれをおおい、その鉤を金にし、その柱のために銀の座四つを鋳た。

出 36:37

 また幕屋の入口のために青糸、紫糸、緋糸、亜麻の撚糸で、色とりどりに織ったとばりを作った。

出 36:38

 その柱五本と、その鉤とを造り、その柱の頭と桁とを金でおおった。ただし、その五つの座は青銅であった。


第37章


出 37:1

 ベザレルはアカシヤ材の箱を造った。長さは二キュビト半、幅は一キュビト半、高さは一キュビト半である。

出 37:2

 純金で、内そとをおおい、その周囲に金の飾り縁を造った。

出 37:3

 また金の環四つを鋳て、その四すみに取りつけた。すなわち二つの環をこちら側に、二つの環をあちら側に取りつけた。

出 37:4

 またアカシヤ材のさおを造り、金でこれをおおい、

出 37:5

 そのさおを箱の側面の環に通して、箱をかつぐようにした。

出 37:6

 また純金で贖罪所を造った。長さは二キュビト半、幅は一キュビト半である。

出 37:7

 また金で、二つのケルビムを造った。すなわち、これを打物造りとし、贖罪所の両端に置いた。

出 37:8

 一つのケルブをこの端に、一つのケルブをかの端に置いた。すなわちケルビムを贖罪所の一部として、その両端に造った。

出 37:9

 ケルビムは翼を高く伸べ、その翼で贖罪所をおおい、顔は互に向かい合った。すなわちケルビムの顔は贖罪所に向かっていた。

出 37:10

 またアカシヤ材で、机を造った。長さは二キュビト、幅は一キュビト、高さは一キュビト半である。

出 37:11

 純金でこれをおおい、その周囲に金の飾り縁を造った。

出 37:12

 またその周囲に手幅の棧を造り、その周囲の棧に金の飾り縁を造った。

出 37:13

 またこれがために金の環四つを鋳て、その四つの足のすみ四か所にその環を取りつけた。

出 37:14

 その環は棧のわきにあって、机をかつぐさおを入れる所とした。

出 37:15

 またアカシヤ材で、机をかつぐさおを造り、金でこれをおおった。

出 37:16

 また机の上の器、すなわちその皿、乳香を盛る杯および灌祭を注ぐための鉢と瓶とを純金で造った。

出 37:17

 また純金の燭台を造った。すなわち打物造りで燭台を造り、その台、幹、萼、節、花を一つに連ねた。

出 37:18

 また六つの枝をそのわきから出させた。すなわち燭台の三つの枝をこの側から、燭台の三つの枝をかの側から出させた。

出 37:19

 あめんどうの花の形をした三つの萼が、節と花とをもって、この枝にあり、また、あめんどうの花の形をした三つの萼が、節と花とをもって、かの枝にあり、燭台から出る六つの枝をみなそのようにした。

出 37:20

 また燭台の幹には、あめんどうの花の形をした四つの萼を、その節と花とをもたせて取りつけた。

出 37:21

 また二つの枝の下に一つの節を取りつけ、次の二つの枝の下に一つの節を取りつけ、さらに次の二つの枝の下に一つの節を取りつけ、燭台の幹から出る六つの枝に、みなそのようにした。

