第1章
イザ 1:1
アモツの子イザヤがユダの王ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの世にユダとエルサレムについて見た幻。
イザ 1:2
天よ、聞け、地よ、耳を傾けよ、主が次のように語られたから、「わたしは子を養い育てた、しかし彼らはわたしにそむいた。
イザ 1:3
牛はその飼主を知り、ろばはその主人のまぐさおけを知る。しかしイスラエルは知らず、わが民は悟らない」。
イザ 1:4
ああ、罪深い国びと、不義を負う民、悪をなす者のすえ、堕落せる子らよ。彼らは主を捨て、イスラエルの聖者をあなどり、これをうとんじ遠ざかった。
イザ 1:5
あなたがたは、どうして重ね重ねそむいて、なおも打たれようとするのか。その頭はことごとく病み、その心は全く弱りはてている。
イザ 1:6
足のうらから頭まで、完全なところがなく、傷と打ち傷と生傷ばかりだ。これを絞り出すものなく、包むものなく、油をもってやわらげるものもない。
イザ 1:7
あなたがたの国は荒れすたれ、町々は火で焼かれ、田畑のものはあなたがたの前で外国人に食われ、滅ぼされたソドムのように荒れすたれた。
イザ 1:8
シオンの娘はぶどう畑の仮小屋のように、きゅうり畑の番小屋のように、包囲された町のように、ただひとり残った。
イザ 1:9
もし万軍の主が、われわれに少しの生存者を残されなかったなら、われわれはソドムのようになり、またゴモラと同じようになったであろう。
イザ 1:10
あなたがたソドムのつかさたちよ、主の言葉を聞け。あなたがたゴモラの民よ、われわれの神の教に耳を傾けよ。
イザ 1:11
主は言われる、「あなたがたがささげる多くの犠牲は、わたしになんの益があるか。わたしは雄羊の燔祭と、肥えた獣の脂肪とに飽いている。わたしは雄牛あるいは小羊、あるいは雄やぎの血を喜ばない。
イザ 1:12
あなたがたは、わたしにまみえようとして来るが、だれが、わたしの庭を踏み荒すことを求めたか。
イザ 1:13
あなたがたは、もはや、むなしい供え物を携えてきてはならない。薫香は、わたしの忌みきらうものだ。新月、安息日、また会衆を呼び集めること――わたしは不義と聖会とに耐えられない。
イザ 1:14
あなたがたの新月と定めの祭とは、わが魂の憎むもの、それはわたしの重荷となり、わたしは、それを負うのに疲れた。
イザ 1:15
あなたがたが手を伸べるとき、わたしは目をおおって、あなたがたを見ない。たとい多くの祈をささげても、わたしは聞かない。あなたがたの手は血まみれである。
イザ 1:16
あなたがたは身を洗って、清くなり、わたしの目の前からあなたがたの悪い行いを除き、悪を行うことをやめ、
イザ 1:17
善を行うことをならい、公平を求め、しえたげる者を戒め、みなしごを正しく守り、寡婦の訴えを弁護せよ。
イザ 1:18
主は言われる、さあ、われわれは互に論じよう。たといあなたがたの罪は緋のようであっても、雪のように白くなるのだ。紅のように赤くても、羊の毛のようになるのだ。
イザ 1:19
もし、あなたがたが快く従うなら、地の良き物を食べることができる。
イザ 1:20
しかし、あなたがたが拒みそむくならば、つるぎで滅ぼされる」。これは主がその口で語られたことである。
イザ 1:21
かつては忠信であった町、どうして遊女となったのか。昔は公平で満ち、正義がそのうちにやどっていたのに、今は人を殺す者ばかりとなってしまった。
イザ 1:22
あなたの銀はかすとなり、あなたのぶどう酒は水をまじえ、
イザ 1:23
あなたのつかさたちはそむいて、盗びとの仲間となり、みな、まいないを好み、贈り物を追い求め、みなしごを正しく守らず、寡婦の訴えは彼らに届かない。
イザ 1:24
このゆえに、主、万軍の主、イスラエルの全能者は言われる、「ああ、わたしはわが敵にむかって憤りをもらし、わがあだにむかって恨みをはらす。
イザ 1:25
わたしはまた、わが手をあなたに向け、あなたのかすを灰汁で溶かすように溶かし去り、あなたの混ざり物をすべて取り除く。
イザ 1:26
こうして、あなたのさばきびとをもとのとおりに、あなたの議官を初めのとおりに回復する。その後あなたは正義の都、忠信の町ととなえられる」。
イザ 1:27
シオンは公平をもってあがなわれ、そのうちの悔い改める者は、正義をもってあがなわれる。
イザ 1:28
しかし、そむく者と罪びととは共に滅ぼされ、主を捨てる者は滅びうせる。
イザ 1:29
あなたがたは、みずから喜んだかしの木によって、はずかしめを受け、みずから選んだ園によって、恥じ赤らむ。
イザ 1:30
あなたがたは葉の枯れるかしの木のように、水のない園のようになり、
イザ 1:31
強い者も麻くずのように、そのわざは火花のようになり、その二つのものは共に燃えて、それを消す者はない。
第2章
イザ 2:1
アモツの子イザヤがユダとエルサレムについて示された言葉。
イザ 2:2
終りの日に次のことが起る。主の家の山は、もろもろの山のかしらとして堅く立ち、もろもろの峰よりも高くそびえ、すべて国はこれに流れてき、
イザ 2:3
多くの民は来て言う、「さあ、われわれは主の山に登り、ヤコブの神の家へ行こう。彼はその道をわれわれに教えられる、われわれはその道に歩もう」と。律法はシオンから出、主の言葉はエルサレムから出るからである。
イザ 2:4
彼はもろもろの国のあいだにさばきを行い、多くの民のために仲裁に立たれる。こうして彼らはそのつるぎを打ちかえて、すきとし、そのやりを打ちかえて、かまとし、国は国にむかって、つるぎをあげず、彼らはもはや戦いのことを学ばない。
イザ 2:5
ヤコブの家よ、さあ、われわれは主の光に歩もう。
イザ 2:6
あなたはあなたの民ヤコブの家を捨てられた。これは彼らが東の国からの占い師をもって満たし、ペリシテびとのように占い者となり、外国人と同盟を結んだからである。
イザ 2:7
彼らの国には金銀が満ち、その財宝は限りない。また彼らの国には馬が満ち、その戦車も限りない。
イザ 2:8
また彼らの国には偶像が満ち、彼らはその手のわざを拝み、その指で作ったものを拝む。
イザ 2:9
こうして人はかがめられ、人々は低くされる。どうか彼らをおゆるしにならぬように。
イザ 2:10
あなたは岩の間にはいり、ちりの中にかくれて、主の恐るべきみ前と、その威光の輝きとを避けよ。
イザ 2:11
その日には目をあげて高ぶる者は低くせられ、おごる人はかがめられ、主のみ高くあげられる。
イザ 2:12
これは、万軍の主の一日があって、すべて誇る者と高ぶる者、すべておのれを高くする者と得意な者とに/臨むからである。
イザ 2:13
またレバノンの高くそびえるすべての香柏、バシャンのすべてのかしの木、
イザ 2:14
またすべての高い山々、すべてのそびえ立つ峰々、
イザ 2:15
すべての高きやぐら、すべての堅固な城壁、
イザ 2:16
タルシシのすべての船、すべての麗しい船舶に臨む。
イザ 2:17
その日には高ぶる者はかがめられ、おごる人は低くせられ、主のみ高くあげられる。
イザ 2:18
こうして偶像はことごとく滅びうせる。
イザ 2:19
主が立って地を脅かされるとき、人々は岩のほら穴にはいり、また地の穴にはいって、主の恐るべきみ前と、その威光の輝きとを避ける。
イザ 2:20
その日、人々は拝むためにみずから造った/しろがねの偶像と、こがねの偶像とを、もぐらもちと、こうもりに投げ与え、
イザ 2:21
岩のほら穴や、がけの裂け目にはいり、主が立って地を脅かされるとき、主の恐るべきみ前と、その威光の輝きとを避ける。
イザ 2:22
あなたがたは鼻から息の出入りする人に、たよることをやめよ、このような者はなんの価値があろうか。
第3章
イザ 3:1
見よ、主、万軍の主は/エルサレムとユダから/ささえとなり、頼みとなるもの――すべてささえとなるパン、すべてささえとなる水――を取り去られる。
イザ 3:2
すなわち勇士と軍人、裁判官と預言者、占い師と長老、
イザ 3:3
五十人の長と身分の高い人、議官と巧みな魔術師、老練なまじない師を取り去られる。
イザ 3:4
わたしはわらべを立てて彼らの君とし、みどりごに彼らを治めさせる。
イザ 3:5
民は互に相しえたげ、人はおのおのその隣をしえたげ、若い者は老いたる者にむかって高ぶり、卑しい者は尊い者にむかって高ぶる。
イザ 3:6
その時、人はその父の家で、兄弟をつかまえて言う、「あなたは外套を持っている、わたしたちのつかさびとになって、この荒れ跡をあなたの手で治めてください」と。
イザ 3:7
その日、彼は声をあげて言う、「わたしはいやす者となることはできません、わたしの家にはパンもなく、外套もありません、わたしを立てて、民のつかさびとにしないでください」。
イザ 3:8
これは彼らの言葉と行いとが主にそむき、その栄光の目をおかしたので、エルサレムはつまずき、ユダは倒れたからである。
イザ 3:9
彼らの不公平は彼らにむかって不利なあかしをし、ソドムのようにその罪をあらわして隠さない。わざわいなるかな、彼らはみずから悪の報いをうけた。
イザ 3:10
正しい人に言え、彼らはさいわいであると。彼らはその行いの実を食べるからである。
イザ 3:11
悪しき者はわざわいだ、彼は災をうける。その手のなした事が彼に報いられるからである。
イザ 3:12
わが民は幼な子にしえたげられ、女たちに治められる。ああ、わが民よ、あなたを導く者は/かえって、あなたを迷わせ、あなたの行くべき道を混乱させる。
イザ 3:13
主は言い争うために立ちあがり、その民をさばくために立たれる。
イザ 3:14
主はその民の長老と君たちとをさばいて、「あなたがたは、ぶどう畑を食い荒した。貧しい者からかすめとった物は、あなたがたの家にある。
イザ 3:15
なぜ、あなたがたはわが民を踏みにじり、貧しい者の顔をすり砕くのか」と/万軍の神、主は言われる。
イザ 3:16
主は言われた、シオンの娘らは高ぶり、首をのばしてあるき、目でこびをおくり、その行くとき気どって歩き、その足でりんりんと鳴り響かす。
イザ 3:17
それゆえ、主はシオンの娘らの頭を/撃って、かさぶたでおおい、彼らの隠れた所をあらわされる。
イザ 3:18
その日、主は彼らの美しい装身具と服装すなわち、くるぶし輪、髪ひも、月形の飾り、
イザ 3:19
耳輪、腕輪、顔おおい、
イザ 3:20
頭飾り、すね飾り、飾り帯、香箱、守り袋、
イザ 3:21
指輪、鼻輪、
イザ 3:22
礼服、外套、肩掛、手さげ袋、
イザ 3:23
薄織の上着、亜麻布の着物、帽子、被衣などを取り除かれる。
イザ 3:24
芳香はかわって、悪臭となり、帯はかわって、なわとなり、よく編んだ髪はかわって、かぶろとなり、はなやかな衣はかわって、荒布の衣となり、美しい顔はかわって、焼き印された顔となる。
イザ 3:25
あなたの男たちはつるぎに倒れ、あなたの勇士たちは戦いに倒れる。
イザ 3:26
シオンの門は嘆き悲しみ、シオンは荒れすたれて、地に座する。
第4章
イザ 4:1
その日、七人の女がひとりの男にすがって、「わたしたちは自分のパンをたべ、自分の着物を着ます。ただ、あなたの名によって呼ばれることを許して、わたしたちの恥を取り除いてください」と言う。
イザ 4:2
その日、主の枝は麗しく栄え、地の産物はイスラエルの生き残った者の誇、また光栄となる。
イザ 4:3
