詩篇 第5巻(131章~150章)A19



第131


詩 131:0

 ダビデがよんだ都もうでの歌

131

詩 131:1

 主よ、わが心はおごらず、わが目は高ぶらず、わたしはわが力の及ばない大いなる事と/くすしきわざとに関係いたしません。

詩 131:2

 かえって、乳離れしたみどりごが、その母のふところに安らかにあるように、わたしはわが魂を静め、かつ安らかにしました。わが魂は乳離れしたみどりごのように、安らかです。

詩 131:3

 イスラエルよ、今からとこしえに/主によって望みをいだけ。


第132


詩 132:0

 都もうでの歌

132

詩 132:1

 主よ、ダビデのために、そのもろもろの辛苦をみこころにとめてください。

詩 132:2

 ダビデは主に誓い、ヤコブの全能者に誓いを立てて言いました、

詩 132:3

 「わたしは主のために所を捜し出し、ヤコブの全能者のためにすまいを求め得るまでは、わが家に入らず、わが寝台に上らず、わが目に眠りを与えず、わがまぶたにまどろみを与えません」。

詩 132:4

 (3節に合節)

詩 132:5

 (3、4節に合節)

詩 132:6

 見よ、われらはエフラタでそれを聞き、ヤアルの野でそれを見とめた。

詩 132:7

 「われらはそのすまいへ行って、その足台のもとにひれ伏そう」。

詩 132:8

 主よ、起きて、あなたの力のはこと共に、あなたの安息所におはいりください。

詩 132:9

 あなたの祭司たちに義をまとわせ、あなたの聖徒たちに喜び呼ばわらせてください。

詩 132:10

 あなたのしもべダビデのために、あなたの油そそがれた者の顔を、しりぞけないでください。

詩 132:11

 主はまことをもってダビデに誓われたので、それにそむくことはない。すなわち言われた、「わたしはあなたの身から出た子のひとりを、あなたの位につかせる。

詩 132:12

 もしあなたの子らがわたしの教える/契約と、あかしとを守るならば、その子らもまた、とこしえに/あなたの位に座するであろう」。

詩 132:13

 主はシオンを選び、それをご自分のすみかにしようと望んで言われた、

詩 132:14

 「これはとこしえにわが安息所である。わたしはこれを望んだゆえ、ここに住む。

詩 132:15

 わたしはシオンの糧食を豊かに祝福し、食物をもってその貧しい者を飽かせる。

詩 132:16

 またわたしはその祭司たちに救を着せる。その聖徒たちは声高らかに喜び呼ばわるであろう。

詩 132:17

 わたしはダビデのために/そこに一つの角をはえさせる。わたしはわが油そそがれた者のために/一つのともしびを備えた。

詩 132:18

 わたしは彼の敵に恥を着せる。しかし彼の上にはその冠が輝くであろう」。

 


第133


詩 133:0

 ダビデがよんだ都もうでの歌

133

詩 133:1

 見よ、兄弟が和合して共におるのは/いかに麗しく楽しいことであろう。

詩 133:2

 それはこうべに注がれた尊い油がひげに流れ、アロンのひげに流れ、その衣のえりにまで流れくだるようだ。

詩 133:3

 