出 37:22

 それらの節と枝を一つに連ね、ことごとく純金の打物造りとした。

出 37:23

 また、それのともしび皿七つと、その芯切りばさみと、芯取り皿とを純金で造った。

出 37:24

 すなわち純金一タラントをもって、燭台とそのすべての器とを造った。

出 37:25

 またアカシヤ材で香の祭壇を造った。長さ一キュビト、幅一キュビトの四角にし、高さ二キュビトで、これにその一部として角をつけた。  

出 37:26

 そして、その頂、その周囲の側面、その角を純金でおおい、その周囲に金の飾り縁を造った。

出 37:27

 また、その両側に、飾り縁の下に金の環二つを、そのために造った。すなわちその二つの側にこれを造った。これはそれをかつぐさおを通す所である。

出 37:28

 そのさおはアカシヤ材で造り、金でこれをおおった。

出 37:29

 また香料を造るわざにしたがって、聖なる注ぎ油と純粋の香料の薫香とを造った。


第38章


出 38:1

 またアカシヤ材で燔祭の祭壇を造った。長さ五キュビト、幅五キュビトの四角で、高さは三キュビトである。

出 38:2

 その四すみの上に、その一部とし、それの角を造り、青銅で祭壇をおおった。

出 38:3

 また祭壇のもろもろの器、すなわち、つぼ、十能、鉢、肉叉、火皿を造った。そのすべての器を青銅で造った。

出 38:4

 また祭壇のために、青銅の網細工の格子を造り、これを祭壇の出張りの下に取りつけて、祭壇の高さの半ばに達するようにした。

出 38:5

 また青銅の格子の四すみのために、環四つを鋳て、さおを通す所とした。

出 38:6

 アカシヤ材で、そのさおを造り、青銅でこれをおおい、

出 38:7

 そのさおを祭壇の両側にある環に通して、それをかつぐようにした。祭壇は板をもって、空洞に造った。

出 38:8

 また洗盤と、その台を青銅で造った。すなわち会見の幕屋の入口で務をなす女たちの鏡をもって造った。

出 38:9

 また庭を造った。その南側のために百キュビトの亜麻の撚糸の庭のあげばりを設けた。

出 38:10

 その柱は二十、その柱の二十の座は青銅で、その柱の鉤と桁は銀とした。

出 38:11

 また北側のためにも百キュビトのあげばりを設けた。その柱二十、その柱の二十の座は青銅で、その柱の鉤と桁は銀とした。

出 38:12

 また西側のために、五十キュビトのあげばりを設けた。その柱は十、その座も十で、その柱の鉤と桁は銀とした。

出 38:13

 また東側のためにも、五十キュビトのあげばりを設けた。

出 38:14

 その一方に十五キュビトのあげばりを設けた。その柱は三つ、その座も三つ。

出 38:15

 また他の一方にも、同じようにした。すなわち庭の門のこなたかなたともに、十五キュビトのあげばりを設けた。その柱は三つ、その座も三つ。

出 38:16

 庭の周囲のあげばりはみな亜麻の撚糸である。

出 38:17

 柱の座は青銅、柱の鉤と桁とは銀、柱の頭のおおいも銀である。庭の柱はみな銀の桁で連ねた。

出 38:18

 庭の門のとばりは青糸、紫糸、緋糸、亜麻の撚糸で、色とりどりに織ったものであった。長さは二十キュビト、幅なる高さは五キュビトで、庭のあげばりと等しかった。

出 38:19

 その柱は四つ、その座も四つで、ともに青銅。その鉤は銀、柱の頭のおおいと桁は銀である。

出 38:20

 ただし、幕屋および、その周囲の庭の釘はみな青銅であった。

出 38:21

 幕屋、すなわちあかしの幕屋に用いた物の総計は次のとおりである。すなわちモーセの命に従い、祭司アロンの子イタマルがレビびとを用いて量ったものである。

出 38:22

 ユダの部族に属するホルの子なるウリの子ベザレルは、主がモーセに命じられた事をことごとくした。

出 38:23

 ダンの部族に属するアヒサマクの子アホリアブは彼と共にあって彫刻、浮き織をなし、また青糸、紫糸、緋糸、亜麻糸で、縫取りをする者であった。