そして主が審判の霊と滅亡の霊とをもって、シオンの娘らの汚れを洗い、エルサレムの血をその中から除き去られるとき、シオンに残る者、エルサレムにとどまる者、すべてエルサレムにあって、生命の書にしるされた者は聖なる者ととなえられる。
イザ 4:4
(3節に合節)
イザ 4:5
その時、主はシオンの山のすべての場所と、そのもろもろの集会との上に、昼は雲をつくり、夜は煙と燃える火の輝きとをつくられる。これはすべての栄光の上にある天蓋であり、あずまやであって、
イザ 4:6
昼は暑さをふせぐ陰となり、また暴風と雨を避けて隠れる所となる。
第5章
イザ 5:1
わたしはわが愛する者のために、そのぶどう畑についてのわが愛の歌をうたおう。わが愛する者は土肥えた小山の上に、一つのぶどう畑をもっていた。
イザ 5:2
彼はそれを掘りおこし、石を除き、それに良いぶどうを植え、その中に物見やぐらを建て、またその中に酒ぶねを掘り、良いぶどうの結ぶのを待ち望んだ。ところが結んだものは野ぶどうであった。
イザ 5:3
それで、エルサレムに住む者とユダの人々よ、どうか、わたしとぶどう畑との間をさばけ。
イザ 5:4
わたしが、ぶどう畑になした事のほかに、何かなすべきことがあるか。わたしは良いぶどうの結ぶのを待ち望んだのに、どうして野ぶどうを結んだのか。
イザ 5:5
それで、わたしが、ぶどう畑になそうとすることを、あなたがたに告げる。わたしはそのまがきを取り去って、食い荒されるにまかせ、そのかきをとりこわして、踏み荒されるにまかせる。
イザ 5:6
わたしはこれを荒して、刈り込むことも、耕すこともせず、おどろと、いばらとを生えさせ、また雲に命じて、その上に雨を降らさない。
イザ 5:7
万軍の主のぶどう畑はイスラエルの家であり、主が喜んでそこに植えられた物は、ユダの人々である。主はこれに公平を望まれたのに、見よ、流血。正義を望まれたのに、見よ、叫び。
イザ 5:8
わざわいなるかな、彼らは家に家を建て連ね、田畑に田畑をまし加えて、余地をあまさず、自分ひとり、国のうちに住まおうとする。
イザ 5:9
万軍の主はわたしの耳に誓って言われた、「必ずや多くの家は荒れすたれ、大きな麗しい家も住む者がないようになる。
イザ 5:10
十反のぶどう畑もわずかに一バテの実を結び、一ホメルの種もわずかに一エパの実を結ぶ」。
イザ 5:11
わざわいなるかな、彼らは朝早く起きて、濃き酒をおい求め、夜のふけるまで飲みつづけて、酒にその身を焼かれている。
イザ 5:12
彼らの酒宴には琴あり、立琴あり、鼓あり笛あり、ぶどう酒がある。しかし彼らは主のみわざを顧みず、み手のなされる事に目をとめない。
イザ 5:13
それゆえ、わが民は無知のために、とりこにせられ、その尊き者は飢えて死に、そのもろもろの民は、かわきによって衰えはてる。
イザ 5:14
また陰府はその欲望を大きくし、その口を限りなく開き、エルサレムの貴族、そのもろもろの民、その群集およびそのうちの喜びたのしめる者はみな/その中に落ちこむ。
イザ 5:15
人はかがめられ、人々は低くせられ、高ぶる者の目は低くされる。
イザ 5:16
しかし万軍の主は公平によってあがめられ、聖なる神は正義によって、おのれを聖なる者として示される。
イザ 5:17
こうして小羊は自分の牧場におるように草をはみ、肥えた家畜および子やぎは荒れ跡の中で食を得る。
イザ 5:18
わざわいなるかな、彼らは偽りのなわをもって悪を引きよせ、車の綱をもってするように罪を引きよせる。
イザ 5:19
彼らは言う、「彼を急がせ、そのわざをすみやかにさせよ、それを見せてもらおう。イスラエルの聖者の定める事を近づききたらせよ、それを見せてもらおう」と。
イザ 5:20
わざわいなるかな、彼らは悪を呼んで善といい、善を呼んで悪といい、暗きを光とし、光を暗しとし、苦きを甘しとし、甘きを苦しとする。
イザ 5:21
わざわいなるかな、彼らはおのれを見て、賢しとし、みずから顧みて、さとしとする。
イザ 5:22
わざわいなるかな、彼らはぶどう酒を飲むことの英雄であり、濃き酒をまぜ合わせることの勇士である。
イザ 5:23
彼らはまいないによって悪しき者を義とし、義人からその義を奪う。
イザ 5:24
それゆえ、火の舌が刈り株を食い尽すように、枯れ草が炎の中に消えうせるように、彼らの根は朽ちたものとなり、彼らの花はちりのように飛び去る。彼らは万軍の主の律法を捨て、イスラエルの聖者の言葉を侮ったからである。
イザ 5:25
それゆえ、主はその民にむかって怒りを発し、み手を伸べて彼らを撃たれた。山は震い動き、彼らのしかばねは、ちまたの中で、あくたのようになった。それにもかかわらず、み怒りはやまず、なお、み手を伸ばされる。
イザ 5:26
主は旗をあげて遠くから一つの国民を招き、地の果から彼らを呼ばれる。見よ、彼らは走って、すみやかに来る。
イザ 5:27
その中には疲れる者も、つまずく者もなく、まどろむ者も、眠る者もない。その腰の帯はとけず、そのくつのひもは切れていない。
イザ 5:28
その矢は鋭く、その弓はことごとく張り、その馬のひずめは火打石のように、その車の輪はつむじ風のように思われる。
イザ 5:29
そのほえることは、ししのように、若いししのようにほえ、うなって獲物を捕え、かすめ去っても救う者がない。
イザ 5:30
その日、その鳴りどよめくことは、海の鳴りどよめくようだ。もし地をのぞむならば、見よ、暗きと悩みとがあり、光は雲によって暗くなる。
第6章
イザ 6:1
ウジヤ王の死んだ年、わたしは主が高くあげられたみくらに座し、その衣のすそが神殿に満ちているのを見た。
イザ 6:2
その上にセラピムが立ち、おのおの六つの翼をもっていた。その二つをもって顔をおおい、二つをもって足をおおい、二つをもって飛びかけり、
イザ 6:3
互に呼びかわして言った。「聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、万軍の主、その栄光は全地に満つ」。
イザ 6:4
その呼ばわっている者の声によって敷居の基が震い動き、神殿の中に煙が満ちた。
イザ 6:5
その時わたしは言った、「わざわいなるかな、わたしは滅びるばかりだ。わたしは汚れたくちびるの者で、汚れたくちびるの民の中に住む者であるのに、わたしの目が万軍の主なる王を見たのだから」。
イザ 6:6
この時セラピムのひとりが火ばしをもって、祭壇の上から取った燃えている炭を手に携え、わたしのところに飛んできて、
イザ 6:7
わたしの口に触れて言った、「見よ、これがあなたのくちびるに触れたので、あなたの悪は除かれ、あなたの罪はゆるされた」。
イザ 6:8
わたしはまた主の言われる声を聞いた、「わたしはだれをつかわそうか。だれがわれわれのために行くだろうか」。その時わたしは言った、「ここにわたしがおります。わたしをおつかわしください」。
イザ 6:9
主は言われた、「あなたは行って、この民にこう言いなさい、『あなたがたはくりかえし聞くがよい、しかし悟ってはならない。あなたがたはくりかえし見るがよい、しかしわかってはならない』と。
イザ 6:10
あなたはこの民の心を鈍くし、その耳を聞えにくくし、その目を閉ざしなさい。これは彼らがその目で見、その耳で聞き、その心で悟り、悔い改めていやされることのないためである」。
イザ 6:11
そこで、わたしは言った、「主よ、いつまでですか」。主は言われた、「町々は荒れすたれて、住む者もなく、家には人かげもなく、国は全く荒れ地となり、
イザ 6:12
人々は主によって遠くへ移され、荒れはてた所が国の中に多くなる時まで、こうなっている。
イザ 6:13
その中に十分の一の残る者があっても、これもまた焼き滅ぼされる。テレビンの木またはかしの木が切り倒されるとき、その切り株が残るように」。聖なる種族はその切り株である。
第7章
イザ 7:1
ユダの王、ウジヤの子ヨタム、その子アハズの時、スリヤの王レヂンとレマリヤの子であるイスラエルの王ペカとが上ってきて、エルサレムを攻めたが勝つことができなかった。
イザ 7:2
時に「スリヤがエフライムと同盟している」とダビデの家に告げる者があったので、王の心と民の心とは風に動かされる林の木のように動揺した。
イザ 7:3
その時、主はイザヤに言われた、「今、あなたとあなたの子シャル・ヤシュブと共に出て行って、布さらしの野へ行く大路に沿う上の池の水道の端でアハズに会い、
イザ 7:4
彼に言いなさい、『気をつけて、静かにし、恐れてはならない。レヂンとスリヤおよびレマリヤの子が激しく怒っても、これら二つの燃え残りのくすぶっている切り株のゆえに心を弱くしてはならない。
イザ 7:5
スリヤはエフライムおよびレマリヤの子と共にあなたにむかって悪い事を企てて言う、
イザ 7:6
「われわれはユダに攻め上って、これを脅かし、われわれのためにこれを破り取り、タビエルの子をそこの王にしよう」と。
イザ 7:7
主なる神はこう言われる、この事は決して行われない、また起ることはない。
イザ 7:8
スリヤのかしらはダマスコ、ダマスコのかしらはレヂンである。(六十五年のうちにエフライムは敗れて、国をなさないようになる。)
イザ 7:9
エフライムのかしらはサマリヤ、サマリヤのかしらはレマリヤの子である。もしあなたがたが信じないならば、立つことはできない』」。
イザ 7:10
主は再びアハズに告げて言われた、
イザ 7:11
「あなたの神、主に一つのしるしを求めよ、陰府のように深い所に、あるいは天のように高い所に求めよ」。
イザ 7:12
しかしアハズは言った、「わたしはそれを求めて、主を試みることをいたしません」。
イザ 7:13
そこでイザヤは言った、「ダビデの家よ、聞け。あなたがたは人を煩わすことを小さい事とし、またわが神をも煩わそうとするのか。
イザ 7:14
それゆえ、主はみずから一つのしるしをあなたがたに与えられる。見よ、おとめがみごもって男の子を産む。その名はインマヌエルととなえられる。
イザ 7:15
その子が悪を捨て、善を選ぶことを知るころになって、凝乳と、蜂蜜とを食べる。
イザ 7:16
それはこの子が悪を捨て、善を選ぶことを知る前に、あなたが恐れているふたりの王の地は捨てられるからである。
イザ 7:17
主はエフライムがユダから分れた時からこのかた、臨んだことのないような日をあなたと、あなたの民と、あなたの父の家とに臨ませられる。それはアッスリヤの王である」。
イザ 7:18
その日、主はエジプトの川々の源にいる、はえを招き、アッスリヤの地にいる蜂を呼ばれる。
イザ 7:19
彼らはみな来て、険しい谷、岩の裂け目、すべてのいばら、すべての牧場の上にとどまる。
イザ 7:20
その日、主は大川の向こうから雇ったかみそり、すなわちアッスリヤの王をもって、頭と足の毛とをそり、また、ひげをも除き去られる。
イザ 7:21
その日、人は若い雌牛一頭と羊二頭を飼い、
イザ 7:22
それから出る乳が多いので、凝乳を食べることができ、すべて国のうちに残された者は凝乳と、蜂蜜とを食べることができる。
イザ 7:23
その日、銀一千シケルの価ある千株のぶどうの木のあった所も、ことごとくいばらと、おどろの生える所となり、
イザ 7:24
いばらと、おどろとが地にはびこるために、人々は弓と矢をもってそこへ行く。
イザ 7:25
くわをもって掘り耕したすべての山々にも、あなたは、いばらと、おどろとを恐れて、そこへ行くことができない。その地はただ牛を放ち、羊の踏むところとなる。