 またヘルモンの露がシオンの山に下るようだ。これは主がかしこに祝福を命じ、とこしえに命を与えられたからである。


第134


詩 134:0

 都もうでの歌

134

詩 134:1

 見よ、夜、主の家に立って/主に仕えるすべてのしもべよ、主をほめよ。

詩 134:2

 聖所にむかってあなたがたの手をあげ、主をほめよ。

詩 134:3

 どうぞ主、天と地を造られた者、シオンからあなたを祝福されるように。


第135


詩 135:1

 主をほめたたえよ、主のみ名をほめたたえよ。主のしもべたちよ、ほめたたえよ。

詩 135:2

 主の家に立つ者、われらの神の家の大庭に立つ者よ、ほめたたえよ。

詩 135:3

 主は恵みふかい、主をほめたたえよ。主は情ぶかい、そのみ名をほめ歌え。

詩 135:4

 主はおのがためにヤコブを選び、イスラエルを選んで、おのれの所有とされた。

詩 135:5

 わたしは主の大いなることと、われらの主のすべての神に/まさることとを知っている。

詩 135:6

 主はそのみこころにかなう事を、天にも地にも、海にもすべての淵にも行われる。

詩 135:7

 主は地のはてから雲をのぼらせ、雨のためにいなずまを造り、その倉から風を出される。

詩 135:8

 主は人から獣にいたるまで、エジプトのういごを撃たれた。

詩 135:9

 エジプトよ、主はおまえの中に、しるしと不思議とを送って、パロとそのすべてのしもべとに臨まれた。

詩 135:10

 主は多くの国民を撃ち、力ある王たちを殺された。

詩 135:11

 すなわちアモリびとの王シホン、バシャンの王オグ、ならびにカナンのすべての国々である。

詩 135:12

 主は彼らの地を嗣業とし、その民イスラエルに嗣業として与えられた。

詩 135:13

 主よ、あなたのみ名はとこしえに絶えることがない。主よ、あなたの名声はよろずよに及ぶ。

詩 135:14

 主はその民をさばき、そのしもべらにあわれみをかけられるからである。

詩 135:15

 もろもろの国民の偶像はしろがねと、こがねで、人の手のわざである。

詩 135:16

 それは口があっても語ることができない。目があっても見ることができない。

詩 135:17

 耳があっても聞くことができない。またその口には息がない。

詩 135:18

 これを造る者と、これに信頼する者とはみな、これと等しい者になる。

詩 135:19

 イスラエルの家よ、主をほめよ。アロンの家よ、主をほめよ。

詩 135:20

 レビの家よ、主をほめよ。主を恐れる者よ、主をほめまつれ。

詩 135:21

 エルサレムに住まわれる主は、シオンからほめたたえらるべきである。主をほめたたえよ。


第136


詩 136:1

 主に感謝せよ、主は恵みふかく、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:2

 もろもろの神の神に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:3

 もろもろの主の主に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:4

 ただひとり大いなるくすしきみわざを/なされる者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:5

 知恵をもって天を造られた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:6

 地を水の上に敷かれた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:7

 大いなる光を造られた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:8

 昼をつかさどらすために日を造られた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:9

 夜をつかさどらすために月と、もろもろの星とを造られた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:10

 エジプトのういごを撃たれた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:11

 イスラエルをエジプトびとの中から/導き出された者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:12

 強い手と伸ばした腕とをもって、これを救い出された者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:13

 紅海を二つに分けられた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:14

 イスラエルにその中を通らせられた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:15

 パロとその軍勢とを紅海で/打ち敗られた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:16

 その民を導いて荒野を通らせられた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:17

 大いなる王たちを撃たれた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:18

 名ある王たちを殺された者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:19

 アモリびとの王シホンを殺された者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:20

 バシャンの王オグを殺された者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:21

 彼らの地を嗣業として与えられた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:22

 そのしもべイスラエルに嗣業として/これを与えられた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:23

 われらが卑しかった時に/われらをみこころにとめられた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:24

 われらのあだからわれらを/助け出された者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:25

 すべての肉なる者に食物を与えられる者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

詩 136:26

 天の神に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。


第137


詩 137:1

 われらは/バビロンの川のほとりにすわり、シオンを思い出して涙を流した。

詩 137:2

 われらはその中のやなぎにわれらの琴をかけた。

詩 137:3

 われらをとりこにした者が、われらに歌を求めたからである。われらを苦しめる者が楽しみにしようと、「われらにシオンの歌を一つうたえ」と言った。

詩 137:4

 われらは外国にあって、どうして主の歌をうたえようか。

詩 137:5

 エルサレムよ、もしわたしがあなたを忘れるならば、わが右の手を衰えさせてください。

詩 137:6

 もしわたしがあなたを思い出さないならば、もしわたしがエルサレムを/わが最高の喜びとしないならば、わが舌をあごにつかせてください。

詩 137:7

 主よ、エドムの人々がエルサレムの日に、「これを破壊せよ、これを破壊せよ、その基までも破壊せよ」と/言ったことを覚えてください。

詩 137:8

 破壊者であるバビロンの娘よ、あなたがわれらにしたことを、あなたに仕返しする人はさいわいである。

詩 137:9

 あなたのみどりごを取って/岩になげうつ者はさいわいである。


第138


詩 138:0

 ダビデの歌

138

詩 138:1

 主よ、わたしは心をつくしてあなたに感謝し、もろもろの神の前であなたをほめ歌います。

詩 138:2

 わたしはあなたの聖なる宮にむかって伏し拝み、あなたのいつくしみと、まこととのゆえに、み名に感謝します。あなたはそのみ名と、み言葉を/すべてのものにまさって高くされたからです。