出 38:24

 聖所のもろもろの工作に用いたすべての金、すなわち、ささげ物なる金は聖所のシケルで、二十九タラント七百三十シケルであった。

出 38:25

 会衆のうちの数えられた者のささげた銀は聖所のシケルで、百タラント千七百七十五シケルであった。

出 38:26

 これはひとり当り一ベカ、すなわち聖所のシケルの半シケルであって、すべて二十歳以上で数えられた者が六十万三千五百五十人であったからである。

出 38:27

 聖所の座と垂幕の座とを鋳るために用いた銀は百タラントであった。すなわち百座につき百タラント、一座につき一タラントである。

出 38:28

 また千七百七十五シケルで柱の鉤を造り、また柱の頭をおおい、柱のために桁を造った。

出 38:29

 ささげ物なる青銅は七十タラント二千四百シケルであった。

出 38:30

 これを用いて会見の幕屋の入口の座、青銅の祭壇と、それにつく青銅の格子、および祭壇のもろもろの器を造った。

出 38:31

 また庭の周囲の座、庭の門の座、および幕屋のもろもろの釘と、庭の周囲のもろもろの釘を造った。


第39章


出 39:1

 彼らは青糸、紫糸、緋糸で、聖所の務のための編物の服を作った。またアロンのために聖なる服を作った。主がモーセに命じられたとおりである。

出 39:2

 また金糸、青糸、紫糸、緋糸、亜麻の撚糸でエポデを作った。

出 39:3

 また金を打ち延べて板とし、これを切って糸とし、青糸、紫糸、緋糸、亜麻の撚糸に交えて、巧みな細工とした。

出 39:4

 また、これがために肩ひもを作ってこれにつけ、その両端でこれにつけた。

出 39:5

 エポデの上で、これをつかねる帯は、同じきれで、同じように、金糸、青糸、紫糸、緋糸、亜麻の撚糸で作った。主がモーセに命じられたとおりである。

出 39:6

 また、縞めのうを細工して、金糸の編細工にはめ、これに印を彫刻するように、イスラエルの子たちの名を刻み、

出 39:7

 これをエポデの肩ひもにつけて、イスラエルの子たちの記念の石とした。主がモーセに命じられたとおりである。

出 39:8

 また胸当を巧みなわざをもって、エポデの作りのように作った。すなわち金糸、青糸、紫糸、緋糸、亜麻の撚糸で作った。

出 39:9

 胸当は二つに折って四角にした。すなわち二つに折って、長さを一指当りとし、幅も一指当りとした。

出 39:10

 その中に宝石四列をはめた。すなわち、紅玉髄、貴かんらん石、水晶の列を第一列とし、

出 39:11

 第二列は、ざくろ石、るり、赤縞めのう、

出 39:12

 第三列は黄水晶、めのう、紫水晶、

出 39:13

 第四列は黄碧玉、縞めのう、碧玉であって、これらを金の編細工の中にはめ込んだ。

出 39:14

 その宝石はイスラエルの子たちの名にしたがい、その名と等しく十二とし、おのおの印の彫刻のように、十二部族のためにその名を刻んだ。

出 39:15

 またひも細工にねじた純金のくさりを胸当につけた。

出 39:16

 また金の二つの編細工と、二つの金の環とを作り、その二つの環を胸当の両端につけた。

出 39:17

 かの二筋の金のひもを胸当の端の二つの環につけた。

出 39:18

 ただし、その二筋のひもの他の両端を、かの二つの編細工につけ、エポデの肩ひもにつけて前にくるようにした。

出 39:19

 また二つの金の環を作って、これを胸当の両端につけた。すなわちエポデに接する内側の縁にこれをつけた。

出 39:20

 また金の環二つを作って、これをエポデの二つの肩ひもの下の部分につけ、前の方で、そのつなぎ目に近く、エポデの帯の上の方にくるようにした。

出 39:21

 胸当は青ひもをもって、その環をエポデの環に結びつけ、エポデの帯の上の方にくるようにした。こうして、胸当がエポデから離れないようにした。主がモーセに命じられたとおりである。