第8章
イザ 8:1
主はわたしに言われた、「一枚の大きな札を取って、その上に普通の文字で、『マヘル・シャラル・ハシ・バズ』と書きなさい」。
イザ 8:2
そこで、わたしは確かな証人として、祭司ウリヤおよびエベレキヤの子ゼカリヤを立てた。
イザ 8:3
わたしが預言者の妻に近づくと、彼女はみごもって男の子を産んだ。その時、主はわたしに言われた、「その名をマヘル・シャラル・ハシ・バズと呼びなさい。
イザ 8:4
それはこの子がまだ『おとうさん、おかあさん』と呼ぶことを知らないうちに、ダマスコの富と、サマリヤのぶんどり品とが、アッスリヤ王の前に奪い去られるからである」。
イザ 8:5
主はまた重ねてわたしに言われた、
イザ 8:6
「この民はゆるやかに流れるシロアの水を捨てて、レヂンとレマリヤの子の前に恐れくじける。
イザ 8:7
それゆえ見よ、主は勢いたけく、みなぎりわたる大川の水を彼らにむかってせき入れられる。これはアッスリヤの王と、そのもろもろの威勢とであって、そのすべての支流にはびこり、すべての岸を越え、
イザ 8:8
ユダに流れ入り、あふれみなぎって、首にまで及ぶ。インマヌエルよ、その広げた翼はあまねく、あなたの国に満ちわたる」。
イザ 8:9
もろもろの民よ、打ち破られて、驚きあわてよ。遠き国々のものよ、耳を傾けよ。腰に帯して、驚きあわてよ。腰に帯して、驚きあわてよ。
イザ 8:10
ともに計れ、しかし、成らない。言葉を出せ、しかし、行われない。神がわれわれと共におられるからである。
イザ 8:11
主は強いみ手をもって、わたしを捕え、わたしに語り、この民の道に歩まないように、さとして言われた、
イザ 8:12
「この民がすべて陰謀ととなえるものを陰謀ととなえてはならない。彼らの恐れるものを恐れてはならない。またおののいてはならない。
イザ 8:13
あなたがたは、ただ万軍の主を聖として、彼をかしこみ、彼を恐れなければならない。
イザ 8:14
主はイスラエルの二つの家には聖所となり、またさまたげの石、つまずきの岩となり、エルサレムの住民には網となり、わなとなる。
イザ 8:15
多くの者はこれにつまずき、かつ倒れ、破られ、わなにかけられ、捕えられる」。
イザ 8:16
わたしは、あかしを一つにまとめ、教をわが弟子たちのうちに封じておこう。
イザ 8:17
主はいま、ヤコブの家に、み顔をかくしておられるとはいえ、わたしはその主を待ち、主を望みまつる。
イザ 8:18
見よ、わたしと、主のわたしに賜わった子たちとは、シオンの山にいます万軍の主から与えられたイスラエルのしるしであり、前ぶれである。
イザ 8:19
人々があなたがたにむかって「さえずるように、ささやくように語る巫子および魔術者に求めよ」という時、民は自分たちの神に求むべきではないか。生ける者のために死んだ者に求めるであろうか。
イザ 8:20
ただ教とあかしとに求めよ。まことに彼らはこの言葉によって語るが、そこには夜明けがない。
イザ 8:21
彼らはしえたげられ、飢えて国の中を経あるく。その飢えるとき怒りを放ち、自分たちの王、自分たちの神をのろい、かつその顔を天に向ける。
イザ 8:22
また地を見ると、見よ、悩みと暗きと、苦しみのやみとがあり、彼らは暗黒に追いやられる。
第9章
イザ 9:1
しかし、苦しみにあった地にも、やみがなくなる。さきにはゼブルンの地、ナフタリの地にはずかしめを与えられたが、後には海に至る道、ヨルダンの向こうの地、異邦人のガリラヤに光栄を与えられる。
イザ 9:2
暗やみの中に歩んでいた民は大いなる光を見た。暗黒の地に住んでいた人々の上に光が照った。
イザ 9:3
あなたが国民を増し、その喜びを大きくされたので、彼らは刈入れ時に喜ぶように、獲物を分かつ時に楽しむように、あなたの前に喜んだ。
イザ 9:4
これはあなたが彼らの負っているくびきと、その肩のつえと、しえたげる者のむちとを、ミデアンの日になされたように折られたからだ。
イザ 9:5
すべて戦場で、歩兵のはいたくつと、血にまみれた衣とは、火の燃えくさとなって焼かれる。
イザ 9:6
ひとりのみどりごがわれわれのために生れた、ひとりの男の子がわれわれに与えられた。まつりごとはその肩にあり、その名は、「霊妙なる議士、大能の神、とこしえの父、平和の君」ととなえられる。
イザ 9:7
そのまつりごとと平和とは、増し加わって限りなく、ダビデの位に座して、その国を治め、今より後、とこしえに公平と正義とをもって/これを立て、これを保たれる。万軍の主の熱心がこれをなされるのである。
イザ 9:8
主はひと言をヤコブにおくり、これをイスラエルの上にくだされる。
イザ 9:9
すべてこの民、エフライムとサマリヤに住む者とは知るであろう。彼らは高ぶり、心おごって言う、
イザ 9:10
「かわらがくずれても、われわれは切り石をもって建てよう。くわの木が切り倒されても、われわれは香柏をもってこれにかえよう」と。
イザ 9:11
それゆえ、主は敵を起して彼らを攻めさせ、そのあだを奮い立たせられる。
イザ 9:12
東にスリヤびとあり、西にペリシテびとあり、彼らは大口をあけてイスラエルを食い尽す。それでも主の怒りはやまず、なおも、そのみ手を伸ばされる。
イザ 9:13
しかもなお、この民は自分たちを撃った者に帰らず、万軍の主を求めない。
イザ 9:14
それゆえ、主はイスラエルから頭と尾と、しゅろの枝と葦とを一日のうちに断ち切られる。
イザ 9:15
その頭とは、長老と尊き人、その尾とは、偽りを教える預言者である。
イザ 9:16
この民を導く者は、これを迷わせ、彼らに導かれる者は、のみ尽される。
イザ 9:17
それゆえ、主はその若き人々を喜ばれず、そのみなしごと寡婦とをあわれまれない。彼らはみな、不信仰であって、悪を行う者、すべての口は愚かな事を語るからである。それでも主の怒りはやまず、なおも、そのみ手を伸ばされる。
イザ 9:18
悪は火のように燃え、いばらと、おどろとを食い尽し、茂りあう林を焼き、煙の柱となって巻きあがる。
イザ 9:19
万軍の主の怒りによって地は焼け、その民は火の燃えくさのようになり、だれもその兄弟をあわれむ者がない。
イザ 9:20
彼らは右手につかんでも、なお飢え、左手で食べても飽くことがない。おのおのその隣り人の肉を食う。
イザ 9:21
マナセはエフライムを、エフライムはマナセを食い、彼らは共にユダを攻める。それでも主の怒りはやまず、なおも、そのみ手を伸ばされる。
第10章
イザ 10:1
わざわいなるかな、不義の判決を下す者、暴虐の宣告を書きしるす者。
イザ 10:2
彼らは乏しい者の訴えを引き受けず、わが民のうちの貧しい者の権利をはぎ、寡婦の資産を奪い、みなしごのものをかすめる。
イザ 10:3
あなたがたは刑罰の日がきたなら、何をしようとするのか。大風が遠くから来るとき、何をしようとするのか。あなたがたはのがれていって、だれに助けを求めようとするのか。また、どこにあなたがたの富を残そうとするのか。
イザ 10:4
ただ捕われた者の中にかがみ、殺された者の中に伏し倒れるのみだ。それでも主の怒りはやまず、なおも、そのみ手を伸ばされる。
イザ 10:5
ああ、アッスリヤはわが怒りのつえ、わが憤りのむちだ。
イザ 10:6
わたしは彼をつかわして不信の国を攻め、彼に命じてわが怒りの民を攻め、かすめ奪わせ、彼らをちまたの泥のように踏みにじらせる。
イザ 10:7
しかし彼はそのようには思わず、その心もそのようには考えず、かえってその心は滅ぼすことを思い、あまたの国々を倒そうとする。
イザ 10:8
彼は言う、「わが諸侯はみな王ではないか。
イザ 10:9
カルノはカルケミシのようではないか。ハマテはアルパデのようではないか。サマリヤはダマスコのようではないか。
イザ 10:10
わが手は偶像に仕える国々に伸びた。その彫った像はエルサレムおよび/サマリヤのものにまさっていた。
イザ 10:11
わたしはサマリヤとその偶像に行ったように、エルサレムとその偶像に行わぬであろうか」。
イザ 10:12
主がシオンの山とエルサレムとになそうとすることを、ことごとくなし遂げられた時、主はアッスリヤ王の無礼な言葉と、その高ぶりとを罰せられる。
イザ 10:13
彼は言う、「わが手の力により、またわが知恵によって、わたしはこれをなした。わたしは賢いからである。わたしはもろもろの民の境を除き、その財宝を奪った。またわたしは雄牛のように、位に座する者を引きおろした。
イザ 10:14
わが手は巣を取るように、もろもろの民の富を得た。またわたしは人々が捨てられた卵を集めるように、全地を取り集めた。あるいは翼を動かし、あるいは口を開き、あるいはぺちゃくちゃ言う者もなかった」。
イザ 10:15
おのは、それを用いて切る者にむかって、自分を誇ることができようか。のこぎりは、それを動かす者にむかって、みずから高ぶることができようか。これはあたかも、むちが自分をあげる者を動かし、つえが木でない者をあげようとするのに等しい。
イザ 10:16
それゆえ、主、万軍の主は、その肥えた勇士の中に病気を送って衰えさせ、その栄光の下に火の燃えるような炎を燃やされる。
イザ 10:17
イスラエルの光は火となり、その聖者は炎となり、そのいばらと、おどろとを一日のうちに焼き滅ぼす。
イザ 10:18
また、その林と土肥えた田畑の栄えを、魂も、からだも二つながら滅ぼし、病める者のやせ衰える時のようにされる。
イザ 10:19
その林の木の残りのものはわずかであって、わらべもそれを書きとめることができる。
イザ 10:20
その日にはイスラエルの残りの者と、ヤコブの家の生き残った者とは、もはや自分たちを撃った者にたよらず、真心をもってイスラエルの聖者、主にたより、
イザ 10:21
残りの者、すなわちヤコブの残りの者は大能の神に帰る。
イザ 10:22
あなたの民イスラエルは海の砂のようであっても、そのうちの残りの者だけが帰って来る。滅びはすでに定まり、義であふれている。
イザ 10:23
主、万軍の主は定められた滅びを全地に行われる。
イザ 10:24
それゆえ、主、万軍の主はこう言われる、「シオンに住むわが民よ、アッスリヤびとが、エジプトびとがしたように、むちをもってあなたを打ち、つえをあげてあなたをせめても、彼らを恐れてはならない。
イザ 10:25
ただしばらくして、わが憤りはやみ、わが怒りは彼らを滅ぼすからである。
イザ 10:26
万軍の主は、むかしミデアンびとをオレブの岩で撃たれた時のように、彼らにむかって、むちをふるわれる。またそのつえを海の上にのばし、エジプトでなされたように、それをあげられる。
イザ 10:27
その日には、彼の重荷はあなたの肩からおり、彼のくびきはあなたの首から離れる」。彼はリンモンから上り、
イザ 10:28
アイアテにきたり、ミグロンを過ぎ、ミクマシでその行李をとどめ、
イザ 10:29
渡しを過ぎて、ゲバに宿る。ラマはおののき、サウルのギベアは逃げ去った。
イザ 10:30
ガリムの娘よ、声をあげて叫べ。ライシよ、耳を傾けよ。アナトテよ、彼に答えよ。
イザ 10:31
マデメナは逃げ去り、ゲビムの民は隠れ場を求めた。
イザ 10:32
この日彼はノブに立ちとどまり、シオンの娘の山、エルサレムの丘にむかって、その手を振る。
イザ 10:33