詩 138:3

 あなたはわたしが呼ばわった日にわたしに答え、わが魂の力を増し加えられました。

詩 138:4

 主よ、地のすべての王はあなたに感謝するでしょう。彼らはあなたの口のもろもろの言葉を/聞いたからです。

詩 138:5

 彼らは主のもろもろの道について歌うでしょう。主の栄光は大きいからです。

詩 138:6

 主は高くいらせられるが低い者をかえりみられる。しかし高ぶる者を遠くから知られる。

詩 138:7

 たといわたしが悩みのなかを歩いても、あなたはわたしを生かし、み手を伸ばしてわが敵の怒りを防ぎ、あなたの右の手はわたしを救われます。

詩 138:8

 主はわたしのために、みこころをなしとげられる。主よ、あなたのいつくしみは/とこしえに絶えることはありません。あなたのみ手のわざを捨てないでください。


第139


詩 139:0

 聖歌隊の指揮者によってうたわせたダビデの歌

139

詩 139:1

 主よ、あなたはわたしを探り、わたしを知りつくされました。

詩 139:2

 あなたはわがすわるをも、立つをも知り、遠くからわが思いをわきまえられます。

詩 139:3

 あなたはわが歩むをも、伏すをも探り出し、わがもろもろの道をことごとく知っておられます。

詩 139:4

 わたしの舌に一言もないのに、主よ、あなたはことごとくそれを知られます。

詩 139:5

 あなたは後から、前からわたしを囲み、わたしの上にみ手をおかれます。

詩 139:6

 このような知識はあまりに不思議で、わたしには思いも及びません。これは高くて達することはできません。

詩 139:7

 わたしはどこへ行って、あなたのみたまを離れましょうか。わたしはどこへ行って、あなたのみ前をのがれましょうか。

詩 139:8

 わたしが天にのぼっても、あなたはそこにおられます。わたしが陰府に床を設けても、あなたはそこにおられます。

詩 139:9

 わたしがあけぼのの翼をかって海のはてに住んでも、

詩 139:10

 あなたのみ手はその所でわたしを導き、あなたの右のみ手はわたしをささえられます。

詩 139:11

 「やみはわたしをおおい、わたしを囲む光は夜となれ」とわたしが言っても、

詩 139:12

 あなたには、やみも暗くはなく、夜も昼のように輝きます。あなたには、やみも光も異なることはありません。

詩 139:13

 あなたはわが内臓をつくり、わが母の胎内でわたしを組み立てられました。

詩 139:14

 わたしはあなたをほめたたえます。あなたは恐るべく、くすしき方だからです。あなたのみわざはくすしく、あなたは最もよくわたしを知っておられます。

詩 139:15

 わたしが隠れた所で造られ、地の深い所でつづり合わされたとき、わたしの骨はあなたに隠れることがなかった。

詩 139:16

 あなたの目は、まだできあがらないわたしのからだを見られた。わたしのためにつくられたわがよわいの日の/まだ一日もなかったとき、その日はことごとくあなたの書にしるされた。