出 39:22

 またエポデに属する上服は、すべて青地の織物で作った。

出 39:23

 上服の口はそのまん中にあって、その口の周囲には、よろいのえりのように縁をつけて、ほころびないようにした。

出 39:24

 上服のすそには青糸、紫糸、緋糸、亜麻の撚糸で、ざくろを作りつけ、

出 39:25

 また純金で鈴を作り、その鈴を上服のすその周囲の、ざくろとざくろとの間につけた。

出 39:26

 すなわち鈴にざくろ、鈴にざくろと、務の上服のすその周囲につけた。主がモーセに命じられたとおりである。

出 39:27

 またアロンとその子たちのために、亜麻糸で織った下服を作り、

出 39:28

 亜麻布で帽子を作り、亜麻布で麗しい頭布を作り、亜麻の撚糸の布で、下ばきを作り、

出 39:29

 亜麻の撚糸および青糸、紫糸、緋糸で、色とりどりに織った帯を作った。主がモーセに命じられたとおりである。

出 39:30

 また純金をもって、聖なる冠の前板を作り、印の彫刻のように、その上に「主に聖なる者」という文字を書き、

出 39:31

 これに青ひもをつけて、それを帽子の上に結びつけた。主がモーセに命じられたとおりである。

出 39:32

 こうして会見の天幕なる幕屋の、もろもろの工事が終った。イスラエルの人々はすべて主がモーセに命じられたようにおこなった。

出 39:33

 彼らは幕屋と天幕およびそのもろもろの器をモーセのもとに携えてきた。すなわち、その鉤、その枠、その横木、その柱、その座、

出 39:34

 あかね染めの雄羊の皮のおおい、じゅごんの皮のおおい、隔ての垂幕、

出 39:35

 あかしの箱と、そのさお、贖罪所、

出 39:36

 机と、そのもろもろの器、供えのパン、

出 39:37

 純金の燭台と、そのともしび皿、すなわち列に並べるともしび皿と、そのもろもろの器、およびそのともし油、

出 39:38

 金の祭壇、注ぎ油、香ばしい薫香、幕屋の入口のとばり、

出 39:39

 青銅の祭壇、その青銅の格子と、そのさお、およびそのもろもろの器、洗盤とその台、

出 39:40

 庭のあげばり、その柱とその座、庭の門のとばり、そのひもとその釘、また会見の天幕の幕屋に用いるもろもろの器、

出 39:41

 聖所で務をなす編物の服、すなわち祭司の務をなすための祭司アロンの聖なる服およびその子たちの服。

出 39:42

 イスラエルの人々は、すべて主がモーセに命じられたように、そのすべての工事をした。

出 39:43

 モーセがそのすべての工事を見ると、彼らは主が命じられたとおりに、それをなしとげていたので、モーセは彼らを祝福した。


第40章


出 40:1

 主はモーセに言われた。

出 40:2

 「正月の元日にあなたは会見の天幕なる幕屋を建てなければならない。

出 40:3

 そして、その中にあかしの箱を置き、垂幕で、箱を隔て隠し、

出 40:4

 また、机を携え入れ、それに並べるものを並べ、燭台を携え入れて、そのともしびをともさなければならない。

出 40:5

 あなたはまた金の香の祭壇を、あかしの箱の前にすえ、とばりを幕屋の入口にかけなければならない。

出 40:6

 また燔祭の祭壇を会見の天幕なる幕屋の入口の前にすえ、

出 40:7

 洗盤を会見の天幕と祭壇との間にすえて、これに水を入れなければならない。

出 40:8

 また周囲に庭を設け、庭の門にとばりをかけなければならない。

出 40:9

 そして注ぎ油をとって、幕屋とその中のすべてのものに注ぎ、それとそのもろもろの器とを聖別しなければならない、こうして、それは聖となるであろう。

出 40:10

 あなたはまた燔祭の祭壇と、そのすべての器に油を注いで、その祭壇を聖別しなければならない。こうして祭壇は、いと聖なるものとなるであろう。

出 40:11

 また洗盤と、その台とに油を注いで、これを聖別し、

出 40:12

 アロンとその子たちを会見の幕屋の入口に連れてきて、水で彼らを洗い、

出 40:13

 アロンに聖なる服を着せ、これに油を注いで聖別し、祭司の務をさせなければならない。

出 40:14

 また彼の子たちを連れてきて、これに服を着せ、

出 40:15

 その父に油を注いだように、彼らにも油を注いで、祭司の務をさせなければならない。彼らが油そそがれることは、代々ながく祭司職のためになすべきことである」。

出 40:16

 モーセはそのように行った。すなわち主が彼に命じられたように行った。

出 40:17

 第二年の正月になって、その月の元日に幕屋は建った。

出 40:18

 すなわちモーセは幕屋を建て、その座をすえ、その枠を立て、その横木をさし込み、その柱を立て、

出 40:19

 幕屋の上に天幕をひろげ、その上に天幕のおおいをかけた。主がモーセに命じられたとおりである。

出 40:20

 彼はまたあかしの板をとって箱に納め、さおを箱につけ、贖罪所を箱の上に置き、

出 40:21

 箱を幕屋に携え入れ、隔ての垂幕をかけて、あかしの箱を隠した。主がモーセに命じられたとおりである。

出 40:22

 彼はまた会見の天幕なる幕屋の内部の北側、垂幕の外に机をすえ、

出 40:23

 その上にパンを列に並べて、主の前に供えた。主がモーセに命じられたとおりである。

出 40:24

 彼はまた会見の天幕なる幕屋の内部の南側に、机にむかい合わせて燭台をすえ、

出 40:25

 主の前にともしびをともした。主がモーセに命じられたとおりである。

出 40:26

 彼は会見の幕屋の中、垂幕の前に金の祭壇をすえ、

出 40:27

 その上に香ばしい薫香をたいた。主がモーセに命じられたとおりである。

出 40:28

 彼はまた幕屋の入口にとばりをかけ、

出 40:29

 燔祭の祭壇を会見の天幕なる幕屋の入口にすえ、その上に燔祭と素祭をささげた。主がモーセに命じられたとおりである。

出 40:30

 彼はまた会見の天幕と祭壇との間に洗盤を置き、洗うためにそれに水を入れた。

出 40:31

 モーセとアロンおよびその子たちは、それで手と足を洗った。

出 40:32

 すなわち会見の天幕にはいるとき、また祭壇に近づくとき、そこで洗った。主がモーセに命じられたとおりである。

出 40:33

 また幕屋と祭壇の周囲に庭を設け、庭の門にとばりをかけた。このようにしてモーセはその工事を終えた。

出 40:34

 そのとき、雲は会見の天幕をおおい、主の栄光が幕屋に満ちた。

出 40:35

 モーセは会見の幕屋に、はいることができなかった。雲がその上にとどまり、主の栄光が幕屋に満ちていたからである。

出 40:36

 雲が幕屋の上からのぼる時、イスラエルの人々は道に進んだ。彼らはその旅路において常にそうした。

出 40:37

 しかし、雲がのぼらない時は、そののぼる日まで道に進まなかった。

出 40:38

 すなわちイスラエルの家のすべての者の前に、昼は幕屋の上に主の雲があり、夜は雲の中に火があった。彼らの旅路において常にそうであった。