見よ、主、万軍の主は、恐ろしい力をもって枝を切りおろされる。たけの高いものも切り落され、そびえ立つものは低くされる。
イザ 10:34
主はおのをもって茂りあう林を切られる。みごとな木の茂るレバノンも倒される。
第11章
イザ 11:1
エッサイの株から一つの芽が出、その根から一つの若枝が生えて実を結び、
イザ 11:2
その上に主の霊がとどまる。これは知恵と悟りの霊、深慮と才能の霊、主を知る知識と主を恐れる霊である。
イザ 11:3
彼は主を恐れることを楽しみとし、その目の見るところによって、さばきをなさず、その耳の聞くところによって、定めをなさず、
イザ 11:4
正義をもって貧しい者をさばき、公平をもって国のうちの/柔和な者のために定めをなし、その口のむちをもって国を撃ち、そのくちびるの息をもって悪しき者を殺す。
イザ 11:5
正義はその腰の帯となり、忠信はその身の帯となる。
イザ 11:6
おおかみは小羊と共にやどり、ひょうは子やぎと共に伏し、子牛、若じし、肥えたる家畜は共にいて、小さいわらべに導かれ、
イザ 11:7
雌牛と熊とは食い物を共にし、牛の子と熊の子と共に伏し、ししは牛のようにわらを食い、
イザ 11:8
乳のみ子は毒蛇のほらに戯れ、乳離れの子は手をまむしの穴に入れる。
イザ 11:9
彼らはわが聖なる山のどこにおいても、そこなうことなく、やぶることがない。水が海をおおっているように、主を知る知識が地に満ちるからである。
イザ 11:10
その日、エッサイの根が立って、もろもろの民の旗となり、もろもろの国びとはこれに尋ね求め、その置かれる所に栄光がある。
イザ 11:11
その日、主は再び手を伸べて、その民の残れる者をアッスリヤ、エジプト、パテロス、エチオピヤ、エラム、シナル、ハマテおよび海沿いの国々からあがなわれる。
イザ 11:12
主は国々のために旗をあげて、イスラエルの追いやられた者を集め、ユダの散らされた者を地の四方から集められる。
イザ 11:13
エフライムのねたみはうせ、ユダを悩ます者は断たれ、エフライムはユダをねたまず、ユダはエフライムを悩ますことはない。
イザ 11:14
しかし彼らは西の方ペリシテびとの肩に/襲いかかり、相共に東の民をかすめ、その手をエドムおよびモアブに伸べ、アンモンの人々をおのれに従わせる。
イザ 11:15
主はエジプトの海の舌をからし、川の上に手を振って熱い風を吹かせ、その川を打って七つの川となし、くつをぬらさないで渡らせられる。
イザ 11:16
その民の残れる者のために/アッスリヤからの大路があり、昔イスラエルがエジプトの国から/上ってきた時にあったようになる。
第12章
イザ 12:1
その日あなたは言う、「主よ、わたしはあなたに感謝します。あなたは、さきにわたしにむかって怒られたが、その怒りはやんで、わたしを慰められたからです。
イザ 12:2
見よ、神はわが救である。わたしは信頼して恐れることはない。主なる神はわが力、わが歌であり、わが救となられたからである」。
イザ 12:3
あなたがたは喜びをもって、救の井戸から水をくむ。
イザ 12:4
その日、あなたがたは言う、「主に感謝せよ。そのみ名を呼べ。そのみわざをもろもろの民の中につたえよ。そのみ名のあがむべきことを語りつげよ。
イザ 12:5
主をほめうたえ。主はそのみわざを、みごとになし遂げられたから。これを全地に宣べ伝えよ。
イザ 12:6
シオンに住む者よ、声をあげて、喜びうたえ。イスラエルの聖者はあなたがたのうちで/大いなる者だから」。
第13章
イザ 13:1
アモツの子イザヤに示されたバビロンについての託宣。
イザ 13:2
あなたがたは木のない山に旗を立て、声をあげて彼らを招き、手を振って彼らを貴族の門に、はいらせよ。
イザ 13:3
わたしはわが怒りのさばきを行うために/聖別した者どもに命じ、わが勇士、わが勝ち誇る者どもを招いた。
イザ 13:4
聞け、多くの民のような騒ぎ声が山々に聞える。聞け、もろもろの国々、寄りつどえる/もろもろの国民のざわめく声が聞える。これは万軍の主が/戦いのために軍勢を集められるのだ。
イザ 13:5
彼らは遠い国から、天の果から来る。これは、主とその憤りの器で、全地を滅ぼすために来るのだ。
イザ 13:6
あなたがたは泣き叫べ。主の日が近づき、滅びが全能者から来るからだ。
イザ 13:7
それゆえ、すべての手は弱り、すべての人の心は溶け去る。
イザ 13:8
彼らは恐れおののき、苦しみと悩みに捕えられ、子を産まんとする女のようにもだえ苦しみ、互に驚き、顔を見あわせ、その顔は炎のようになる。
イザ 13:9
見よ、主の日が来る。残忍で、憤りと激しい怒りとをもってこの地を荒し、その中から罪びとを断ち滅ぼすために来る。
イザ 13:10
天の星とその星座とはその光を放たず、太陽は出ても暗く、月はその光を輝かさない。
イザ 13:11
わたしはその悪のために世を罰し、その不義のために悪い者を罰し、高ぶる者の誇をとどめ、あらぶる者の高慢を低くする。
イザ 13:12
わたしは人を精金よりも、オフルのこがねよりも少なくする。
イザ 13:13
それゆえ、万軍の主の憤りにより、その激しい怒りの日に、天は震い、地は揺り動いて、その所をはなれる。
イザ 13:14
彼らは追われた、かもしかのように、あるいは集める者のない羊のようになって、おのおの自分の民に帰り、自分の国に逃げて行く。
イザ 13:15
すべて見いだされる者は刺され、すべて捕えられる者はつるぎによって倒され、
イザ 13:16
彼らのみどりごはその目の前で投げ砕かれ、その家はかすめ奪われ、その妻は汚される。
イザ 13:17
見よ、わたしは、しろがねをも顧みず、こがねをも喜ばないメデアびとを起して、彼らにむかわせる。
イザ 13:18
彼らの弓は若い者を射殺し、腹の実をあわれむことなく、幼な子を見て、惜しむことがない。
イザ 13:19
国々の誉であり、カルデヤびとの誇である麗しいバビロンは、神に滅ぼされたソドム、ゴモラのようになる。
イザ 13:20
ここにはながく住む者が絶え、世々にいたるまで住みつく者がなく、アラビヤびともそこに天幕を張らず、羊飼もそこに群れを伏させることがない。
イザ 13:21
ただ、野の獣がそこに伏し、ほえる獣がその家に満ち、だちょうがそこに住み、鬼神がそこに踊る。
イザ 13:22
ハイエナはその城の中で鳴き、山犬は楽しい宮殿でほえる。その時の来るのは近い、その日は延びることがない。
第14章
イザ 14:1
主はヤコブをあわれみ、イスラエルを再び選んで、これをおのれの地に置かれる。異邦人はこれに加わって、ヤコブの家に結びつらなり、
イザ 14:2
もろもろの民は彼らを連れてその所に導いて来る。そしてイスラエルの家は、主の地で彼らを男女の奴隷とし、さきに自分たちを捕虜にした者を捕虜にし、自分たちをしえたげた者を治める。
イザ 14:3
主があなたの苦労と不安とを除き、またあなたが服した苦役を除いて、安息をお与えになるとき、
イザ 14:4
あなたはこのあざけりの歌をとなえ、バビロンの王をののしって言う、「あの、しえたげる者は全く絶えてしまった。あの、おごる者は全く絶えてしまった。
イザ 14:5
主は悪い者のつえと、つかさびとの笏を折られた。
イザ 14:6
彼らは憤りをもってもろもろの民を/絶えず撃っては打ち、怒りをもってもろもろの国を治めても、そのしえたげをとどめる者がなかった。
イザ 14:7
全地はやすみを得、穏やかになり、ことごとく声をあげて歌う。
イザ 14:8
いとすぎおよびレバノンの香柏でさえも/あなたのゆえに喜んで言う、『あなたはすでに倒れたので、もはや、きこりが上ってきて、われわれを攻めることはない』。
イザ 14:9
下の陰府はあなたのために動いて、あなたの来るのを迎え、地のもろもろの指導者たちの亡霊を/あなたのために起し、国々のもろもろの王を/その王座から立ちあがらせる。
イザ 14:10
彼らは皆あなたに告げて言う、『あなたもまたわれわれのように弱くなった、あなたもわれわれと同じようになった』。
イザ 14:11
あなたの栄華とあなたの琴の音は/陰府に落ちてしまった。うじはあなたの下に敷かれ、みみずはあなたをおおっている。
イザ 14:12
黎明の子、明けの明星よ、あなたは天から落ちてしまった。もろもろの国を倒した者よ、あなたは切られて地に倒れてしまった。
イザ 14:13
あなたはさきに心のうちに言った、『わたしは天にのぼり、わたしの王座を高く神の星の上におき、北の果なる集会の山に座し、
イザ 14:14
雲のいただきにのぼり、いと高き者のようになろう』。
イザ 14:15
しかしあなたは陰府に落され、穴の奥底に入れられる。
イザ 14:16
あなたを見る者はつくづくあなたを見、あなたに目をとめて言う、『この人は地を震わせ、国々を動かし、
イザ 14:17
世界を荒野のようにし、その都市をこわし、捕えた者をその家に/解き帰さなかった者であるのか』。
イザ 14:18
もろもろの国の王たちは皆/尊いさまで、自分の墓に眠る。
イザ 14:19
しかしあなたは忌みきらわれる月足らぬ子のように/墓のそとに捨てられ、つるぎで刺し殺された者でおおわれ、踏みつけられる死体のように穴の石に下る。
イザ 14:20
あなたは自分の国を滅ぼし、自分の民を殺したために、彼らと共に葬られることはない。どうか、悪を行う者の子孫は/とこしえに名を呼ばれることのないように。
イザ 14:21
先祖のよこしまのゆえに、その子孫のためにほふり場を備えよ。これは彼らが起って地を取り、世界のおもてに町々を/満たすことのないためである」。
イザ 14:22
万軍の主は言われる、「わたしは立って彼らを攻め、バビロンからその名と、残れる者、その子と孫とを断ち滅ぼす、と主は言う。
イザ 14:23
わたしはこれをはりねずみのすみかとし、水の池とし、滅びのほうきをもって、これを払い除く、と万軍の主は言う」。
イザ 14:24
万軍の主は誓って言われる、「わたしが思ったように必ず成り、わたしが定めたように必ず立つ。
イザ 14:25
わたしはアッスリヤびとをわが地で打ち破り、わが山々で彼を踏みにじる。こうして彼が置いたくびきは/イスラエルびとから離れ、彼が負わせた重荷は/イスラエルびとの肩から離れる」。
イザ 14:26
これは全地について定められた計画である。これは国々の上に伸ばされた手である。
イザ 14:27
万軍の主が定められるとき、だれがそれを取り消すことができるのか。その手を伸ばされるとき、だれがそれを引きもどすことができるのか。
イザ 14:28
アハズ王の死んだ年にこの託宣があった、
イザ 14:29
「ペリシテの全地よ、あなたを打ったむちが/折られたことを喜んではならない。へびの根からまむしが出、その実は飛びかけるへびとなるからだ。
イザ 14:30
いと貧しい者は食を得、乏しい者は安らかに伏す。しかし、わたしはききんをもって/あなたの子孫を殺し、あなたの残れる者を滅ぼす。
イザ 14:31
門よ、泣きわめけ。町よ、叫べ。ペリシテの全地よ、恐れのあまり消えうせよ、北から煙が来るからだ。その隊列からは、ひとりも脱落する者はない」。
イザ 14:32
その国の使者たちになんと答えようか。「主はシオンの基をおかれた、その民の苦しむ者は/この中に避け所を得る」と答えよ。
第15章
イザ 15:1
モアブについての託宣。アルは一夜のうちに荒されて、モアブは滅びうせ、キルは一夜のうちに荒されて、モアブは滅びうせた。