詩 139:17

 神よ、あなたのもろもろのみ思いは、なんとわたしに尊いことでしょう。その全体はなんと広大なことでしょう。

詩 139:18

 わたしがこれを数えようとすれば、その数は砂よりも多い。わたしが目ざめるとき、わたしはなおあなたと共にいます。

詩 139:19

 神よ、どうか悪しき者を殺してください。血を流す者をわたしから離れ去らせてください。

詩 139:20

 彼らは敵意をもってあなたをあなどり、あなたに逆らって高ぶり、悪を行う人々です。

詩 139:21

 主よ、わたしはあなたを憎む者を憎み、あなたに逆らって起り立つ者を/いとうではありませんか。

詩 139:22

 わたしは全く彼らを憎み、彼らをわたしの敵と思います。

詩 139:23

 神よ、どうか、わたしを探って、わが心を知り、わたしを試みて、わがもろもろの思いを/知ってください。

詩 139:24

 わたしに悪しき道のあるかないかを見て、わたしをとこしえの道に導いてください。


第140


詩 140:0

 聖歌隊の指揮者によってうたわせたダビデの歌

140

詩 140:1

 主よ、悪しき人々からわたしを助け出し、わたしを守って、乱暴な人々からのがれさせてください。

詩 140:2

 彼らは心のうちに悪い事をはかり、絶えず戦いを起します。

詩 140:3

 彼らはへびのようにおのが舌を鋭くし、そのくちびるの下にはまむしの毒があります。〔セラ

詩 140:4

 主よ、わたしを保って、悪しき人の手からのがれさせ、わたしを守って、わが足をつまずかせようとする/乱暴な人々からのがれさせてください。

詩 140:5

 高ぶる者はわたしのためにわなを伏せ、綱をもって網を張り、道のほとりにわなを設けました。〔セラ

詩 140:6

 わたしは主に言います、「あなたはわが神です。主よ、わが願いの声に耳を傾けてください。

詩 140:7

 わが救の力、主なる神よ、あなたは戦いの日に、わがこうべをおおわれました。

詩 140:8

 主よ、悪しき人の願いをゆるさないでください。その悪しき計画をとげさせないでください。〔セラ

詩 140:9

 わたしを囲む者がそのこうべをあげるとき、そのくちびるの害悪で彼らをおおってください。

詩 140:10

 燃える炭を彼らの上に落してください。彼らを穴に投げ入れ、再び上がることのできないようにしてください。

詩 140:11

 悪口を言う者を世に立たせないでください。乱暴な人をすみやかに災に追い捕えさせてください」。

詩 140:12

 わたしは主が苦しむ者の訴えをたすけ、貧しい者のために正しいさばきを行われることを知っています。

詩 140:13

 正しい人は必ずみ名に感謝し、直き人はみ前に住むでしょう。


第141


詩 141:0

 ダビデの歌

141

詩 141:1

 主よ、わたしはあなたに呼ばわります。すみやかにわたしをお助けください。わたしがあなたに呼ばわるとき、わが声に耳を傾けてください。

詩 141:2

 わたしの祈を、み前にささげる薫香のようにみなし、わたしのあげる手を、夕べの供え物のようにみなしてください。

詩 141:3

 主よ、わが口に門守を置いて、わがくちびるの戸を守ってください。

詩 141:4

 悪しき事にわが心を傾けさせず、不義を行う人々と共に/悪しきわざにあずからせないでください。また彼らのうまき物を食べさせないでください。

詩 141:5

 正しい者にいつくしみをもってわたしを打たせ、わたしを責めさせてください。しかし悪しき者の油をわがこうべに/そそがせないでください。わが祈は絶えず彼らの悪しきわざに/敵しているからです。

詩 141:6

 彼らはおのれを罪に定める者にわたされるとき、主のみ言葉のまことなることを学ぶでしょう。

詩 141:7

 人が岩を裂いて地の上に打ち砕くように、彼らの骨は陰府の口にまき散らされるでしょう。

詩 141:8

 しかし主なる神よ、わが目はあなたに向かっています。わたしはあなたに寄り頼みます。わたしを助けるものもないままに/捨ておかないでください。

詩 141:9

 わたしを守って、彼らがわたしのために設けたわなと、悪を行う者のわなとをのがれさせてください。

詩 141:10

 わたしがのがれると同時に、悪しき者をおのれの網に陥らせてください。


第142


詩 142:0

 ダビデがほら穴にいた時によんだマスキールの歌、祈

142

詩 142:1

 わたしは声を出して主に呼ばわり、声を出して主に願い求めます。

詩 142:2

 わたしはみ前にわが嘆きを注ぎ出し、み前にわが悩みをあらわします。

詩 142:3

 わが霊のわがうちに消えうせようとする時も、あなたはわが道を知られます。彼らはわたしを捕えようと/わたしの行く道にわなを隠しました。

詩 142:4

 わたしは右の方に目を注いで見回したが、わたしに心をとめる者はひとりもありません。わたしには避け所がなく、わたしをかえりみる人はありません。

詩 142:5

 主よ、わたしはあなたに呼ばわります。わたしは言います、「あなたはわが避け所、生ける者の地でわたしの受くべき分です。

詩 142:6

 どうか、わが叫びにみこころをとめてください。わたしは、はなはだしく低くされています。わたしを責める者から助け出してください。彼らはわたしにまさって強いのです。

詩 142:7

 わたしをひとやから出し、み名に感謝させてください。あなたが豊かにわたしをあしらわれるので、正しい人々はわたしのまわりに集まるでしょう」。


第143


詩 143:0

 ダビデの歌

143

詩 143:1

 主よ、わが祈を聞き、わが願いに耳を傾けてください。あなたの真実と、あなたの正義とをもって、わたしにお答えください。

詩 143:2

 あなたのしもべのさばきに/たずさわらないでください。生ける者はひとりもみ前に義とされないからです。

詩 143:3

 敵はわたしをせめ、わがいのちを地に踏みにじり、死んで久しく時を経た者のように/わたしを暗い所に住まわせました。

詩 143:4

 それゆえ、わが霊はわがうちに消えうせようとし、わが心はわがうちに荒れさびれています。

詩 143:5

 わたしはいにしえの日を思い出し、あなたが行われたすべての事を考え、あなたのみ手のわざを思います。

詩 143:6

 わたしはあなたにむかって手を伸べ、わが魂は、かわききった地のように/あなたを慕います。〔セラ

詩 143:7

 主よ、すみやかにわたしにお答えください。わが霊は衰えます。わたしにみ顔を隠さないでください。さもないと、わたしは穴にくだる者のように/なるでしょう。

詩 143:8

 あしたに、あなたのいつくしみを聞かせてください。わたしはあなたに信頼します。わが歩むべき道を教えてください。わが魂はあなたを仰ぎ望みます。

詩 143:9

 主よ、わたしをわが敵から助け出してください。わたしは避け所を得るためにあなたのもとにのがれました。

詩 143:10

 あなたのみむねを行うことを教えてください。あなたはわが神です。恵みふかい、みたまをもって/わたしを平らかな道に導いてください。

詩 143:11

 主よ、み名のために、わたしを生かし、あなたの義によって、わたしを悩みから救い出してください。

詩 143:12

 また、あなたのいつくしみによって、わが敵を断ち、わがあだをことごとく滅ぼしてください。わたしはあなたのしもべです。

 


第144


詩 144:0

 ダビデの歌

144

詩 144:1

 わが岩なる主はほむべきかな。主は、いくさすることをわが手に教え、戦うことをわが指に教えられます。

詩 144:2

 主はわが岩、わが城、わが高きやぐら、わが救主、わが盾、わが寄り頼む者です。主はもろもろの民をおのれに従わせられます。

詩 144:3

 主よ、人は何ものなので、あなたはこれをかえりみ、人の子は何ものなので、これをみこころに、とめられるのですか。

詩 144:4

 人は息にひとしく、その日は過ぎゆく影にひとしいのです。

詩 144:5

 主よ、あなたの天を垂れてくだり、山に触れて煙を出させてください。

詩 144:6

 いなずまを放って彼らを散らし、矢を放って彼らを打ち敗ってください。

詩 144:7

 高い所からみ手を伸べて、わたしを救い、大水から、異邦人の手から/わたしを助け出してください。

詩 144:8

 彼らの口は偽りを言い、その右の手は偽りの右の手です。

詩 144:9

 神よ、わたしは新しい歌をあなたにむかって歌い、十弦の立琴にあわせてあなたをほめ歌います。

詩 144:10

 あなたは王たちに勝利を与え、そのしもべダビデを救われます。

詩 144:11

 わたしを残忍なつるぎから救い、異邦人の手から助け出してください。彼らの口は偽りを言い、その右の手は偽りの右の手です。

詩 144:12

 われらのむすこたちはその若い時、よく育った草木のようです。われらの娘たちは宮の建物のために刻まれた/すみの柱のようです。

詩 144:13

 われらの倉は満ちて様々の物を備え、われらの羊は野でちよろずの子を産み、

詩 144:14

 われらの家畜はみごもって子を産むに誤ることなく、われらのちまたには悩みの叫びがありません。

詩 144:15

 