イザ 15:2
デボンの娘は高き所にのぼって泣き、モアブはネボとメデバの上で嘆き叫ぶ。おのおのその頭をかぶろにし、そのひげをことごとくそった。
イザ 15:3
彼らはそのちまたで荒布をまとい、その屋根または広場で、みな泣き叫び、涙に浸る。
イザ 15:4
ヘシボンとエレアレとは叫び、その声はヤハズまで聞える。それゆえ、モアブの兵士は声をあげ、その魂はおののく。
イザ 15:5
わが心はモアブのために叫び呼ばわる。その落人はゾアルおよび/エグラテ・シリシヤにのがれ、泣きながらルヒテの坂をのぼり、ホロナイムの道で滅びの叫びをあげる。
イザ 15:6
ニムリムの水はかわき、草は枯れ、苗は消えて、青い物はない。
イザ 15:7
それゆえ、彼らはその得た富と、そのたくわえた物とを携えて、柳の川をわたる。
イザ 15:8
その叫びの声はモアブの境をめぐり、その嘆きの声はエグライムにいたり、またその嘆きの声はベエル・エリムにいたる。
イザ 15:9
デボンの水は血で満ちる。わたしはデボンの上にさらに災を加え、モアブののがれた者と/この地の残った者とに、ししを送る。
第16章
イザ 16:1
彼らはセラから荒野の道によって/小羊をシオンの娘の山に送り、国のつかさに納めた。
イザ 16:2
モアブの娘らはアルノンの渡しで、さまよう鳥のように、巣を追われたひなのようである。
イザ 16:3
「相はかって、事を定めよ。真昼の中でも、あなたの陰を夜のようにし、さすらい人を隠し、のがれて来た者をわたさず、
イザ 16:4
モアブのさすらい人を、あなたのうちにやどらせ、彼らの避け所となって、滅ぼす者からのがれさせよ。しえたげる者がなくなり、滅ぼす者が絶え、踏みにじる者が地から断たれたとき、
イザ 16:5
一つの玉座がいつくしみによって堅く立てられ、ダビデの幕屋にあって、さばきをなし、公平を求め、正義を行うに、すみやかなる者が/真実をもってその上に座する」。
イザ 16:6
われわれはモアブの高ぶりのことを聞いた、その高ぶることは、はなはだしい。われわれはその誇と、高ぶりと、そのおごりとのことを聞いた、その自慢は偽りである。
イザ 16:7
それゆえ、モアブは泣き叫べ、民はみなモアブのために泣き叫べ。全く撃ちのめされて、キルハレセテの干ぶどうのために嘆け。
イザ 16:8
ヘシボンの畑と、シブマのぶどうの木とは、しぼみ衰えた。国々のもろもろの主が、その枝を打ち落したからである。その枝はさきにはヤゼルまでいたり、荒野にまではびこり、そのつるは広がって海を越えた。
イザ 16:9
それゆえ、わたしはヤゼルと共に、シブマのぶどうの木のために泣く。ヘシボンよ、エレアレよ、わたしは涙をもってあなたを浸す。ときの声が、あなたの果実と、あなたの収穫の上にふりかかってきたからである。
イザ 16:10
喜びと楽しみとは土肥えた畑から取り去られ、ぶどう畑には歌うことなく、喜び呼ばわることなく、酒ぶねを踏んで酒を絞る者なく、ぶどうの収穫を喜ぶ声はやんだ。
イザ 16:11
それゆえ、わが魂はモアブのために、わが心はキルハレスのために、琴のように鳴りひびく。
イザ 16:12
モアブが高き所に出て、おのれを疲れさせ、またその聖所にきて祈っても、効果はない。
イザ 16:13
これは主がさきにモアブについて語られたみ言葉である。
イザ 16:14
しかし今、主は語って言われる、「モアブの栄えはその大いなる群衆にもかかわらず、雇人の年期とひとしく三年のうちに、はずかしめを受け、残れる者はまことに少なく、力がない」。
第17章
イザ 17:1
ダマスコについての託宣。見よ、ダマスコは町の姿を失って、荒塚となる。
イザ 17:2
その町々はとこしえに捨てられ、家畜の群れの住む所となって、伏しやすむが、これを脅かす者はない。
イザ 17:3
エフライムのとりではすたり、ダマスコの主権はやみ、スリヤの残れる者は、イスラエルの子らの/栄光のように消えうせると/万軍の主は言われる。
イザ 17:4
その日、ヤコブの栄えは衰え、その肥えたる肉はやせ、
イザ 17:5
あたかも刈入れ人がまだ刈らない麦を集め、かいなをもって穂を刈り取ったあとのように、レパイムの谷で穂を拾い集めたあとのようになる。
イザ 17:6
オリブの木を打つとき、二つ三つの実をこずえに残し、あるいは四つ五つを/みのり多き木の枝に残すように、とり残されるものがあると/イスラエルの神、主は言われる。
イザ 17:7
その日、人々はその造り主を仰ぎのぞみ、イスラエルの聖者に目をとめ、
イザ 17:8
おのれの手のわざである祭壇を仰ぎのぞまず、おのれの指が造ったアシラ像と香の祭壇とに目をとめない。
イザ 17:9
その日、彼らの堅固な町々は昔イスラエルの子らのゆえに捨て去られたヒビびとおよびアモリびとの荒れ跡のように荒れ地になる。
イザ 17:10
これはあなたがたが自分の救の神を忘れ、自分の避け所なる岩を心にとめなかったからだ。それゆえ、あなたがたは美しい植物を植え、異なる神の切り枝をさし、
イザ 17:11
その植えた日にこれを成長させ、そのまいた朝にこれを花咲かせても、その収穫は悲しみと、いやしがたい苦しみの日に/とび去る。
イザ 17:12
ああ、多くの民はなりどよめく、海のなりどよめくように、彼らはなりどよめく。ああ、もろもろの国はなりとどろく、大水のなりとどろくように、彼らはなりとどろく。
イザ 17:13
もろもろの国は多くの水の/なりとどろくように、なりとどろく。しかし、神は彼らを懲らしめられる。彼らは遠くのがれて、風に吹き去られる山の上のもみがらのように、また暴風にうず巻くちりのように追いやられる。
イザ 17:14
夕暮には、見よ、恐れがある。まだ夜の明けないうちに彼らはうせた。これはわれわれをかすめる者の受くべき分、われわれを奪う者の引くべきくじである。
第18章
イザ 18:1
ああ、エチオピヤの川々のかなたなる/ぶんぶんと羽音のする国、
イザ 18:2
この国は葦の船を水にうかべ、ナイル川によって使者をつかわす。とく走る使者よ、行け。川々の分れる国の、たけ高く、膚のなめらかな民、遠近に恐れられる民、力強く、戦いに勝つ民へ行け。
イザ 18:3
すべて世におるもの、地に住むものよ、山の上に旗の立つときは見よ、ラッパの鳴りひびくときは聞け。
イザ 18:4
主はわたしにこう言われた、「晴れわたった日光の熱のように、刈入れの熱むして露の多い雲のように、わたしは静かにわたしのすまいから、ながめよう」。
イザ 18:5
刈入れの前、花は過ぎて/その花がぶどうとなって熟すとき、彼はかまをもって、つるを刈り、枝を切り去る。
イザ 18:6
彼らはみな山の猛禽と、地の獣とに捨て置かれる。猛禽はその上で夏を過ごし、地の獣はみなその上で冬を過ごす。
イザ 18:7
その時、川々の分れる国の/たけ高く、膚のなめらかな民、遠くの者にも近くの者にも恐れられる民、力強く、戦いに勝つ民から/万軍の主にささげる贈り物を携えて、万軍の主のみ名のある所、シオンの山に来る。
第19章
イザ 19:1
エジプトについての託宣。見よ、主は速い雲に乗って、エジプトに来られる。エジプトのもろもろの偶像は、み前に震えおののき、エジプトびとの心は彼らのうちに溶け去る。
イザ 19:2
わたしはエジプトびとを奮いたたせて、エジプトびとに逆らわせる。彼らはおのおのその兄弟に敵して戦い、おのおのその隣に敵し、町は町を攻め、国は国を攻める。
イザ 19:3
エジプトびとの魂は、彼らのうちにうせて、むなしくなる。わたしはその計りごとを破る。彼らは偶像および魔術師、巫子および魔法使に尋ね求める。
イザ 19:4
わたしはエジプトびとをきびしい主人の手に渡す、荒々しい王が彼らを治めると、主、万軍の主は言われる。
イザ 19:5
ナイルの水はつき、川はかれてかわく。
イザ 19:6
またその運河は臭いにおいを放ち、エジプトのナイルの支流はややに減ってかわき、葦とよしとは枯れはてる。
イザ 19:7
ナイルのほとり、ナイルの岸には裸の所があり、ナイルのほとりにまいた物はことごとく枯れ、散らされて、うせ去る。
イザ 19:8
漁夫は嘆き、すべてナイルにつりをたれる者は悲しみ、網を水のおもてにうつ者は衰える。
イザ 19:9
練った麻で物を造る者と、白布を織る者は恥じる。
イザ 19:10
国の柱たる者は砕かれ、すべて雇われて働く者は嘆き悲しむ。
イザ 19:11
ゾアンの君たちは全く愚かであり、パロの賢い議官らは愚かな計りごとをなす。あなたがたはどうしてパロにむかって/「わたしは賢い者の子、いにしえの王の子です」と/言うことができようか。
イザ 19:12
あなたの賢い者はどこにおるか。彼らをして、万軍の主がエジプトについて定められたことを/あなたに告げ知らしめよ。
イザ 19:13
ゾアンの君たちは愚かとなり、メンピスの君たちは欺かれ、エジプトのもろもろの部族の隅の石たる彼らは、かえってエジプトを迷わせた。
イザ 19:14
主は曲った心を彼らのうちに混ぜられた。彼らはエジプトをして、すべてその行うことに迷わせ、あたかも酔った人の物吐くときに/よろめくようにさせた。
イザ 19:15
エジプトに対しては、頭あるいは尾、しゅろの枝あるいは葦が/共になしうるわざはない。
イザ 19:16
その日、エジプトびとは女のようになり、万軍の主の彼らの上に振り動かされるみ手の前に恐れおののく。
イザ 19:17
ユダの地は、エジプトびとに恐れられ、ユダについて語り告げることを聞くエジプトびとはみな、万軍の主がエジプトびとにむかって定められた計りごとのゆえに恐れる。
イザ 19:18
その日、エジプトの地にカナンの国ことばを語り、また万軍の主に誓いを立てる五つの町があり、その中の一つは太陽の町ととなえられる。
イザ 19:19
その日、エジプトの国の中に主をまつる一つの祭壇があり、その境に主をまつる一つの柱がある。
イザ 19:20
これはエジプトの国で万軍の主に、しるしとなり、あかしとなる。彼らがしえたげる者のゆえに、主に叫び求めるとき、主は救う者をつかわして、彼らを守り助けられる。
イザ 19:21
主はご自分をエジプトびとに知らせられる。その日、エジプトびとは主を知り、犠牲と供え物とをもって主に仕え、主に誓願をたててこれを果す。
イザ 19:22
主はエジプトを撃たれる。主はこれを撃たれるが、またいやされる。それゆえ彼らは主に帰る。主は彼らの願いをいれて、彼らをいやされる。
イザ 19:23
その日、エジプトからアッスリヤに通う大路があって、アッスリヤびとはエジプトに、エジプトびとはアッスリヤに行き、エジプトびとはアッスリヤびとと共に主に仕える。
イザ 19:24
その日、イスラエルはエジプトとアッスリヤと共に三つ相並び、全地のうちで祝福をうけるものとなる。
イザ 19:25
万軍の主は、これを祝福して言われる、「さいわいなるかな、わが民なるエジプト、わが手のわざなるアッスリヤ、わが嗣業なるイスラエル」と。
第20章
イザ 20:1
アッスリヤの王サルゴンからつかわされた最高司令官がアシドドに来て、これを攻め、これを取った年、――
イザ 20:2
その時に主はアモツの子イザヤによって語って言われた、「さあ、あなたの腰から荒布を解き、足からくつを脱ぎなさい」。そこでイザヤはそのようにし、裸、はだしで歩いた。――
イザ 20:3
主は言われた、「わがしもべイザヤは三年の間、裸、はだしで歩き、エジプトとエチオピヤに対するしるしとなり、前ぶれとなったが、