 このような祝福をもつ民はさいわいです。主をおのが神とする民はさいわいです。


第145


詩 145:0

 ダビデのさんびの歌

145

詩 145:1

 わが神、王よ、わたしはあなたをあがめ、世々かぎりなくみ名をほめまつります。

詩 145:2

 わたしは日ごとにあなたをほめ、世々かぎりなくみ名をほめたたえます。

詩 145:3

 主は大いなる神で、大いにほめたたえらるべきです。その大いなることは測り知ることができません。

詩 145:4

 この代はかの代にむかって/あなたのみわざをほめたたえ、あなたの大能のはたらきを宣べ伝えるでしょう。

詩 145:5

 わたしはあなたの威厳の光栄ある輝きと、あなたのくすしきみわざとを深く思います。

詩 145:6

 人々はあなたの恐るべきはたらきの勢いを語り、わたしはあなたの大いなることを宣べ伝えます。

詩 145:7

 彼らはあなたの豊かな恵みの思い出を言いあらわし、あなたの義を喜び歌うでしょう。

詩 145:8

 主は恵みふかく、あわれみに満ち、怒ることおそく、いつくしみ豊かです。

詩 145:9

 主はすべてのものに恵みがあり、そのあわれみはすべてのみわざの上にあります。

詩 145:10

 主よ、あなたのすべてのみわざはあなたに感謝し、あなたの聖徒はあなたをほめまつるでしょう。

詩 145:11

 彼らはみ国の栄光を語り、あなたのみ力を宣べ、

詩 145:12

 あなたの大能のはたらきと、み国の光栄ある輝きとを人の子に知らせるでしょう。

詩 145:13

 あなたの国はとこしえの国です。あなたのまつりごとはよろずよに/絶えることはありません。

詩 145:14

 主はすべて倒れんとする者をささえ、すべてかがむ者を立たせられます。

詩 145:15

 よろずのものの目はあなたを待ち望んでいます。あなたは時にしたがって彼らに食物を与えられます。

詩 145:16

 あなたはみ手を開いて、すべての生けるものの願いを飽かせられます。

詩 145:17

 主はそのすべての道に正しく、そのすべてのみわざに恵みふかく、

詩 145:18

 すべて主を呼ぶ者、誠をもって主を呼ぶ者に/主は近いのです。

詩 145:19

 主はおのれを恐れる者の願いを満たし、またその叫びを聞いてこれを救われます。

詩 145:20

 主はおのれを愛する者をすべて守られるが、悪しき者をことごとく滅ぼされます。

詩 145:21

 わが口は主の誉を語り、すべての肉なる者は世々かぎりなく/その聖なるみ名をほめまつるでしょう。


第146


詩 146:1

 主をほめたたえよ。わが魂よ、主をほめたたえよ。

詩 146:2

 わたしは生けるかぎりは主をほめたたえ、ながらえる間は、わが神をほめうたおう。

詩 146:3

 もろもろの君に信頼してはならない。人の子に信頼してはならない。彼らには助けがない。

詩 146:4

 その息が出ていけば彼は土に帰る。その日には彼のもろもろの計画は滅びる。

詩 146:5

 ヤコブの神をおのが助けとし、その望みをおのが神、主におく人はさいわいである。

詩 146:6

 主は天と地と、海と、その中にあるあらゆるものを造り、とこしえに真実を守り、

詩 146:7

 しえたげられる者のためにさばきをおこない、飢えた者に食物を与えられる。主は捕われ人を解き放たれる。

詩 146:8

 主は盲人の目を開かれる。主はかがむ者を立たせられる。主は正しい者を愛される。

詩 146:9

 主は寄留の他国人を守り、みなしごと、やもめとをささえられる。しかし、悪しき者の道を滅びに至らせられる。

詩 146:10

 主はとこしえに統べ治められる。シオンよ、あなたの神はよろず代まで統べ治められる。主をほめたたえよ。


第147


詩 147:1

 主をほめたたえよ。われらの神をほめうたうことはよいことである。主は恵みふかい。さんびはふさわしいことである。

詩 147:2

 主はエルサレムを築き、イスラエルの追いやられた者を集められる。

詩 147:3

 主は心の打ち砕かれた者をいやし、その傷を包まれる。

詩 147:4

 主はもろもろの星の数を定め、すべてそれに名を与えられる。

詩 147:5

 われらの主は大いなる神、力も豊かであって、その知恵ははかりがたい。

詩 147:6

 主はしえたげられた者をささえ、悪しき者を地に投げ捨てられる。

詩 147:7

 主に感謝して歌え、琴にあわせてわれらの神をほめうたえ。

詩 147:8

 主は雲をもって天をおおい、地のために雨を備え、もろもろの山に草をはえさせ、

詩 147:9

 食物を獣に与え、また鳴く小がらすに与えられる。

詩 147:10

 主は馬の力を喜ばれず、人の足をよみせられない。

詩 147:11

 主はおのれを恐れる者と/そのいつくしみを望む者とをよみせられる。

詩 147:12

 エルサレムよ、主をほめたたえよ。シオンよ、あなたの神をほめたたえよ。

詩 147:13

 主はあなたの門の貫の木を堅くし、あなたのうちにいる子らを祝福されるからである。

詩 147:14

 主はあなたの国境を安らかにし、最も良い麦をもってあなたを飽かせられる。

詩 147:15

 主はその戒めを地に下される。そのみ言葉はすみやかに走る。

詩 147:16

 主は雪を羊の毛のように降らせ、霜を灰のようにまかれる。

詩 147:17

 主は氷をパンくずのように投げうたれる。だれがその寒さに耐えることができましょうか。

詩 147:18

 主はみ言葉を下してこれを溶かし、その風を吹かせられると、もろもろの水は流れる。

詩 147:19

 主はそのみ言葉をヤコブに示し、そのもろもろの定めと、おきてとを/イスラエルに示される。

詩 147:20

 主はいずれの国民をも、このようにはあしらわれなかった。彼らは主のもろもろのおきてを知らない。主をほめたたえよ。


第148


詩 148:1

 主をほめたたえよ。もろもろの天から主をほめたたえよ。もろもろの高き所で主をほめたたえよ。

詩 148:2

 その天使よ、みな主をほめたたえよ。その万軍よ、みな主をほめたたえよ。

詩 148:3

 日よ、月よ、主をほめたたえよ。輝く星よ、みな主をほめたたえよ。

詩 148:4

 いと高き天よ、天の上にある水よ、主をほめたたえよ。

詩 148:5

 これらのものに主のみ名をほめたたえさせよ、これらは主が命じられると造られたからである。

詩 148:6

 主はこれらをとこしえに堅く定め、越えることのできないその境を定められた。

詩 148:7

 海の獣よ、すべての淵よ、地から主をほめたたえよ。

詩 148:8

 火よ、あられよ、雪よ、霜よ、み言葉を行うあらしよ、

詩 148:9

 もろもろの山、すべての丘、実を結ぶ木、すべての香柏よ、

詩 148:10

 野の獣、すべての家畜、這うもの、翼ある鳥よ、

詩 148:11

 地の王たち、すべての民、君たち、地のすべてのつかさよ、

詩 148:12

 若い男子、若い女子、老いた人と幼い者よ、

詩 148:13

 彼らをして主のみ名をほめたたえさせよ。そのみ名は高く、たぐいなく、その栄光は地と天の上にあるからである。

詩 148:14

 主はその民のために一つの角をあげられた。これはすべての聖徒のほめたたえるもの、主に近いイスラエルの人々の/ほめたたえるものである。主をほめたたえよ。


第149


詩 149:1

 主をほめたたえよ。主にむかって新しい歌をうたえ。聖徒のつどいで、主の誉を歌え。

詩 149:2

 イスラエルにその造り主を喜ばせ、シオンの子らにその王を喜ばせよ。

詩 149:3

 彼らに踊りをもって主のみ名をほめたたえさせ、鼓と琴とをもって主をほめ歌わせよ。

詩 149:4

 主はおのが民を喜び、へりくだる者を勝利をもって飾られるからである。

詩 149:5

 聖徒を栄光によって喜ばせ、その床の上で喜び歌わせよ。

詩 149:6

 そののどには神をあがめる歌があり、その手にはもろ刃のつるぎがある。

詩 149:7

 これはもろもろの国にあだを返し、もろもろの民を懲らし、

詩 149:8

 彼らの王たちを鎖で縛り、彼らの貴人たちを鉄のかせで縛りつけ、

詩 149:9

 しるされたさばきを彼らに行うためである。これはそのすべての聖徒に与えられる誉である。主をほめたたえよ。


第150


詩 150:1

 主をほめたたえよ。その聖所で神をほめたたえよ。その力のあらわれる大空で主をほめたたえよ。

詩 150:2

 その大能のはたらきのゆえに主をほめたたえよ。そのすぐれて大いなることのゆえに/主をほめたたえよ。

詩 150:3

 ラッパの声をもって主をほめたたえよ。立琴と琴とをもって主をほめたたえよ。

詩 150:4

 鼓と踊りとをもって主をほめたたえよ。緒琴と笛とをもって主をほめたたえよ。

詩 150:5

 音の高いシンバルをもって主をほめたたえよ。鳴りひびくシンバルをもって主をほめたたえよ。

詩 150:6

 息のあるすべてのものに主をほめたたえさせよ。主をほめたたえよ。