イザ 20:4
このようにエジプトびとのとりことエチオピヤびとの捕われ人とは、アッスリヤの王に引き行かれて、その若い者も老いた者もみな裸、はだしで、しりをあらわし、エジプトの恥を示す。
イザ 20:5
彼らはその頼みとしたエチオピヤのゆえに、その誇としたエジプトのゆえに恐れ、かつ恥じる。
イザ 20:6
その日には、この海べに住む民は言う、『見よ、われわれが頼みとした国、すなわちわれわれがのがれて行って助けを求め、アッスリヤ王から救い出されようとした国はすでにこのとおりである。われわれはどうしてのがれることができようか』と。」
第21章
イザ 21:1
海の荒野についての託宣。つむじ風がネゲブを吹き過ぎるように、荒野から、恐るべき地から、来るものがある。
イザ 21:2
わたしは一つのきびしい幻を示された。かすめ奪う者はかすめ奪い、滅ぼす者は滅ぼす。エラムよ、のぼれ、メデアよ、囲め。わたしはすべての嘆きをやめさせる。
イザ 21:3
それゆえ、わが腰は激しい痛みに満たされ、出産に臨む女の苦しみのような苦しみが/わたしを捕えた。わたしは、かがんで聞くことができず、恐れおののいて見ることができない。
イザ 21:4
わが心はみだれ惑い、わななき恐れること、はなはだしく、わたしのあこがれたたそがれは/変っておののきとなった。
イザ 21:5
彼らは食卓を設け、じゅうたんを敷いて食い飲みする。もろもろの君よ、立って、盾に油をぬれ。
イザ 21:6
主はわたしにこう言われた、「行って、見張りびとをおき、その見るところを告げさせよ。
イザ 21:7
馬に乗って二列に並んだ者と、ろばに乗った者と、らくだに乗った者とを彼が見るならば、耳を傾けてつまびらかに聞かせよ」。
イザ 21:8
その時、見張びとは呼ばわって言った、「主よ、わたしがひねもすやぐらに立ち、夜もすがらわが見張所に立っていると、
イザ 21:9
見よ、馬に乗って二列に並んだ者がここに来ます」。彼は答えて言った、「倒れた、バビロンは倒れた、その神々の像はことごとく打ち砕かれて/地に伏した」。
イザ 21:10
ああ、踏みにじられたわが民、わが打ち場の子よ、イスラエルの神、万軍の主から/わたしが聞いたところのものを/あなたがたに告げる。
イザ 21:11
ドマについての託宣。セイルからわたしに呼ばわる者がある、「夜回りよ、今は夜のなんどきですか、夜回りよ、今は夜のなんどきですか」。
イザ 21:12
夜回りは言う、「朝がきます、夜もまたきます。もしあなたがたが聞こうと思うならば聞きなさい、また来なさい」。
イザ 21:13
アラビヤについての託宣。デダンびとの隊商よ、あなたがたはアラビヤの林にやどる。
イザ 21:14
テマの地に住む民よ、水を携えて、かわいた者を迎え、パンをもって、逃げのがれた者を迎えよ。
イザ 21:15
彼らはつるぎを避け、抜いたつるぎを避け、張った弓を避け、また激しい戦いを避けて、逃げてきたからである。
イザ 21:16
主はわたしにこう言われた、「雇人の年期のように一年以内にケダルのすべての栄華はつきはてる。
イザ 21:17
ケダルの子らの勇士で、射手の残る者は少ない」。これはイスラエルの神、主が語られたのである。
第22章
イザ 22:1
幻の谷についての託宣。あなたがたはなぜ、みな屋根にのぼったのか。
イザ 22:2
叫び声で満ちている者、騒がしい都、喜びに酔っている町よ。あなたのうちの殺された者は/つるぎで殺されたのではなく、また戦いに倒れたのでもない。
イザ 22:3
あなたのつかさたちは皆共にのがれて行ったが、弓を捨てて捕えられた。彼らは遠く逃げて行ったが、あなたのうちの見つかった者はみな捕えられた。
イザ 22:4
それゆえ、わたしは言った、「わたしを顧みてくれるな、わたしはいたく泣き悲しむ。わが民の娘の滅びのために、わたしを慰めようと努めてはならない」。
イザ 22:5
万軍の神、主は幻の谷に/騒ぎと、踏みにじりと、混乱の日をこさせられる。城壁はくずれ落ち、叫び声は山に聞える。
イザ 22:6
エラムは箙を負い、戦車と騎兵とをもってきたり、キルは盾をあらわした。
イザ 22:7
あなたの最も美しい谷は戦車で満ち、騎兵はもろもろの門にむかって立った。
イザ 22:8
ユダを守るおおいは取り除かれた。その日あなたは林の家の武具を仰ぎ望んだ。
イザ 22:9
またあなたがたはダビデの町の破れの多いのを見、下の池の水を集め、
イザ 22:10
エルサレムの家を数え、またその家をこわして城壁を築き、
イザ 22:11
一つの貯水池を二つの城壁の間に造って古池の水をひいた。しかしあなたがたはこの事をなされた者を仰ぎ望まず、この事を昔から計画された者を顧みなかった。
イザ 22:12
その日、万軍の神、主は/泣き悲しみ、頭をかぶろにし、荒布をまとうことを命じられたが、
イザ 22:13
見よ、あなたがたは喜び楽しみ、牛をほふり、羊を殺し、肉を食い、酒を飲んで言う、「われわれは食い、かつ飲もう、明日は死ぬのだから」。
イザ 22:14
万軍の主はみずからわたしの耳に示された、「まことに、この不義はあなたがたが死ぬまで、ゆるされることはない」と/万軍の神、主は言われる。
イザ 22:15
万軍の神、主はこう言われる、「さあ、王の家をつかさどるこの執事セブナに行って言いなさい、
イザ 22:16
『あなたはここになんの係わりがありますか。あなたはだれの縁故でここに自分のために墓を掘ったのですか。あなたは高い所に墓を掘り、岩をうがって自分のためにすみかを造った。
イザ 22:17
強い人よ、見よ、主はあなたを激しくなげ倒される。主はあなたを堅くつかまえ、
イザ 22:18
ぐるぐるまわして、まりのように広々した地に投げられる。主人の家の恥となる者よ、あなたはそこで死に、あなたの華麗な車はそこに残る。
イザ 22:19
わたしは、あなたをその職から追い、その地位から引きおろす。
イザ 22:20
その日、わたしは、わがしもべヒルキヤの子エリアキムを呼んで、
イザ 22:21
あなたの衣を着せ、あなたの帯をしめさせ、あなたの権力を彼の手にゆだねる。彼はエルサレムの民とユダの家との父となる。
イザ 22:22
わたしはまたダビデの家のかぎを彼の肩に置く。彼が開けば閉じる者なく、彼が閉じれば開く者はない。
イザ 22:23
わたしは彼を堅い所に打ったくぎのようにする。そして彼はその父の家の誉の座となり、
イザ 22:24
その父の家のすべての重さは彼の上にかかる。すなわちその子、その孫およびすべての小さい器、鉢からすべてのびんにいたるまでみな、彼の上にかかる』」。
イザ 22:25
万軍の主は言われる、「その日、堅い所に打ったくぎは抜け、切られて落ちる。その上にかかっている荷もまた取り去られる」と主は語られた。
第23章
23
イザ 23:1
ツロについての託宣。タルシシのもろもろの船よ、泣き叫べ、ツロは荒れすたれて、家なく、船泊まりする港もないからだ。この事はクプロの地から彼らに告げ知らせられる。
イザ 23:2
海べに住む民よ、シドンの商人よ、もだせ、あなたがたの使者は海を渡り、大いなる水の上にあった。
イザ 23:3
ツロの収入はシホルの穀物、ナイル川の収穫であった。ツロはもろもろの国びとの商人であった。
イザ 23:4
シドンよ、恥じよ、海は言った、海の城は言う、「わたしは苦しまず、また産まなかった。わたしは若い男子を養わず、また処女を育てなかった」。
イザ 23:5
この報道がエジプトに達するとき、彼らはツロについての報道によって、いたく苦しむ。
イザ 23:6
タルシシに渡れ、海べに住む民よ、泣き叫べ。
イザ 23:7
これがその起源も古い町、自分の足で移り、遠くにまで移住した町、あなたがたの喜び誇る町なのか。
イザ 23:8
ツロにむかってこれを定めたのはだれか。ツロは冠を授けた町、その商人は君たち、その貿易業者は地の尊い人々であった。
イザ 23:9
万軍の主はすべての栄光の誇を汚し、地のすべての尊い者をはずかしめるために/これを定められたのだ。
イザ 23:10
タルシシの娘よ、ナイル川のようにおのが地にあふれよ。もはや束縛するものはない。
イザ 23:11
主はその手を海の上に伸べて/国々を震い動かされた。主はカナンについて詔を出し、そのとりでをこわされた。
イザ 23:12
主は言われた、「しえたげられた処女シドンの娘よ、あなたはもはや喜ぶことはない。立って、クプロに渡れ、そこでもあなたは安息を得ることはない」。
イザ 23:13
カルデヤびとの国を見よ、アッスリヤではなく、この民がツロを野の獣のすみかに定めた。彼らはやぐらを建て、もろもろの宮殿をこわして荒塚とした。
イザ 23:14
タルシシのもろもろの船よ、泣き叫べ、あなたがたのとりでは荒れすたれたから。
イザ 23:15
その日、ツロはひとりの王のながらえる日と同じく七十年の間忘れられ、七十年終って後、ツロは遊女の歌のようになる、
イザ 23:16
「忘れられた遊女よ、琴を執って町を経めぐり、巧みに弾じ、多くの歌をうたって、人に思い出されよ」。
イザ 23:17
七十年終って後、主はツロを顧みられる。ツロは再び淫行の価を得て、地のおもてにある世のすべての国々と姦淫を行い、
イザ 23:18
その商品とその価とは主にささげられる。これはたくわえられることなく、積まれることなく、その商品は主の前に住む者のために豊かな食物となり、みごとな衣服となる。
第24章
イザ 24:1
見よ、主はこの地をむなしくし、これを荒れすたれさせ、これをくつがえして、その民を散らされる。
イザ 24:2
そして、その民も祭司もひとしく、しもべも主人もひとしく、はしためも主婦もひとしく、買う者も売る者もひとしく、貸す者も借りる者もひとしく、債権者も債務者もひとしく、この事にあう。
イザ 24:3
地は全くむなしくされ、全くかすめられる。主がこの言葉を告げられたからである。
イザ 24:4
地は悲しみ、衰え、世はしおれ、衰え、天も地と共にしおれはてる。
イザ 24:5
地はその住む民の下に汚された。これは彼らが律法にそむき、定めを犯し、とこしえの契約を破ったからだ。
イザ 24:6
それゆえ、のろいは地をのみつくし、そこに住む者はその罪に苦しみ、また地の民は焼かれて、わずかの者が残される。
イザ 24:7
新しいぶどう酒は悲しみ、ぶどうはしおれ、心の楽しい者もみな嘆く。
イザ 24:8
鼓の音は静まり、喜ぶ者の騒ぎはやみ、琴の音もまた静まった。
イザ 24:9
彼らはもはや歌をうたって酒を飲まず、濃き酒はこれを飲む者に苦くなる。
イザ 24:10
混乱せる町は破られ、すべての家は閉ざされて、はいることができない。
イザ 24:11
ちまたには酒の不足のために叫ぶ声があり、すべての喜びは暗くなり、地の楽しみは追いやられた。
イザ 24:12
町には荒れすたれた所のみ残り、その門もこわされて破れた。
イザ 24:13
地のうちで、もろもろの民のなかで残るものは、オリブの木の打たれた後の実のように、ぶどうの収穫の終った後にその採り残りを/集めるときのようになる。
イザ 24:14
彼らは声をあげて喜び歌う。主の威光のゆえに、西から喜び呼ばわる。
イザ 24:15
それゆえ、東で主をあがめ、海沿いの国々でイスラエルの神、主の名をあがめよ。
イザ 24:16
われわれは地の果から、さんびの歌を聞いた、「栄光は正しい者にある」と。しかし、わたしは言う、「わたしはやせ衰える、わたしはやせ衰える、わたしはわざわいだ。欺く者はあざむき、欺く者は、はなはだしくあざむく」。
イザ 24:17
地に住む者よ、恐れと、落し穴と、わなとはあなたの上にある。
イザ 24:18
恐れの声をのがれる者は落し穴に陥り、落し穴から出る者はわなに捕えられる。天の窓は開け、地の基が震い動くからである。
イザ 24:19
地は全く砕け、地は裂け、地は激しく震い、
イザ 24:20
地は酔いどれのようによろめき、仮小屋のようにゆり動く。そのとがはその上に重く、ついに倒れて再び起きあがることはない。
イザ 24:21
その日、主は天において、天の軍勢を罰し、地の上で、地のもろもろの王を罰せられる。
イザ 24:22
彼らは囚人が土ろうの中に/集められるように集められて、獄屋の中に閉ざされ、多くの日を経て後、罰せられる。
イザ 24:23
こうして万軍の主がシオンの山/およびエルサレムで統べ治め、かつその長老たちの前に/その栄光をあらわされるので、月はあわて、日は恥じる。
第25章
イザ 25:1
主よ、あなたはわが神、わたしはあなたをあがめ、み名をほめたたえる。あなたはさきに驚くべきみわざを行い、いにしえから定めた計画を/真実をもって行われたから。
イザ 25:2
あなたは町を石塚とし、堅固な町を荒塚とされた。外国人のやかたは、もはや町ではなく、とこしえに建てられることはない。
イザ 25:3
それゆえ、強い民はあなたを尊び、あらぶる国々の町はあなたを恐れる。
イザ 25:4
あなたは貧しい者のとりでとなり、乏しい者の悩みのときのとりでとなり、あらしをさける避け所となり、熱さをさける陰となられた。あらぶる者の及ぼす害は、石がきを打つあらしのごとく、
イザ 25:5
かわいた地の熱さのようだからである。あなたは外国人の騒ぎをおさえ、雲が陰をもって熱をとどめるように/あらぶる者の歌をとどめられる。
イザ 25:6
万軍の主はこの山で、すべての民のために肥えたものをもって祝宴を設け、久しくたくわえたぶどう酒をもって祝宴を設けられる。すなわち髄の多い肥えたものと、よく澄んだ長くたくわえたぶどう酒をもって祝宴を設けられる。
イザ 25:7
また主はこの山で、すべての民のかぶっている顔おおいと、すべての国のおおっているおおい物とを破られる。
イザ 25:8
主はとこしえに死を滅ぼし、主なる神はすべての顔から涙をぬぐい、その民のはずかしめを全地の上から除かれる。これは主の語られたことである。
イザ 25:9
その日、人は言う、「見よ、これはわれわれの神である。わたしたちは彼を待ち望んだ。彼はわたしたちを救われる。これは主である。わたしたちは彼を待ち望んだ。わたしたちはその救を喜び楽しもう」と。
イザ 25:10
主の手はこの山にとどまり、モアブは肥だめの中に踏まれるわらのように、おのれの所で踏みにじられる。
イザ 25:11
彼はその中で泳ぐ物が泳ごうとして手を伸ばすように、その手を伸ばす。しかし主はその高ぶりを、その手の巧みなわざと共に低くされる。
イザ 25:12
その石がきの高い城郭を主は傾け倒し、地に投げうって、ちりにかえされる。
第26章
イザ 26:1
その日ユダの国で、この歌をうたう、「われわれは堅固な町をもつ。主は救をその石がきとし、またとりでとされる。
イザ 26:2
門を開いて、信仰を守る正しい国民を入れよ。
イザ 26:3
あなたは全き平安をもって/こころざしの堅固なものを守られる。彼はあなたに信頼しているからである。
イザ 26:4
とこしえに主に信頼せよ、主なる神はとこしえの岩だからである。
イザ 26:5
主は高き所、そびえたつ町に住む者をひきおろし、これを伏させ、これを地に伏させて、ちりにかえされる。
イザ 26:6
こうして足で踏まれ、貧しい者の足で踏まれ、乏しい者はその上を歩む」。
イザ 26:7
正しい者の道は平らである。あなたは正しい者の道をなめらかにされる。
イザ 26:8
主よ、あなたがさばきをなさる道で、われわれはあなたを待ち望む。われわれの魂の慕うものは、あなたの記念の名である。
イザ 26:9
わが魂は夜あなたを慕い、わがうちなる霊は、せつにあなたを求める。あなたのさばきが地に行われるとき、世に住む者は正義を学ぶからである。
イザ 26:10
悪しき者は恵まれても、なお正義を学ばず、正しい地にあっても不義を行い、主の威光を仰ぐことをしない。
イザ 26:11
主よ、あなたのみ手が高くあがるけれども、彼らはそれを顧みない。どうか、あなたの、おのが民を救われる熱心を/彼らに見させて、大いに恥じさせ、火をもってあなたの敵を焼き滅ぼしてください。
イザ 26:12
主よ、あなたはわれわれのために/平和を設けられる。あなたはわれわれのために/われわれのすべてのわざをなし遂げられた。
イザ 26:13
われわれの神、主よ、あなた以外のもろもろの主がわれわれを治めた。しかし、われわれはただ、あなたの名のみをあがめる。
イザ 26:14
死んだ者はまた生きない。亡霊は生き返らない。それで、あなたは彼らを罰して滅ぼし、彼らの思い出をことごとく消し去られた。
イザ 26:15
主よ、あなたはこの国民を増し加えられた。あなたはこの国民を増し加えられた。あなたは栄光をあらわされた。あなたは地の境を四方に広げられた。
イザ 26:16
主よ、彼らは悩みのとき、あなたに求めた。彼らがあなたの懲らしめにあったとき、祈をささげた。
イザ 26:17
主よ、はらめる女の産むときが近づいて苦しみ、その痛みによって叫ぶように、われわれはあなたのゆえに、そのようであった。
イザ 26:18
われわれは、はらみ、苦しんだ。しかしわれわれの産んだものは風にすぎなかった。われわれは救を地に施すこともせず、また世に住む者を滅ぼすこともしなかった。
イザ 26:19
あなたの死者は生き、彼らのなきがらは起きる。ちりに伏す者よ、さめて喜びうたえ。あなたの露は光の露であって、それを亡霊の国の上に降らされるからである。
イザ 26:20
さあ、わが民よ、あなたのへやにはいり、あなたのうしろの戸を閉じて、憤りの過ぎ去るまで、しばらく隠れよ。
イザ 26:21
見よ、主はそのおられる所を出て、地に住む者の不義を罰せられる。地はその上に流された血をあらわして、殺された者を、もはやおおうことがない。
第27章
イザ 27:1
その日、主は堅く大いなる強いつるぎで逃げるへびレビヤタン、曲りくねるへびレビヤタンを罰し、また海におる龍を殺される。
イザ 27:2
その日/「麗しきぶどう畑よ、このことを歌え。
イザ 27:3
主なるわたしはこれを守り、常に水をそそぎ、夜も昼も守って、そこなう者のないようにする。
イザ 27:4
わたしは憤らない。いばら、おどろがわたしと戦うなら、わたしは進んでこれを攻め、皆もろともに焼きつくす。
イザ 27:5
それを望まないなら、わたしの保護にたよって、わたしと和らぎをなせ、わたしと和らぎをなせ」。
イザ 27:6
後になれば、ヤコブは根をはり、イスラエルは芽を出して花咲き、その実を全世界に満たす。
イザ 27:7
主は彼らを撃った者を撃たれたように/彼らを撃たれたか。あるいは彼らを殺した者が殺されたように/彼らは殺されたか。
イザ 27:8
あなたは彼らと争って、彼らを追放された。主は東風の日に、その激しい風をもって/彼らを移しやられた。
イザ 27:9
それゆえ、ヤコブの不義は/これによって、あがなわれる。これによって結ぶ実は彼の罪を除く。すなわち彼が祭壇のすべての石を/砕けた白堊のようにし、アシラ像と香の祭壇とを再び建てないことである。
イザ 27:10
堅固な町は荒れてさびしく、捨て去られたすまいは荒野のようだ。子牛はそこに草を食い、そこに伏して、その木の枝を裸にする。
イザ 27:11
その枝が枯れると、折り取られ、女が来てそれを燃やす。これは無知の民だからである。それゆえ、彼らを造られた主は/彼らをあわれまれない。彼らを形造られた主は、彼らを恵まれない。
イザ 27:12
イスラエルの人々よ、その日、主はユフラテ川からエジプトの川にいたるまで穀物の穂を打ち落される。そしてあなたがたは、ひとりびとり集められる。
イザ 27:13
その日大いなるラッパが鳴りひびき、アッスリヤの地にある失われた者と、エジプトの地に追いやられた者とがきて、エルサレムの聖山で主を拝む。
第28章
イザ 28:1
エフライムの酔いどれの誇る冠と、酒におぼれた者の肥えた谷のかしらにある/しぼみゆく花の美しい飾りは、わざわいだ。
イザ 28:2
見よ、主はひとりの力ある強い者を持っておられる。これはひょうをまじえた暴風のように、破り、そこなう暴風雨のように、大水のあふれみなぎる暴風のように、それを激しく地に投げうつ。
イザ 28:3
エフライムの酔いどれの誇る冠は/足で踏みにじられる。
イザ 28:4
肥えた谷のかしらにある/しぼみゆく花の美しい飾りは、夏前に熟した初なりのいちじくのようだ。人がこれを見ると、取るやいなや、食べてしまう。
イザ 28:5
その日、万軍の主はその民の残った者のために、栄えの冠となり、麗しい冠となられる。
イザ 28:6
また、さばきの席に座する者にはさばきの霊となり、戦いを門まで追い返す者には力となられる。
イザ 28:7
しかし、これらもまた酒のゆえによろめき、濃き酒のゆえによろける。祭司と預言者とは濃き酒のゆえによろめき、酒のゆえに心みだれ、濃き酒のゆえによろける。彼らは幻を見るときに誤り、さばきを行うときにつまづく。
イザ 28:8
すべての食卓は吐いた物で満ち、清い所はない。
イザ 28:9
「彼はだれに知識を教えようとするのか。だれにおとずれを説きあかそうとするのか。乳をやめ、乳ぶさを離れた者にするのだろうか。
イザ 28:10
それは教訓に教訓、教訓に教訓、規則に規則、規則に規則。ここにも少し、そこにも少し教えるのだ」。
イザ 28:11
否、むしろ主は異国のくちびると、異国の舌とをもってこの民に語られる。
イザ 28:12
主はさきに彼らに言われた、「これが安息だ、疲れた者に安息を与えよ。これが休息だ」と。しかし彼らは聞こうとはしなかった。
イザ 28:13
それゆえ、主の言葉は彼らに、教訓に教訓、教訓に教訓、規則に規則、規則に規則、ここにも少し、そこにも少しとなる。これは彼らが行って、うしろに倒れ、破られ、わなにかけられ、捕えられるためである。
イザ 28:14
それゆえ、エルサレムにあるこの民を治める/あざける人々よ、主の言葉を聞け。
イザ 28:15
あなたがたは言った、「われわれは死と契約をなし、陰府と協定を結んだ。みなぎりあふれる災の過ぎる時にも、それはわれわれに来ない。われわれはうそを避け所となし、偽りをもって身をかくしたからである」。
イザ 28:16
それゆえ、主なる神はこう言われる、「見よ、わたしはシオンに/一つの石をすえて基とした。これは試みを経た石、堅くすえた尊い隅の石である。『信ずる者はあわてることはない』。
イザ 28:17
わたしは公平を、測りなわとし、正義を、下げ振りとする。ひょうは偽りの避け所を滅ぼし、水は隠れ場を押し倒す」。
イザ 28:18
その時あなたがたが死とたてた契約は取り消され、陰府と結んだ協定は行われない。みなぎりあふれる災の過ぎるとき、あなたがたはこれによって打ち倒される。
イザ 28:19
それが過ぎるごとに、あなたがたを捕える。それは朝な朝な過ぎ、昼も夜も過ぎるからだ。このおとずれを聞きわきまえることは、全くの恐れである。
イザ 28:20
床が短くて身を伸べることができず、かける夜具が狭くて/身をおおうことができないからだ。
イザ 28:21
主はペラジム山で立たれたように立ちあがり、ギベオンの谷で憤られたように憤られて、その行いをなされる。その行いは類のないものである。またそのわざをなされる。そのわざは異なったものである。
イザ 28:22
それゆえ、あなたがたはあざけってはならない。さもないと、あなたがたのなわめは、きびしくなる。わたしは主なる万軍の神から/全地の上に臨む滅びの宣言を聞いたからである。
イザ 28:23
あなたがたは耳を傾けて、わが声を聞くがよい。心してわが言葉を聞くがよい。
イザ 28:24
種をまくために耕す者は絶えず耕すだろうか。彼は絶えずその地をひらき、まぐわをもって土をならすだろうか。
イザ 28:25
地のおもてを平らにしたならば、いのんどをまき、クミンをまき、小麦をうねに植え、大麦を定めた所に植え、スペルト麦をその境に植えないだろうか。
イザ 28:26
これは彼の神が正しく、彼を導き教えられるからである。
イザ 28:27
いのんどは麦こき板でこかない、クミンはその上に車輪をころがさない。いのんどを打つには棒を用い、クミンを打つにはさおを用いる。
イザ 28:28
人はパン用の麦を打つとき砕くだろうか、否、それが砕けるまでいつまでも打つことをしない。馬をもってその上に車輪を引かせるとき、それを砕くことをしない。
イザ 28:29
これもまた万軍の主から出ることである。その計りごとは驚くべく、その知恵はすぐれている。
第29章
イザ 29:1
ああ、アリエルよ、アリエルよ、ダビデが営をかまえた町よ、年に年を加え、祭をめぐりこさせよ。
イザ 29:2
その時わたしはアリエルを悩ます。そこには悲しみと嘆きとがあって、アリエルのようなものとなる。
イザ 29:3
わたしはあなたのまわりに営を構え、やぐらをもってあなたを囲み、塁を築いてあなたを攻める。
イザ 29:4
その時あなたは深い地の中から物言い、低いちりの中から言葉を出す。あなたの声は亡霊の声のように地から出、あなたの言葉はちりの中から、さえずるようである。
イザ 29:5
しかしあなたのあだの群れは/細かなちりのようになり、あらぶる者の群れは/吹き去られるもみがらのようになる。また、にわかに、またたくまに、この事がある。
イザ 29:6
すなわち万軍の主は雷、地震、大いなる叫び、つむじ風、暴風および焼きつくす火の炎をもって/臨まれる。
イザ 29:7
そしてアリエルを攻めて戦う国々の群れ、すなわちアリエルとその城を攻めて戦い、これを悩ます者はみな/夢のように、夜の幻のようになる。
イザ 29:8
飢えた者が食べることを夢みても、さめると、その飢えがいえないように、あるいは、かわいた者が飲むことを夢みても、さめると、疲れてそのかわきがとまらないように、シオンの山を攻めて戦う国々の群れも/そのようになる。
イザ 29:9
あなたがたは知覚を失って気が遠くなれ、目がくらんで見えなくなれ。あなたがたは酔っていよ、しかし酒のゆえではない、よろめけ、しかし濃き酒のゆえではない。
イザ 29:10
主が深い眠りの霊をあなたがたの上にそそぎ、あなたがたの目である預言者を閉じこめ、あなたがたの頭である先見者を/おおわれたからである。
イザ 29:11
それゆえ、このすべての幻は、あなたがたには封じた書物の言葉のようになり、人々はこれを読むことのできる者にわたして、「これを読んでください」と言えば、「これは封じてあるから読むことができない」と彼は言う。
イザ 29:12
またその書物を読むことのできない者にわたして、「これを読んでください」と言えば、「読むことはできない」と彼は言う。
イザ 29:13
主は言われた、「この民は口をもってわたしに近づき、くちびるをもってわたしを敬うけれども、その心はわたしから遠く離れ、彼らのわたしをかしこみ恐れるのは、そらで覚えた人の戒めによるのである。
イザ 29:14
それゆえ、見よ、わたしはこの民に、再び驚くべきわざを行う、それは不思議な驚くべきわざである。彼らのうちの賢い人の知恵は滅び、さとい人の知識は隠される」。
イザ 29:15
わざわいなるかな、おのが計りごとを主に深く隠す者。彼らは暗い中でわざを行い、「だれがわれわれを見るか、だれがわれわれのことを知るか」と言う。
イザ 29:16
あなたがたは転倒して考えている。陶器師は粘土と同じものに思われるだろうか。造られた物はそれを造った者について、「彼はわたしを造らなかった」と言い、形造られた物は形造った者について、「彼は知恵がない」と言うことができようか。
イザ 29:17
しばらくしてレバノンは変って肥えた畑となり、肥えた畑は林のように/思われる時が来るではないか。
イザ 29:18
その日、耳しいは書物の言葉を聞き、目しいの目はその暗やみから、見ることができる。
イザ 29:19
柔和な者は主によって新たなる喜びを得、人のなかの貧しい者は/イスラエルの聖者によって楽しみを得る。
イザ 29:20
あらぶる者は絶え、あざける者はうせ、悪を行おうと、おりをうかがう者は、ことごとく断ち滅ぼされるからである。
イザ 29:21
彼らは言葉によって人を罪に定め、町の門でいさめる者をわなにおとしいれ、むなしい言葉をかまえて正しい者をしりぞける。
イザ 29:22
それゆえ、昔アブラハムをあがなわれた主は、ヤコブの家についてこう言われる、「ヤコブは、もはやはずかしめを受けず、その顔は、もはや色を失うことはない。
イザ 29:23
彼の子孫が、その中にわが手のわざを見るとき、彼らはわが名を聖とし、ヤコブの聖者を聖として、イスラエルの神を恐れる。
イザ 29:24
心のあやまれる者も、悟りを得、つぶやく者も教をうける」。
第30章
イザ 30:1
主は言われる、「そむける子らはわざわいだ、彼らは計りごとを行うけれども、わたしによってではない。彼らは同盟を結ぶけれども、わが霊によってではない、罪に罪を加えるためだ。
イザ 30:2
彼らはわが言葉を求めず、エジプトへ下っていって、パロの保護にたより、エジプトの陰に隠れようとする。
イザ 30:3
それゆえ、パロの保護は/かえってあなたがたの恥となり、エジプトの陰に隠れることは/あなたがたのはずかしめとなる。
イザ 30:4
たとい、彼の君たちがゾアンにあり、彼の使者たちがハネスに来ても、
イザ 30:5
彼らは皆おのれを益することのできない民により、すなわち助けとならず、益とならず、かえって恥となり、はずかしめとなる民によって、恥をかくからである」。
イザ 30:6
ネゲブの獣についての託宣。彼らはその富を若いろばの背に負わせ、その宝をらくだの背に負わせて、雌じし、雄じし、まむしおよび飛びかけるへびの出る/悩みと苦しみの国を通って、おのれを益することのできない民に行く。
イザ 30:7
そのエジプトの助けは無益であって、むなしい。それゆえ、わたしはこれを/「休んでいるラハブ」と呼んだ。
イザ 30:8
いま行って、これを彼らの前で札にしるし、書物に載せ、後の世に伝えて、とこしえにあかしとせよ。
イザ 30:9
彼らはそむける民、偽りを言う子ら、主の教を聞こうとしない子らだ。
イザ 30:10
彼らは先見者にむかって「見るな」と言い、預言者にむかっては/「正しい事をわれわれに預言するな、耳に聞きよいことを語れ、迷わしごとを預言せよ。
イザ 30:11
大路を去り、小路をはなれ、イスラエルの聖者について語り聞かすな」と言う。
イザ 30:12
それゆえ、イスラエルの聖者はこう言われる、「あなたがたはこの言葉を侮り、しえたげと、よこしまとを頼み、これにたよるがゆえに、
イザ 30:13
この不義はあなたがたには/突き出て、くずれ落ちようとする高い石がきの/破れのようであって、その倒壊はにわかに、またたくまに来る。
イザ 30:14
その破れることは陶器師の器を破るように/惜しむことなく打ち砕き、その砕けのなかには、炉から火を取り、池から水をくめるほどの、ひとかけらさえ/見いだされない」。
イザ 30:15
主なる神、イスラエルの聖者はこう言われた、「あなたがたは立ち返って、落ち着いているならば救われ、穏やかにして信頼しているならば力を得る」。しかし、あなたがたはこの事を好まなかった。
イザ 30:16
かえって、あなたがたは言った、「否、われわれは馬に乗って、とんで行こう」と。それゆえ、あなたがたはとんで帰る。また言った、「われらは速い馬に乗ろう」と。それゆえ、あなたがたを追う者は速い。
イザ 30:17
ひとりの威嚇によって千人は逃げ、五人の威嚇によってあなたがたは逃げて、その残る者はわずかに/山の頂にある旗ざおのように、丘の上にある旗のようになる。
イザ 30:18
それゆえ、主は待っていて、あなたがたに恵を施される。それゆえ、主は立ちあがって、あなたがたをあわれまれる。主は公平の神でいらせられる。すべて主を待ち望む者はさいわいである。
イザ 30:19
シオンにおり、エルサレムに住む民よ、あなたはもはや泣くことはない。主はあなたの呼ばわる声に応じて、必ずあなたに恵みを施される。主がそれを聞かれるとき、直ちに答えられる。
イザ 30:20
たとい主はあなたがたに悩みのパンと苦しみの水を与えられても、あなたの師は再び隠れることはなく、あなたの目はあなたの師を見る。
イザ 30:21
また、あなたが右に行き、あるいは左に行く時、そのうしろで「これは道だ、これに歩め」と言う言葉を耳に聞く。
イザ 30:22
その時、あなたがたはしろがねをおおった刻んだ像と、こがねを張った鋳た像とを汚し、これをきたない物のようにまき散らして、これに「去れ」と言う。
イザ 30:23
主はあなたが地にまく種に雨を与え、地の産物なる穀物をくださる。それはおびただしく、かつ豊かである。その日あなたの家畜は広い牧場で草を食べ、
イザ 30:24
地を耕す牛と、ろばは、シャベルと、くまででより分けて塩を加えた飼料を食べる。
イザ 30:25
大いなる虐殺の日、やぐらの倒れる時、すべてのそびえたつ山と、すべての高い丘に水の流れる川がある。
イザ 30:26
さらに主がその民の傷を包み、その打たれた傷をいやされる日には、月の光は日の光のようになり、日の光は七倍となり、七つの日の光のようにになる。
イザ 30:27
見よ、主の名は遠い所から/燃える怒りと、立ちあがる濃い煙をもって来る。そのくちびるは憤りで満ち、その舌は焼きつくす火のごとく、
イザ 30:28
その息はあふれて首にまで達する/流れのようであって、滅びのふるいをもってもろもろの国をふるい、また惑わす手綱を/もろもろの民のあごにつけるために来る。
イザ 30:29
あなたがたは、聖なる祭を守る夜のように歌をうたう。また笛をならして主の山にきたり、イスラエルの岩なる主にまみえる時のように心に喜ぶ。
イザ 30:30
主はその威厳ある声を聞かせ、激しい怒りと、焼きつくす火の炎と、豪雨と、暴風と、ひょうとをもってその腕の下ることを示される。
イザ 30:31
主がそのむちをもって打たれる時、アッスリヤの人々は主の声によって恐れおののく。
イザ 30:32
主が懲らしめのつえを彼らの上に加えられるごとに鼓を鳴らし、琴をひく。主は腕を振りかざして、彼らと戦われる。
イザ 30:33
焼き場はすでに設けられた。しかも王のために深く広く備えられ、火と多くのたきぎが積まれてある。主の息はこれを硫黄の流れのように燃やす。